【月刊らてらて〜あなたが選ぶ今月の一杯〜】2022-4月号

⑧未解決事件FILE01：猟奇猫又の怪（春雨さん）
⑨後悔役に立たず（松神さん）
に１票ずつでお願いします！

⑧未解決事件FILE01：猟奇猫又の怪（春雨さん）：
猫又という妖怪を入り口にして、人魚という違う妖怪を出口にしているのが非常に好みです。それでいて猫又伝説もまた真なりというのが非常にニクい。　人魚という真相に辿り着いて納得した後にもう一度膝を打たされた問題でした。
『死体損壊・遺棄事件』・『警察は殺人事件として捜査した』・『被害者の身元は不明』という、非現実要素がある物語での表現のフェアさが徹底されているのも魅力です。
「魚の切り身」を意味する「フィレオフィッシュ」をもじった「フィレオヒト」というタイトルも秀逸かつヒントになっていて・・・えっ、ファイルゼロワン？
そしてみんな気になるスーパーネコチャン。スーパーネコチャン・・・。

⑨後悔役に立たず（松神さん）：
１行目の『「ポコーン2.0」には致命的な脆弱性があることが判明した。』という一文の秀逸さですよね。『致命的な脆弱性』にベールやトリックがあるんだろうなと掘り下げてみても何も出ない。そうなると「じゃあポコーン3.0に不都合があるんだな」という思考に流れてしまう。末尾にある『判明した』経緯が重要だなんて思いもしないでみんな通り過ぎてしまう。　問題文に決定的な取っ掛かりとなるクルーがしっかり配置されていながら気にも留められないこの芸術的仕掛け、どのようにして作られたのか非常に興味深いです。 [編集済]

1＋

③Spring comes around（ギー太さん）
⑤昭和は遠くなりにけり（炎帝さん）

でお願いします！

感想（ネタバレ少しあり）
③この発想はなかった！　すごい！ということで投票させていたきました。　問題文も解説もシンプルですが、新形式ならではの奥深い問題だと感じました！

⑤この問題には私も参加させていただいたのですが、なかなかに迷走してしまいました。
ですが、解答にたどり着いたときのこれだ！！感が凄かったです。　この時のためにらてらてしてるんじゃないかなと思うほどに。
そして問題文中の全ての情報が綺麗にヒントになっており、素晴らしいと感じました（詳細は当問題のチャット蘭に書きましたが）
これを五文字×3で表されるという気付きだけでも本当に凄いのに、この作問能力には頭が上がりません

No.5『昭和は遠くなりにけり』(炎帝さん) に2票


[感想]（ネタバレなし）

宿泊客がカーテンを開けた理由を探る「謎解き要素」と、ホテル名を当てる「パズル的要素」の二つを楽しめる、お得でお薦めの問題です。
自分は結局解けなかったんですけど、解説を見た後に「自分で解いたら気持ちいいだろうな」と思える良い作品でした。

No.④あと5分、いや10分（ほずみさん）に2票

[感想]（ネタバレなし）
出題者様が、とてもよく考えて言葉を選んだであろうということが伝わります。
文章の長さはスッキリしているのに、いろいろと想像できるだけの余白・余裕があるのも素敵です。

No.⑤『昭和は遠くなりにけり』(炎帝さん) に2票を投じます❗️

[感想]（ネタバレなし）
納得感とトリックがずば抜けていた…皆さんの質問とかを見ながら自分も考えるのがめちゃくちゃ楽しかった。

No.⑤昭和は遠くなりにけり（炎帝さん）に1票
[感想]（ネタバレなし）
とても手が込んでいて、わかると気持ちが良い。

No.⑧未解決事件FILE01：猟奇猫又の怪（春雨さん）に1票
[感想]（ネタバレなし）
解くべき謎の出し方が明快。

No.⑤『昭和は遠くなりにけり』(炎帝さん) に1票
No.⑥『ライナスの毛布』(「マクガフィン」さん) に1票
[感想]（ネタバレ）
⑤闇スープを活かし解くためのルートが人によって様々になるよう設計されている点が良かったです。
⑥問題文からの閃きからさらに謎が隠されていて漸進的に解けるようになっている点が良かったです。

⑧未解決事件FILE01：猟奇猫又の怪（春雨さん）に2票
[感想]（ネタバレあり）
問題文で強調されている部分が綺麗に回収されているところが凄いと思いました。
挿絵も独特で魅力があり解説文の迫力も凄くて全体的に良かったです。

No.④あと5分、いや10分（ほずみさん） に1票
No.⑩14の言葉（まんとさん）に1票
[感想]（ネタバレあり）
どちらも巧みに隠された物語の背景が水平思考的トリックに活かされているのがお見事！

No.2『［要知識］物体Xに関する記述』(まんとさん) に1票
No.6『ライナスの毛布』(マクガフィンさん) に1票

[感想](ネタバレあり)

　『［要知識］物体Xに関する記述』はやはりなんといっても「物体Xに入るものを可能な限り求めよ」という一文の美しさにやられてしまいます。一見するとそれはただ複数個の選択肢を全て求めよと言われているようにしか見えないのに、物体Xの正体が組み合わさるだけでこの文章への印象はまるっと変わってしまいます。
　そのギャップの完璧さ、そして最初にそんな可能性を露程も感じさせない物体X抜きでの文の完成度。とにかく慎重な言葉遣い、その巧さと美しさは頭一つ抜けていると言っても過言ではないでしょう。

