「ついにやってやった!これで俺をバカにするやつはいなくなったんだ!」と思う気持ちと
「どうしてこんなことになってしまったんだ…。これから、どうすれば…。」と思う気持ち。
相反する二つの気持ちを抱えた天涯孤独の男が駆ける背後には、ナイフで刺された腹部から出血して動かなくなった女性。
埠頭の防犯カメラには、彼が躊躇いなく女性を刺す様子がはっきりと記録されていた。
一心不乱に現場から逃げ出す男には、目の前を注視する猶予はなかった。
反対側から見回りにやってきたのは、警備員の女。二人は正面衝突して、互いの頭を強く打ち付けた。
そして、気がついたら。
「あ、あれ…?どうして私が目の前に?」
「もしかして、僕の身体の中にいるのは、警備員のおばさんか…?」
なんと、人格の入れ替わりが発生してしまったのだった。
男の身体に心が入り込んでしまった女は、”自らの”手についた多量の血を見て驚愕する。
やがて、この男がこの先の埠頭で殺人を犯した者であると知った時は、恐ろしく慟哭した。
突如として殺人犯になってしまったのだから、彼女が慟哭するのは至極真っ当であるだろう。
さて、では男(「僕」)も慟哭したのはなぜだと思う?
※FAは二通りあります。どちらかをお答えください。
「どうしてこんなことになってしまったんだ…。これから、どうすれば…。」と思う気持ち。
相反する二つの気持ちを抱えた天涯孤独の男が駆ける背後には、ナイフで刺された腹部から出血して動かなくなった女性。
埠頭の防犯カメラには、彼が躊躇いなく女性を刺す様子がはっきりと記録されていた。
一心不乱に現場から逃げ出す男には、目の前を注視する猶予はなかった。
反対側から見回りにやってきたのは、警備員の女。二人は正面衝突して、互いの頭を強く打ち付けた。
そして、気がついたら。
「あ、あれ…?どうして私が目の前に?」
「もしかして、僕の身体の中にいるのは、警備員のおばさんか…?」
なんと、人格の入れ替わりが発生してしまったのだった。
男の身体に心が入り込んでしまった女は、”自らの”手についた多量の血を見て驚愕する。
やがて、この男がこの先の埠頭で殺人を犯した者であると知った時は、恐ろしく慟哭した。
突如として殺人犯になってしまったのだから、彼女が慟哭するのは至極真っ当であるだろう。
さて、では男(「僕」)も慟哭したのはなぜだと思う?
※FAは二通りあります。どちらかをお答えください。
ご参加ありがとうございました。
No.6[ミカリ]11月30日 18:4311月30日 18:46
殺人犯の人格だけが逃げおおせたことへの慟哭ですか?
基本Yesですが、「僕」は逃げたかったわけではありません。 [編集済] [良い質問]
No.7[シュガー⭐︎]11月30日 18:4411月30日 18:46
「殺人を犯した一人称俺の男」ではなく、自分(僕)が入れ替わっておばさんの身体に入ってたら新しい人生を歩めたのになぁと思いましたか?
No 自分が女になりたかったわけではありません。
No.11[のまるす]11月30日 18:4811月30日 19:02
俺が逃げてしまって僕が犯人にされてしまうからですか?※(5)はキャンセルでお願いします
Yes!詳しくまとまりますか?(承知しました🙏) [正解][良い質問]
No.13[ほずみ]11月30日 19:0111月30日 19:03
(11)防犯カメラには男が殺人をした証拠が残っているため、「男」の体の中にいる「僕」が犯人として捕まりますか?
1+
正解とします! [正解][良い質問]
ご参加いただきありがとうございました!
