おい！あいつSEC〇Mしてるぞ！

ある男たちが、ある家電量販店の倉庫に窓ガラスを割って強盗に入り、新作ゲーム機を大量に盗み出して闇市場で売りさばく計画を立てていた。
そのためにまず、倉庫に強引に侵入してその後店の物を盗むためにどれくらいの時間をかけられるかを調べようとしていた。
建物は予め無人であることを確かめてから侵入するが、最近の建物は警備会社と契約して、窓ガラスが割れたことをセンサーで感知して警備員を派遣するようなシステムを整えているケースが多い。
ターゲットとしている倉庫がSEC〇Mと契約していることが分かった男たちは、まず同じセキュリティ会社と契約している建物を探した。
セキュリティ会社はいくつか拠点を持っており、そこに警備員を常駐させている。拠点の位置は防犯上の都合で伏せられているものの、会社もいくつもいくつも拠点を持てるわけではないため、地域が近ければ同じ拠点から警備員がやってくる可能性が高い。つまりその建物の窓ガラスを割ってから、セキュリティ会社に通知が行って警備員がやってくるまでの時間を測れば、対象となる倉庫に押し入った時に警備員がやってくるまでの時間を算出できる可能性があるということだ。

男は窓ガラスを割ったことでセンサーが反応し、警備会社に通知が行ったことを確認した。そのあと物陰に隠れて警備会社の人間がどれくらいの時間で来るか、どの方角から来るかを見ていた。
その情報から、対象となる倉庫に侵入したときにどれくらいの時間で警備員が来るか予測したのである。
10分ほどの時間があると分かったことで、強盗を実行するときも落ち着いてゲームを盗み出すことが出来るだろうと考えたのである。

男が勝手にそう考えているだけで実際に上手くいくかは分からないことは言うまでもない。