今から9年前の春、ある女が死んだ。
名前は夏子。自殺とみられた。
彼女がなぜ死を選んだのか、誰もその理由に心当たりはなかった。
遺書や日記も見つからなかった。
唯一の手がかりは彼女の手帳から発見された、
2019年2月10日
という走り書きだ。
皆そんな未来の日付に思い当たることはなく、謎は深まるばかり……
そして時は流れ、今日は2019年2月10日。
女の家族は9年越しに彼女の死の真相を知り、戦慄することとなった。
さて、どうして夏子は死んだのだろう?
名前は夏子。自殺とみられた。
彼女がなぜ死を選んだのか、誰もその理由に心当たりはなかった。
遺書や日記も見つからなかった。
唯一の手がかりは彼女の手帳から発見された、
2019年2月10日
という走り書きだ。
皆そんな未来の日付に思い当たることはなく、謎は深まるばかり……
そして時は流れ、今日は2019年2月10日。
女の家族は9年越しに彼女の死の真相を知り、戦慄することとなった。
さて、どうして夏子は死んだのだろう?
元祖「ウミガメのスープ」のぞくぞく感を目指して!
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らてらてビブリオバトル紹介問題
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No.14[ナナマガリ]02月10日 22:4702月10日 22:57
彼女が自殺した理由に日付は関係しますか?
うーむ、YESかな? 「日付」が直接自殺の原因等になったわけではありませんが、間接的に関係してくるでしょう。 [編集済] [良い質問]
No.18[ナナマガリ]02月10日 22:5602月10日 23:00
2/10に起きたのは危険なことでしたか? [編集済]
YES! 危険なことと言えるでしょうね。※ミスリード注意!!! [良い質問]
No.20[CROWN]02月10日 23:0402月10日 23:08
夏子がその日付を手帳に書いた時、すでに死ぬ決意は固かったですか?
NO!鋭い! 書いたときはまだ死ぬつもりはなかったのです。 [良い質問]
No.22[CROWN]02月10日 23:0502月10日 23:15
夏子が高校生で成立しますか?
厳密にいえば成立しなくはないのですがNOで考えた方が良いです!死亡当時夏子は24歳でした。 [良い質問]
No.28[「マクガフィン」]02月10日 23:2202月10日 23:56
手帳に書き込んだとき、夏子は9年後のその日に何かをするつもりでしたか?
NO! 何かを「する」つもりで書いたわけではありませんでした! [良い質問]
No.30[CROWN]02月10日 23:4702月10日 23:56
家族が驚いたのは夏子の自殺の理由に対してではなく、2/10に起こった事に対してでしたか?
YESNO 家族は驚いたのは、「自殺の理由」「2/10に起こった出来事」両方でしょう! ※ミスリード注意!!!! [良い質問]
No.33[CROWN]02月11日 00:0502月11日 00:08
夏子の証言によって冤罪で逮捕された男が出所後夏子への復讐に家族の元へ現れたが、夏子は自分の犯した過ちに気が付き既に自殺していましたか?
NO!
30突破ヒント!(逆に混乱させてしまうかもしれませんが…)
夏子の家族は、テレビニュースをきっかけに夏子の自殺の理由を推察しました。
夏子の家族は、テレビニュースをきっかけに夏子の自殺の理由を推察しました。
No.35[koto]02月11日 00:1102月11日 00:13
32より 絶望の理由は誰かを亡くしたからですか?
NO!誰かを亡くして絶望したわけではありません! が、重要ワードが… [良い質問]
No.40[ナナマガリ]02月11日 00:2502月11日 00:27
2/10が時効だったが時効の撤廃により自殺しましたか?
