便利な発明

要約:カメオの発明によって不利益を被る人間に狙われることを避けるため。

カメオの発明とは紙に一定の形の図形を描く事で
簡単にコミュニケーション力や認知の歪みを数値化できる方法で、
はじめは一般人と犯罪者を対比して実験が行われ、
明らかな差異があることが判明したのち実験を繰り返し、
かなりの精度であると推定された。
そのことからすぐに会社や学校などで問題行動を起こしそうな人間を
あらかじめ判別し排除する方法に使われるようになった。

多くの人たちからは
「これで獅子身中の虫を我が社に引き込んでしまわずに済む」
「問題児が居なくなったおかげで学校の雰囲気が良くなった」と感謝されていた。
それと同時に通常の人間が描く図形＝正解は、
あぶり出したい一定数に真似をされて
自分たちの場所に潜り込まれると困るので
決して受験者側に知らされることはなかった。

もちろん弾かれる側からは不満を抱かれ、
発案者であるカメオの名前を公表したら生命の危機を感じると思わせるほどだった。

せいぜいセルフチェックに使用されるぐらいだろうと、
そんな風に考えていたカメオには予想外の事態だった。