びっくり。

『急募しゃっくりの止め方息止め無効』

私はとても落ち着いていたので、人通りから外れて壁際に立った。
しゃっくりが止まらない。こんな時はSNSにSOSである。
休日の昼過ぎである。幸いにも親切なお姉様が構ってくださった。いつもお世話になっております。今後ともよろしくお付き合いのほど……

『ワッ！！！！！！！』
『水をコップの反対側から飲むといいよ』

そういえば、我が家でも代々この方法である。私は父から教わったし、父は祖父から教わった。らしい。
右手に持った紙袋を左手に持ち替え、ばしゃばしゃさせながら左肩にかけた鞄を漁る。

「……ペットボトルしかない。ッく」

今朝、薬を飲むために道々で購入した水が出てきた。
小さなペットボトルをばしゃばしゃさせながら見る。残り半分。
だがしかし、私、ここで何を思ったか。それを一気にぐぐっと……

むせた。
しかもむせている最中にしゃっくりが出た。現状は悪化している。現実は非情である。
いくら空腹で頭がおかしくなっているとはいえ、これはない。

……いや、そう。大丈夫。
うん、全ては我が策の内なのである、きっと。

左手前方にカフェの看板が見えていた。