よっこいせっと。ああ、ちいっと小腹が減ったな。何か食うもの……なに?ラテとウミガメのスープしかねえって?ああ、いや、ウミガメの肉はおれぁちょいとニガテでな。
おっとそうだ、ラテといやあな……。
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ある男が近ごろ足繁く通ってるのは、一見ごく普通のコーヒー屋だ。美味くもなく、不味くもなく、まあ食い物も多少出してる。ま、そんな普通の店さ。
これといった特徴もなくお気に入りのカワイコチャンもいねえその店に、男は毎日のように通う。バスに乗ってはるばるとな。おっと、先に言っておくが、実はその店の店員だってオチじゃあないぜ。今言おうと思ったろ?へへっ。
男が言うには、その店に行った日には男の抱えてる重要な任務が必ず成功するそうだ!
さあ、この不思議な店の秘密がわかるかい?
仮に男がその店に行かなかった場合、任務は成功しなくなりますか?
いいや!行かなくても成功することは、あるのさ!ここは非っ常に大事なところだぜ?進む方向を間違えないようにな! [良い質問]
バスに乗ってはるばると、という事は遠いところにある店ですか?
そう。そこそこの距離だ。まあ、散歩のついでに寄るわけじゃないってくらいの意味さ。
一見ごく普通の、という事は、普通のコーヒー屋とは異なる特徴がありますか?
それを詳しく答えると、解答になっちまうんだが……。ま、見た目だけ言うと特に特徴はない、と言っておこうか。 [良い質問]
13より職業を特定する必要はないが、その任務を特定する必要がありますか?
そうだ!特定してほしい。まあ適当な言い方が思いつかなかったんで任務と言ったが、ちょいと大げさな言い方かもな。 [良い質問]
その店はコーヒー屋と何かを兼業してますか?
実は秘密の合言葉を伝えると奥で待つ探偵の元へ通される……ってことは特にない。残念だな。
その店は情報屋でもありますか?
そう!オリジナルブレンドに砂糖4個とオレンジリキュールの注文がその合図……ってことも特にない。だがそういうのいいよな。実にいい。
男の任務は座るだけで(あとは何も行動しなくても)成功しますか?
うーむ難しいが……ノウ。発想を転換してみてくれ。 [良い質問]
遅刻とコーヒー屋の関係を考えてみてくれ!
男は時々会社に遅刻していた。
なので少し早いバスに乗ることにした。
すると時間がありすぎて暇。
近くのカフェで時間つぶそうですか?
[編集済]
おおむねその通りだが、コーヒー屋に入ることにもっと明確な目的がある。切羽詰まった男がコーヒー屋をどう利用するのか?そこを想像してみてくれ。 [良い質問]
コーヒーを飲み終わるまでの時間がほぼ一定なので遅刻を防げますか?
遅刻を防ぐためってのはイエスだ!そのために男は毎日コーヒー屋に寄るが、ならば遅刻しそうな時はどうする? [良い質問]
遅刻の言い訳としてコーヒー屋を利用しますか?
もう言い訳の種も尽きてるんじゃないかねぇ。言い訳しないで済むようにコーヒー屋を利用するのさ。 [良い質問]
そんなあんた方にヒントだ。
「いつも遅刻する奴は待ち合わせを何時に設定しても必ず同じだけ遅刻する」
いつも15分遅刻する奴を時間通りに来させるには、待ち合わせ時刻をどう伝える?[編集済]
遅刻しないように、開店時刻に来るようにしているのですか?
必ずしも開店時刻とは限らねえが……。始業時刻より早くコーヒー屋に来ようとしているのはあってる。あとは、そうだなぁ。ううん。
店に来なかった時も100%遅刻するわけじゃあない。
男はコーヒー屋に通うようになってから、遅刻の回数はぐっと減ったそうだ。それは、コーヒー屋で過ごす時間を違う用途で使うこともできたからだ。
コーヒー屋で、会社の仕事をすれば、遅刻しても、遅刻した分の仕事をしてきました!と言えるからですか?
ツッコミが追いつかねぇやい! [良い質問]
焦点は、「男はなぜコーヒー屋に入ることを日課にしているのか?」だ。そう、とにかくコーヒー屋に入ること自体を予定とし、目的としているのさ。男が本当に遅刻しそうな時、コーヒー屋での時間はどういう働きをするか?そこが肝だ。
コーヒー屋での時間は、遅刻をしないための保険になっていますか?
そう!その通り!!ブラボー!!ありがとよぉ!! [正解][良い質問]
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いやいや、なんだか興奮しちまったな。解説といこうか。
男はずばり、遅刻魔だ。ええと、お前さんには話してあったかね?おれの知り合いの笛吹きのカメーオ。前に遅刻でひでぇ事になったあいつだ。
カメーオは目覚ましを5つも使ってるくせに、相変わらず朝はすっトロくてな。寝ぼけまなこでトロトロ支度して新聞読んで朝メシ食ってる間に、ウープス!こんな時間だ!ってな。
なんでも遅刻しがちな奴ってのは、家を出るのが何時だろうと常にギリギリに行動しちまうそうだ。10分早く起きたら10分早く出られるかってえとそうじゃなく、10分間分余計な事をしてやっぱりギリギリになっちまうんだと。難儀なこったな。
そこで奴ぁ一計を案じた。
どうせいつもギリギリなら、ギリギリでさえあれば絶対に遅刻しない仕組みを作ろうってな。
具体的にはこうだ。朝起きたらひとまず身支度だけをして、バスに飛び乗り、職場の隣のコーヒー屋に向かう。本来の仕事開始の30分前にコーヒー屋に『出勤』する、と朝のルーチンを組み換えたのさ。
そうするとどうなるか?
朝慌てて飛び出すのはまあどうせ変わらねえ。だが、予定通りに着けばご褒美の優雅なコーヒータイム、多少遅れても仕事には間に合う。最悪、店に寄らなければメシ抜きを代償に時間を丸ごと遅れの補填に使えるのさ。
わかったかい?男の抱えてる重要な任務ってのは「遅刻しないこと」。店に行ったらそれが成功するってのはつまり、「遅刻しない時間に到着できたから店に行ける」ってことだったのさ。
この方法を実行するようになってから、遅刻しなかった確率はなんと実に9割5分!もういっそ職場に住み込めばいいのにな!ハハッ!
要約
遅刻魔の男は朝のルーチンに職場近くのコーヒー店での朝食の時間を組み込むことで寝坊した時の保険にしている。
・男の職業は重要ではないが職業に関わる任務である
・男にとっては任務と呼ぶほど重要だが、一般的には目的にすらならない事柄である
・男の任務は遅刻に関係する
・コーヒー屋は男の職場の近くにある
・男は遅刻しないためにコーヒー屋に入る
・男は絶対に遅刻しない対策を練る必要性に駆られている
・男はどこに何時に到着する予定でも、同じぐらいのギリギリか遅刻をする
・男は始業より早い時刻に、わざわざコーヒー屋に寄る予定を立てている
・男が本当に到着が遅れて遅刻しそうな時は、コーヒー屋には寄らない
・つまりコーヒー屋での時間は、男にとって……
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