参加者一覧 4人(クリックすると質問が絞れます)
全員
ほずみ(3良:1正:1)
シュガー⭐︎(4良:2)
ミカリ(3良:1)
のまるす(3良:1正:1)
前提条件:男は二重人格である。
FAその1:
男は「僕」と「俺」の二重人格で、殺人を犯したのは猟奇的で心神喪失の「俺」の方。
それに気づいていた「僕」は一刻も早く自首しようとしていた。
そこで入れ替わったのは、「俺」と女の人格。
つまり男の身体には、「僕」と女の二つの人格が入っていたのだった。
自首をして捕まっても少なくとも「俺」の責任能力の無さから裁判上の有罪になることはなかったはず、そして二重人格が認定されれば「僕」自身が無実であることは理念上も証明できるはずだったのに、当の「俺」が男の身体の中からいなくなってしまったのである。
天涯孤独の男の他に、「俺」の存在を知るものはいない。
警備員の女と同様、自らが殺人犯であることを否定する証明ができなくなった「僕」は、その絶望から慟哭した。
FAその2:
そもそも男の身体にいる警備員の女が慟哭しているのだから、表象的には、身体を共有する「僕」も同時に慟哭してしまうのは当然のことだった。
—————————
「ついにやってやった!これで俺をバカにするやつはいなくなったんだ!」
その声で目を覚ました僕は、目の前で血を流して倒れている母親を見て愕然とした。
手許には血のついたナイフ。間違いない。これは「俺」がやったんだろう。
いつの間に人格の主導権を取られてしまった間に、自分の母親を殺してしまったことに気づいたのだった。
「どうしてこんなことになってしまったんだ…。これから、どうすれば…。」
僕は「俺」を押さえつけながら、途方に暮れていた。
「俺」は小学生の頃に生まれた。
早くに父親が亡くなった僕の家では、唯一の肉親である母の過剰なストレスが僕に一身に浴びせられ続けた。それが「俺」の生まれた原因だと語る人も多い。母親に虐げられて塞ぎ込んでいた僕は、解離性同一障害によってさらに孤立していった。小学校は不登校。中学に通ったことはない。
社会の中で育たなかった「俺」は猟奇的な人格になってしまった。なぜかしばらく気を失ってしまったと思えば、気づくと部屋中がメチャクチャになっていたことだって何度もある。主人格は僕だからあまり姿を現すことはなかったが、何かの引き金にどんなに暴れてしまうか、”本人”である僕にすら判然としなかった。
その引き金が今日引かれてしまったというだけ。埠頭の倉庫管理業を勤める母の様子を見にきたのか、元々殺すつもりでやってきたのか。猟奇的な「俺」は自分と唯一関わりのある人間、自分を唯一侮辱する人間である母を殺害してしまったのだった。
僕は恐怖した。別の人格とはいえ、僕は殺人を犯してしまったのだ。今となっては天涯孤独。「俺」のことを知っている、つまり僕の二重人格を知っている人が母の他にいるのか、僕は知らない。
僕は一心不乱に殺害現場から逃げ出した。どこか交番に行って、この状況を自首しなければならないと思ったからであった。昔から不登校でネットに向き合って生きてきた僕は漠然と知っている。猟奇的な別人格が起こした殺人は責任無能力で無罪になるらしいのだ。
というよりも、裁判で罰になることよりも、僕は自分がやったのではないことを誰かに知って欲しかったというのも大きかった。自首して逮捕されれば、多分精神鑑定が行われて、僕が二重人格であることが判明して、「僕」が殺人なんかしていないことは明らかになるはずだ。目が覚めたら母が自分に殺されていたんだ。僕じゃない、僕はやってないと必死に否定したいと思いたいに決まってる。
一心不乱に現場から逃げ出す僕には、目の前を注視する猶予はなかった。
反対側から見回りにやってきたのは、警備員のおばさん。僕らは正面衝突して、互いの頭を強く打ち付けた。
そして、気がついたら。
頭の中に強烈な違和感が谺した。
「あ、あれ…?どうして私が目の前に?」
脳内に響くその”声”は、明らかに「俺」ではない。
むしろ、目の前で唸っているおばさんこそ、僕には「俺」に感じられた。
「もしかして、僕の身体の中にいるのは、警備員のおばさんか…?」
(そして、目の前のおばさんの中にいるのが、「俺」なのか?)
