葉月の目の前にはオシャレなお菓子が並んでいる。
岩塩のサブレ、ゴマのガレット、紅茶のクッキー…
それと同時に。
葉月の頭の中にはガラクタが並んでいる。
綺麗な石、珍しいミニカー、セミの抜け殻…
なぜ?
岩塩のサブレ、ゴマのガレット、紅茶のクッキー…
それと同時に。
葉月の頭の中にはガラクタが並んでいる。
綺麗な石、珍しいミニカー、セミの抜け殻…
なぜ?

テストプレイ:ダニーさん
No.4[「マクガフィン」]08月23日 21:2508月23日 21:30

幼少時代の宝物箱に使っていた箱はもともとこのお菓子の箱だったんだな〜と大人になってから実物を見て思い出しましたか?

+2

YES!! 正解とします!詳細は解説で! [正解]
《簡易解説》
洋菓子店で売っていたクッキー缶が小学生の頃に友達にもらった『宝物入れ』と同じだったので、中身を思い出しているから。
あ、私あのクッキー缶知ってる。
どんな味のクッキーが入っているかは分からない。名前も知らない。
でもあのクッキー缶は絶対に見たことがあるのだ。
小学生の夏休みにもらったから。
◇ ◇ ◇
「ちょっと来なさーい」
玄関から呼ぶ母の声に応じて向かうと、知らない男の子がいた。
「隣の吉田さん家の親戚の子で、東京から来たんだって。夏休みの間はこっちにいるそうだから、一緒に遊んであげて」
「はーい」
私はやる気のない声で答えつつ、その子のことをまじまじと見た。
皺ひとつないシャツに、さらさらの髪。白くて細い腕は、木登りなんてしたことないんだろうな。
大人になって振り返るとかなり失礼なことを思っていたが、それが彼との出会いだった。
◇ ◇ ◇
その後は毎日のように一緒に遊んだ。
近所の子も巻き込んで、虫取り、川遊び、花火に流しそうめん。
彼はいちいち目を輝かせて、「図鑑で見たやつだ!」とはしゃいでいた。
私が手持ち花火を見ながら「なんで花火っていろんな色なんだろう」とつぶやくと、彼は「入っている金属によって色が変わるんだよ」とさらりと答えてくれた。
同級生でそんなこと知っている子は誰もいなかった。
◇ ◇ ◇
そんなこんなで夏休みも終盤。
もうすぐ彼が東京に帰る日も近づいていたある日。
「これ、あげる」
そういって彼が金属製の缶を差し出してきた。
「何?お菓子?」
水色の箱にオレンジの蓋がされている。なんだかおしゃれな模様もある。
「クッキーが入ってたけど、今は僕の宝物入れ。ここでの夏休みが楽しかったから、あげる」
「宝物なら自分で持ってなよ」
「いいの。あげる」
「うーん…… じゃあさ、私の宝物入れと交換しよう!」
当時の私の宝物入れの中には何が入っていただろうか。キラキラのシールやビーズ、おもちゃの指輪なんかが入っていたと思う。
「いいよ、うれしい。ずっと持っててくれたら、もっとうれしい」
そう言ってはにかんだ彼を、私は今の今まで忘れていた。
◇ ◇ ◇
地元で就職した私は仕事の出張で東京に来ていた。
せっかくの機会だから、おしゃれなお土産でも買いたいよね。
そう思って入った洋菓子店。
かわいらしい内装を眺めていると、焼き菓子コーナーで目が留まる。
水色の箱に、オレンジの蓋。細かい模様のひとつひとつに見覚えがあった。
あ、私あのクッキー缶知ってる。
どこで?なんで?
数瞬ののち、記憶がよみがえる。
──あの子が夏休みにくれたのと同じだ。たしか中身は……
洋菓子店で売っていたクッキー缶が小学生の頃に友達にもらった『宝物入れ』と同じだったので、中身を思い出しているから。
あ、私あのクッキー缶知ってる。
どんな味のクッキーが入っているかは分からない。名前も知らない。
でもあのクッキー缶は絶対に見たことがあるのだ。
小学生の夏休みにもらったから。
◇ ◇ ◇
「ちょっと来なさーい」
玄関から呼ぶ母の声に応じて向かうと、知らない男の子がいた。
「隣の吉田さん家の親戚の子で、東京から来たんだって。夏休みの間はこっちにいるそうだから、一緒に遊んであげて」
「はーい」
私はやる気のない声で答えつつ、その子のことをまじまじと見た。
皺ひとつないシャツに、さらさらの髪。白くて細い腕は、木登りなんてしたことないんだろうな。
大人になって振り返るとかなり失礼なことを思っていたが、それが彼との出会いだった。
◇ ◇ ◇
その後は毎日のように一緒に遊んだ。
近所の子も巻き込んで、虫取り、川遊び、花火に流しそうめん。
彼はいちいち目を輝かせて、「図鑑で見たやつだ!」とはしゃいでいた。
私が手持ち花火を見ながら「なんで花火っていろんな色なんだろう」とつぶやくと、彼は「入っている金属によって色が変わるんだよ」とさらりと答えてくれた。
同級生でそんなこと知っている子は誰もいなかった。
◇ ◇ ◇
そんなこんなで夏休みも終盤。
もうすぐ彼が東京に帰る日も近づいていたある日。
「これ、あげる」
そういって彼が金属製の缶を差し出してきた。
「何?お菓子?」
水色の箱にオレンジの蓋がされている。なんだかおしゃれな模様もある。
「クッキーが入ってたけど、今は僕の宝物入れ。ここでの夏休みが楽しかったから、あげる」
「宝物なら自分で持ってなよ」
「いいの。あげる」
「うーん…… じゃあさ、私の宝物入れと交換しよう!」
当時の私の宝物入れの中には何が入っていただろうか。キラキラのシールやビーズ、おもちゃの指輪なんかが入っていたと思う。
「いいよ、うれしい。ずっと持っててくれたら、もっとうれしい」
そう言ってはにかんだ彼を、私は今の今まで忘れていた。
◇ ◇ ◇
地元で就職した私は仕事の出張で東京に来ていた。
せっかくの機会だから、おしゃれなお土産でも買いたいよね。
そう思って入った洋菓子店。
かわいらしい内装を眺めていると、焼き菓子コーナーで目が留まる。
水色の箱に、オレンジの蓋。細かい模様のひとつひとつに見覚えがあった。
あ、私あのクッキー缶知ってる。
どこで?なんで?
数瞬ののち、記憶がよみがえる。
──あの子が夏休みにくれたのと同じだ。たしか中身は……
参加者一覧 4人
全員





シュガー⭐︎[★★★真実の射手]
出題ありがとうございました!タイムカプセルにしては中身がちょっと幼いよな〜と思いながらの質問だったので(2)を見て、あ〜っ!ってなりました!がふぃんさん鮮やかでした〜![26年08月23日 21:34]
出題ありがとうございました!タイムカプセルにしては中身がちょっと幼いよな〜と思いながらの質問だったので(2)を見て、あ〜っ!ってなりました!がふぃんさん鮮やかでした〜![26年08月23日 21:34]



ブックマーク(ブクマ)って?
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。
Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!
物語:4票ブクマ:3
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