

さなめ。「私にはこの問題の解説は、自分でリサイクル出題したもの一択しか思いつかなかったのですが、階段を駆け降りることの受動性、12時の意味の置き方など、見た目からは想像しにくい死角を突かれて面白い問題でした。」


さなめ。「「弟が父に似ている」という、単純な帰結であれば当然のことなのに殺害に発展する、という謎の提示までは問題としてよくありますが、この問題文を見たとき、誰もが始めから真相を察することはできないと思います。記述された少ない情報はそれだけで読み手の疑いの目をあさっての方へ向け、奇怪な真相は煙に巻かれます。繊細な叙述管理が素晴らしい問題でした。」


さなめ。「姫様が下町の娘に誘われて外の世界を楽しむ、というわくわくさせられる展開が、その展開はそのままでありながら景色は解説で一変するのが魅力的です。伏字が問題の根幹を端的に表しているところも綺麗で洗練されています。」


さなめ。「状況の表現方法がひたすらにお上手です。解説のシチュエーションを想像する点それ自体ですでに面白い設定ではありますが、それを『騙す方面』と共通した見事な言葉選びで自然とミスリードへ誘う仕掛けが問題文に満載で、解説を読んだ後に問題文一文一文を楽しめます。」


さなめ。「謎の上塗りにも思える『後から来る人々』にかかる記述がとても精妙です。状況の切り取り方が、この『後から来る人々』や『祖国へ帰る』といった言葉選びの上手さで際立ち、隠された真実への納得を見事に演出しています。」