YEEEES!!!素晴らしい!解説行きます!(長いです) [正解][良い質問]
参加者一覧 8人(クリックすると質問が絞れます)
全員
「マクガフィン」(4良:4)
テトメト(4)
CROWN(13良:5)
ナナマガリ(10良:7正:1)
北海ルソー(3良:1)
みづ(1)
koto(4良:2)
きっとくりす(2良:1)
解説
夏子は15年前の「今日」発生した殺人事件の犯人。
事件後、時効完成の日付をメモしてその日を待ちわびていたが、2010年の時効廃止に絶望し、耐え切れず自殺した。
物語
2019年2月10日。
……今日はあの子の手帳に書かれていた日だわ……
冬美は夕食の支度をしながらぼんやりと思った。
長女の夏子がこの世を去ったのは2010年4月28日。まだ、24歳だった。
夫は「仕事疲れで鬱状態だったのかもしれない」と、自殺の理由を推測していたが、冬美に言わせればそんな事はありえなかった。
あんなに頑張り屋のあの子が。
憧れの仕事に就いてあんなに生き生きとしてたあの子が。
仕事を苦に自殺するなんてとても信じられない……
冬美は意識せずともこの9年ずっと「2019年2月10日」に囚われてきた。
そんな予言じみた事があるわけないと思いながらも、何かがわかるのではないかというすがる思いでこの日を待っていたのだ。
◆◆
同日19時、夕飯の席にて。
冬美はいつものように夫と次女・秋菜と食卓を囲んだ。
テレビはニュース番組をやっていた。
──○○区の路上で高校生が殺害された事件から、今日で15年です──
「あ、これ被害者、お姉ちゃんの高校の人だったよね」
秋菜がテレビを指差した。
そんな事件もあったわね、と冬美もテレビに目を向ける。
確か予備校帰りで通り魔に刺されたんだっけ。
現場はうちとは反対方面だし、夏子とは違うクラスの子だったからそこまで気にかけてなかったけれど。
──当時高校3年生だった花園優さんは、帰宅途中に何者かに後ろから──
「まだ人生これからだったのになあ……」
ポツリと夫がつぶやく。無論、自分の娘に重ねあわせた発言に違いない。
冬美も思う。きっとこの被害者の家族も「なぜ死んでしまったの」という思いを抱えて生きてきたんだろう……
私たちと同じように。
──事故発生当時は15年で時効でしたから、本来は今日時効が完成するはずでした──
スタジオのコメンテーターが解説している。
冬美は肉じゃがをつまみながら考えた。
……時効。ご家族はさぞ無念だろう。
逆に犯人にとっては2019年2月10日という日は待ちわびた日だったわけね。
あら?でも確か時効って……
──その後、2010年4月27日の法改正で公訴時効が廃止されました。そのため現在でも──
そうそう。時効って廃止されたのよね。
日本の逃亡中の犯罪者達はさぞかし絶望したことだろう。2010年4月27日……
冬美の箸が止まる。
それって、夏子が死ぬ前日じゃない……
冬美の脳に嫌な考えがむくむくと湧いてきた。
システム手帳のメモページに残されたあの走り書き。
自殺の直前に書かれたものなのかしら?
そうでなかったとしたら。
本当はもっとずっと前、そう、2004年の殺人事件の後に、その時効成立日を忘れないようにメモしたものだとしたら……?
時効廃止のニュースを聞いて絶望して自殺……
……これはまるで。犯人の行動ではないか……
そこまで考えて、冬美は自らの思考を打ち消した。
そんなわけないじゃない、考えすぎよ。偶然よ偶然。
胸騒ぎを押し殺してテレビ画面に注目していると、白黒の映像に切り替わった。店舗の駐車場らしきぼんやりとした映像だ。
──現場付近の防犯カメラの映像です。画面奥の歩道に、現場から立ち去る犯人と見られる人物の映像が写っています。映像解析技術の向上によって鮮明になり、新たな情報として先月警視庁が公開したものです──
家族の目は映像に釘付けになる。
鮮明になったとはいえ性別もはっきりしないようなぼやけた映像だが、それでも冬美にはわかった。
間違いない。この特徴的なバタバタとした走り方。夏子だ。
「ねぇ、お姉ちゃんが死んだのってもしかして……」
秋菜が震える声でつぶやいた。どうやら気づいたらしい。夫も顔面蒼白だ。
家族は戦慄した。ついに思い至った死の真相に。
夏子は15年前の「今日」発生した殺人事件の犯人。
事件後、時効完成の日付をメモしてその日を待ちわびていたが、2010年の時効廃止に絶望し、耐え切れず自殺した。
物語
2019年2月10日。
……今日はあの子の手帳に書かれていた日だわ……
冬美は夕食の支度をしながらぼんやりと思った。
長女の夏子がこの世を去ったのは2010年4月28日。まだ、24歳だった。
夫は「仕事疲れで鬱状態だったのかもしれない」と、自殺の理由を推測していたが、冬美に言わせればそんな事はありえなかった。
あんなに頑張り屋のあの子が。
憧れの仕事に就いてあんなに生き生きとしてたあの子が。
仕事を苦に自殺するなんてとても信じられない……
冬美は意識せずともこの9年ずっと「2019年2月10日」に囚われてきた。
