らてらて学園の文化祭。
藤井くんの所属する3年A組の出し物は、演劇『ウミガメのスープ』になった。
もしも藤井くんが大きな声を出さなかったら、彼らの出し物は『食パンアート』になっていた可能性が高い。
藤井くんはべつに大声を上げて食パンアートに大反対したわけではない。
だとしたら、これはいったいどういうことだろう?
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解説
らてらて学園では、各クラスで文化祭の出し物についての話し合いが行われていた。
藤井くんの所属する3年A組では誰かの出した『食パンアート』が大ウケし、それでいこう!と教室は活気づく。
「あ、あの……」
そんな中、藤井くんの隣の席でコウちゃんがおずおずと手を挙げた。
内気で声も小さいコウちゃん、ほとんどの人が気づかない。
司会進行役が黒板に『食パンアート』とチョークで書いている。
藤井くんは思いっきり息を吸い込んだ。そして、
「みんな静かにーーーー!!!!!!」
隣のクラスから苦情が来そうなほどの大声を上げた。
びくっとしたクラスメイトたちは、お前が静かにしろと言わんばかりの目を藤井くんに向ける。
教室がしんと静まり返った。
「コウちゃんがなんか言おうとしてる」
藤井くんに集中していた視線はコウちゃんへと向けられる。
「え、えぇと……ウミガメのスープ、の演劇、なんて、楽しそうかなって」
今にも消え入りそうな声でコウちゃんは呟いた。
「ウミガメのスープ?なにそれ?」
「あ、俺知ってるかも」
「なになに?」
その後、教室はウミガメのスープの話題で持ちきりに。
「面白そうじゃん!」
「へぇ~こんなのあるんだね」
「カニバリズムって?」
「人が人食うんだって」
「こわっ!!」
かくして3年A組の文化祭の出し物は、演劇『ウミガメのスープ』となったわけだ。
簡易解説
文化祭の出し物を決める話し合いの中、教室では『食パンアート』という案が賛成多数で盛り上がっていた。
そんな中、案を出そうとするコウちゃんだったが、声が小さくて周りに気づいてもらえない。
隣の席で唯一気づいた藤井くんは、コウちゃんに注目を向けるために大声を出した。
そしてコウちゃんの案である演劇『ウミガメのスープ』が採用されたのだ。
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休み鶴>>
見せる情報と見せない情報の取捨選択が巧みです。