寒空でスターは輝いていた。

それは、大道芸のクライマックスを終えた時の話。

大勢の人が、芸人に拍手を贈った。
芸人はありがとうございます、と頭を下げながら、こう言った。

「大道芸は人を楽しませるためのもの。しかし、その大道芸を続けていくためには、どうしてもお金が必要です。
　ほんのみなさんのお心遣い、それさえあれば、僕はまだ40になっても大道芸を続けることができます。

　どんな少ないお金でも、もちろん1円でも構いません。もし僕の芸を気に入ってくれたなら、そのぶんだけ入れて下さるのなら、励みになります」


カメコは、その言葉を聞いていた。
でも、カメコはお金を持っていなかった。

お母さんにお願いして、あの芸人さんにお金をあげたいな。

しかし、もしスーパーへお母さんを探しに行っていたら、もしかしたらその芸人はもういなくなっているかもしれない。
カメコは、芸人から目を離さないようにしつつ、スーパーから自分を探しにくるお母さんを待った。



つまり答えは……

大道芸の終了後、お金を入れようと思ったが、大道芸人に渡すお金を持っていなかったので、母親がくるまで大道芸人が帰らないように見張っておくため。

でした。




つなみにその光景の一部始終を見守っていたイベント帰りのとろたく。
最初こそ迷子かな？　と心配していましたが、心配して戻ってきた母親からお金を受け取り、それを芸人さんにあげている光景を見て、
冷えた外気を浴びながら、心はほんのりあたたかくなったとさ。



とろたくはクールに去るぜ……　＞　(ω˘ )彡ｸﾙﾘ
(声をかけようかどうか迷いまくった自分を棚に上げながら)