そんな予言じみた事があるわけないと思いながらも、何かがわかるのではないかというすがる思いでこの日を待っていたのだ。
◆◆
同日19時、夕飯の席にて。
冬美はいつものように夫と次女・秋菜と食卓を囲んだ。
テレビはニュース番組をやっていた。
──○○区の路上で高校生が殺害された事件から、今日で15年です──
「あ、これ被害者、お姉ちゃんの高校の人だったよね」
秋菜がテレビを指差した。
そんな事件もあったわね、と冬美もテレビに目を向ける。
確か予備校帰りで通り魔に刺されたんだっけ。
現場はうちとは反対方面だし、夏子とは違うクラスの子だったからそこまで気にかけてなかったけれど。
──当時高校3年生だった花園優さんは、帰宅途中に何者かに後ろから──
「まだ人生これからだったのになあ……」
ポツリと夫がつぶやく。無論、自分の娘に重ねあわせた発言に違いない。
冬美も思う。きっとこの被害者の家族も「なぜ死んでしまったの」という思いを抱えて生きてきたんだろう……
私たちと同じように。
──事故発生当時は15年で時効でしたから、本来は今日時効が完成するはずでした──
スタジオのコメンテーターが解説している。
冬美は肉じゃがをつまみながら考えた。
……時効。ご家族はさぞ無念だろう。
逆に犯人にとっては2019年2月10日という日は待ちわびた日だったわけね。
あら?でも確か時効って……
──その後、2010年4月27日の法改正で公訴時効が廃止されました。そのため現在でも──
そうそう。時効って廃止されたのよね。
日本の逃亡中の犯罪者達はさぞかし絶望したことだろう。2010年4月27日……
冬美の箸が止まる。
それって、夏子が死ぬ前日じゃない……
冬美の脳に嫌な考えがむくむくと湧いてきた。
システム手帳のメモページに残されたあの走り書き。
自殺の直前に書かれたものなのかしら?
そうでなかったとしたら。
本当はもっとずっと前、そう、2004年の殺人事件の後に、その時効成立日を忘れないようにメモしたものだとしたら……?
時効廃止のニュースを聞いて絶望して自殺……
……これはまるで。犯人の行動ではないか……
そこまで考えて、冬美は自らの思考を打ち消した。
そんなわけないじゃない、考えすぎよ。偶然よ偶然。
胸騒ぎを押し殺してテレビ画面に注目していると、白黒の映像に切り替わった。店舗の駐車場らしきぼんやりとした映像だ。
──現場付近の防犯カメラの映像です。画面奥の歩道に、現場から立ち去る犯人と見られる人物の映像が写っています。映像解析技術の向上によって鮮明になり、新たな情報として先月警視庁が公開したものです──
家族の目は映像に釘付けになる。
鮮明になったとはいえ性別もはっきりしないようなぼやけた映像だが、それでも冬美にはわかった。
間違いない。この特徴的なバタバタとした走り方。夏子だ。
「ねぇ、お姉ちゃんが死んだのってもしかして……」
秋菜が震える声でつぶやいた。どうやら気づいたらしい。夫も顔面蒼白だ。
家族は戦慄した。ついに思い至った死の真相に。
19年02月10日 22:33
[もっぷさん]
相談チャットです。この問題に関する事を書き込みましょう。
ドタオ
https://xn--wikiwiki-zh4g.jp/umigamevip/%E8%89%AF%E5%95%8F41-50 ウミガメのスープwikiの良問集にこちらの問題を載せさせていただきました。質問&回答も添えてそれらしくしてみましたので、よろしければ確認してみてください(無断でやってごめんネ)[編集済] [23年02月08日 21:51]
https://xn--wikiwiki-zh4g.jp/umigamevip/%E8%89%AF%E5%95%8F41-50 ウミガメのスープwikiの良問集にこちらの問題を載せさせていただきました。質問&回答も添えてそれらしくしてみましたので、よろしければ確認してみてください(無断でやってごめんネ)[編集済] [23年02月08日 21:51]
CROWN
時効疑って時効 9年とかで検索してみたのですが分からなかった不覚……笑 ナナマガリさんFAおめでとうございます。もっぷさん出題ありがとうございました。[編集済] [19年02月11日 00:36]
時効疑って時効 9年とかで検索してみたのですが分からなかった不覚……笑 ナナマガリさんFAおめでとうございます。もっぷさん出題ありがとうございました。[編集済] [19年02月11日 00:36]
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自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
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これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
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