ウミガメのスープ？？

この男はとても有名な美食家。
彼は様々なレストランに通い、
それぞれのウミガメのスープを
食べ比べしてきたので、
ウミガメの味に関しては
とても詳しかった。

とても美味しいウミガメのスープが
食べられるという噂を聞き、
このレストランに初めて
やってきたのだが、
出されたウミガメのスープを
一口食べただけで、
この店のウミガメのスープに
入っているのが、明らかに
ウミガメでないことがわかった。

このレストランは、
ウミガメのスープと称して、
別の肉を使用したスープを出して、
大金を稼いでいたのだ。

そのことに気づいた男は
シェフと話をした。
「すみません。これは本当に
ウミガメのスープですか？」
「はい。ウミガメのスープに
間違いありません。」
「嘘をつかないでください。
この肉はあきらかに
ウミガメではないでしょう！」
「…何をおっしゃっているのか、
私にはわかりません。」
「…もう結構です。
すぐに勘定を済ませます。
そしてこのレストランが行なった
不正を世間に告発します。」
「………そうですか。」

レストランを出た男の後を追って、
シェフは店を飛び出した。
そして、シェフは男に近づき、
口封じの為に男を殺したのだった。