病魔に侵されたアイドル

質問に答えているうちに解答の甘さに気づいたので修正を加えました。
編集できないみたいなのでこちらに置いておきます。


処女性を売りにしているアイドルが子宮頸がんを患ったことを発表し｢処女じゃなかったのかよ！！｣と総叩きに合う。
子宮頸がんの原因のほぼ100%は、性交によるHPVへの感染なのである。
炎上をきっかけに週刊誌が彼女の過去を嗅ぎ回り、学生時代に交際経験があったことを掴んだ。
しかし、早期の子宮頸がんの場合、5年生存率は92%にもなる。なぜ彼女は死んだのか。
実は、彼女の本当の病名はエイズで、子宮頸がんというのはエイズを誤魔化すための嘘だったのだ。
過去に交際していた男性から感染し、長らく無症候性キャリアだったものの、アイドルとして人気絶頂を迎えるなか発症。
多忙な日々を送る中で寝不足だったことも相まって、病気が分かった頃にはかなり免疫力が低下していた。
治療のため休業することにしたが、エイズだと発表すれば過去の男性経験がバレてしまうかもしれないし、何も言わなければ大切なファンを心配させてしまう…
｢癌だって嘘をつけば同情も買えるし、ちょうどいい｣
彼女の名前を少しでも売ろうと、事務所スタッフが考えた嘘だった。
｢子宮頸がんだったら若い女性がよく罹る病気だから、その層からの共感を呼ぶことができるんじゃないか｣
そんな理由から選ばれたのだが、結果は大失敗に終わった。
(ちなみに、エイズは性交による感染が約8~9割を占めるが、わずからながら母子感染で発症する場合もあるため、子宮頸がんであると嘘をつくよりずっとましだった)
アイドルは嘘をついたことを悔やみ、数々のバッシングに心を痛めながらも懸命に生きた。
やっと心の傷が癒えてきたころ、風邪をこじらせあっけなく亡くなった。
金のことしか考えない事務所と、アイドルを偶像視しすぎるオタクによる被害はあまりにも重かった。