　さて、美しさについて語りましたが実際はそれだけにとどまる問題ではないことは当然でしょう。この問題の面白さは段階的に問いかけの意味が変わって見えていくことにあります。
　参加者の殆どが最初に感じるであろう印象は上述の通り「物体Xに含まれる複数個の選択肢を全て求める」という問題であるように感じつつ、次のステップである物体Xの正体判明の段階へ進むと

「物体Xに含まれるor物体Xの中に入っているであろうものを　複数個の選択肢の中から選ぶor限界になるまで入るものを選ぶ」

　といったように様々な選択肢が現れる難解な問題へと変貌を遂げます。
　選択肢が増えた結果頭に浮かぶ多くの結論の中から最も最適であろうもの、最も面白いだろうと思ったものを選ぶとなれば、それは当然更に一捻りせざるを得ないことでしょう。でもここから一捻り？更に？と思ってしまうこともあります。
　しかしこの問題、そのひっかかりをやはり見事に突破してくれました。
「可能な限り求めよ」この問いかけがここで最大限の効力を発揮し、ああもうこれしかないな、これが一番面白いな！と閃き、繋がる過程は何にも代えがたい快感をもたらしてくれます。

その発想力や独創性と美しさ、参加時の楽しさ、総合点で見たらこの問題に勝る問題は無いのではないかと感じました！



　『ライナスの毛布』タイトルがちょっと洒落た感じがして良いですね。でもただ洒落てるだけでなく、問題文の暗い雰囲気と合わせればそれはまるで全ての人間を暗い思考のどん底へと落としていく純文学的な雰囲気を漂わせてきます。
　まあタイトルの話は別に良いんです。実はそこまで重要視なんてしていませんから。

　この問題は非現実要素が含まれています。しかしその非現実要素はこの問題を解くのに必要な鍵でありながら、隠されている。
　これだけ聞くとなんだかとっても理不尽な問題に聞こえますね？確かに非現実要素はそう言った側面を持ち合わせており、取扱注意だと言われてしかるべきものです。隠すなんて以ての外、そう思われる方が大勢いても仕方のないことです。
　しかし一つだけ、たった一つだけ存在する非現実要素は時に大胆に放り込まれたスパイスとして、しかし必要不可欠な主役として機能することだってあります。
　この問題には非現実要素が含まれています、たった一つだけ。そしてそれはいわばこの問題を解くのに最も重要な鍵です。

　さて、ここまではいわば前奏、オードブルです。私が本当に伝えたいのは、それら全てをひっくるめたこの問題の大胆さ、そしてその大胆さに比べて繊細な問題文と解説の設定についてです。

　狼男という要素が出なければこの問題、解くことは難しいでしょう。そのため本来このような問題では狼男に対する誘導はどうしても強くする必要がある……のですが、マクガフィンさんはここで大胆に勝負に出ています。そう、簡単な話です。狼男という要素が出てこなければ話が殆ど進まないようにしているんです。
　実際に質問欄を見て考え……まあこの質問欄はそれほど参考になりませんね。では机上の空論で行きましょう。

　狼男、という要素が出てこなかった場合にこの問題に存在する情報は大まかに分類すれば3つ。ジャックは過去に人を殺したことがある(しかし誰を殺したかは重要ではない)、ジャックの他に重要な人物がいる(たった一人。恋人あるいは想い人と定義)、夜に外出する際にのみ答えであるその「何か」を持ち歩く(なおかつ持ち歩く日は雨であると限定可能)
　たったこれだけしか情報は出ないんです。それ以外は質問したところでそっけない返答が返って来るだけでしょう。つまり狼男に辿りつく前に情報は完全に出終わるか、もしくは完全に物当て状態となり答えだけ出てしまうという構造ですね。

　正直賭けと言われても仕方ない一面があります。大事な要素の前に答えが出てしまっては空気も完全に冷めてしまう。でもそこはそれ、結局のところ面白ければ良い。
　実際はそれほど分の悪い賭けではありません。狼男と繋がる要素を、この問題はこの短さとシンプルさで数多く含んでいます。行動が限定されるのは夜にのみということ、人を本当は殺したくないという葛藤、夜以外はごくごく普通の人間であるということ。これら全てをこれほど綺麗に盛り込んでしまえば問題文に謎があるように感じなくなることもある、ですがそこを感じないのはこれが非現実要素を含む問題であるからこそなのだと思いました。

　さて、長々と語りましたが簡単に言ってしまえばこの問題の魅力はシンプルさ故に閃きが必要である構造に、非現実要素を盛り込んだが故の暴力的な閃き誘発が存在すること。そしてその閃きだけではない物語の構成力、短いながらに全てが歯車のように噛み合ってしまう問題全体の美しさ。それらを踏まえたうえで、傘を敢えて答えに据える大胆さであると言えるでしょう。
　素晴らしい問題です。 [編集済]

⑥ライナスの毛布（「マクガフィン」さん）に1票
ネタバレなし感想

情景を想像するととてもイイ…となりました。

④あと5分、いや10分（ほずみさん）に１票
ネタバレあり感想

切ない…イイ…