僕は頭に響くもう一つの声に語る。信じがたい事実だった。
人格の入れ替わりが発生してしまったのだった。
「俺」と、警備員のおばさんの。
「俺」だけが一人抜け出して、僕の身体には「僕とおばさん」という新しい二重人格が誕生してしまった。
おばさんは入れ替わりが起こったこと、「この男」が二重人格なことを把握していく。
そして、殺人のことも。
やがて、「この男」がこの先の埠頭で殺人を犯した者であると知った時は、恐ろしく慟哭した。
同じくらいのときに、僕は当然でとんでもない事実に思い至っていた。ここから「俺」がいなくなってしまったのだ。ならばもし今、僕が捕まれば、誰が殺人を犯したことになるのだろう。
警察たちは二重人格こそ信ずれ、人格の入れ替わりなんて歯牙にも掛けないだろう。僕と、男の関係もないわけのわからないことを言うおばさん。その二重人格と断定されるだけ。
僕が見たネットニュースでは、いくら二重人格でも責任能力のある二人格であれば、無罪にはならないらしい。僕の身体は無罪を取れない。
それよりも僕にとって絶望的なのは、僕がやっていない証拠が消え失せたことだった。
半ば放置していた猟奇的な人格が起こした尊属殺は、もはや僕がやったとしか思えない状況になってしまった。
無辜に罪が着せられたのは、おばさんも僕も同じだった。
僕はただ眠っていただけなのに。
僕は何もやっていないのに。
僕じゃない。
いつもみたいに僕が眠る間に。
あれは俺がやったことなんだ。
僕と俺は、違う、きっと。
僕が無実であることは、もはや誰も明かせない。誰も、僕にだって。
逃れられない絶望に、僕は慟哭していた。
身体で流す涙は一つだけだから、この物質としての涙が僕のものか、同じく絶望に侵されるおばさんのものかは知れない。
いずれにしろ、僕は慟哭したがっていた。
要約
男は「僕」と「俺」の二重人格
「俺」が殺人を犯し、入れ替わりは「俺」と女の人格間で起こる
「僕」は自分の無実を証明できなくなった
FAその1:
男は「僕」と「俺」の二重人格で、殺人を犯したのは猟奇的で心神喪失の「俺」の方。
それに気づいていた「僕」は一刻も早く自首しようとしていた。
そこで入れ替わったのは、「俺」と女の人格。
つまり男の身体には、「僕」と女の二つの人格が入っていたのだった。
自首をして捕まっても少なくとも「俺」の責任能力の無さから裁判上の有罪になることはなかったはず、そして二重人格が認定されれば「僕」自身が無実であることは理念上も証明できるはずだったのに、当の「俺」が男の身体の中からいなくなってしまったのである。
天涯孤独の男の他に、「俺」の存在を知るものはいない。
警備員の女と同様、自らが殺人犯であることを否定する証明ができなくなった「僕」は、その絶望から慟哭した。
FAその2:
そもそも男の身体にいる警備員の女が慟哭しているのだから、表象的には、身体を共有する「僕」も同時に慟哭してしまうのは当然のことだった。
—————————
「ついにやってやった!これで俺をバカにするやつはいなくなったんだ!」
その声で目を覚ました僕は、目の前で血を流して倒れている母親を見て愕然とした。
手許には血のついたナイフ。間違いない。これは「俺」がやったんだろう。
いつの間に人格の主導権を取られてしまった間に、自分の母親を殺してしまったことに気づいたのだった。
「どうしてこんなことになってしまったんだ…。これから、どうすれば…。」
僕は「俺」を押さえつけながら、途方に暮れていた。
「俺」は小学生の頃に生まれた。
早くに父親が亡くなった僕の家では、唯一の肉親である母の過剰なストレスが僕に一身に浴びせられ続けた。それが「俺」の生まれた原因だと語る人も多い。母親に虐げられて塞ぎ込んでいた僕は、解離性同一障害によってさらに孤立していった。小学校は不登校。中学に通ったことはない。
社会の中で育たなかった「俺」は猟奇的な人格になってしまった。なぜかしばらく気を失ってしまったと思えば、気づくと部屋中がメチャクチャになっていたことだって何度もある。主人格は僕だからあまり姿を現すことはなかったが、何かの引き金にどんなに暴れてしまうか、”本人”である僕にすら判然としなかった。
その引き金が今日引かれてしまったというだけ。埠頭の倉庫管理業を勤める母の様子を見にきたのか、元々殺すつもりでやってきたのか。猟奇的な「俺」は自分と唯一関わりのある人間、自分を唯一侮辱する人間である母を殺害してしまったのだった。
僕は恐怖した。別の人格とはいえ、僕は殺人を犯してしまったのだ。今となっては天涯孤独。「俺」のことを知っている、つまり僕の二重人格を知っている人が母の他にいるのか、僕は知らない。
僕は一心不乱に殺害現場から逃げ出した。どこか交番に行って、この状況を自首しなければならないと思ったからであった。昔から不登校でネットに向き合って生きてきた僕は漠然と知っている。猟奇的な別人格が起こした殺人は責任無能力で無罪になるらしいのだ。
というよりも、裁判で罰になることよりも、僕は自分がやったのではないことを誰かに知って欲しかったというのも大きかった。自首して逮捕されれば、多分精神鑑定が行われて、僕が二重人格であることが判明して、「僕」が殺人なんかしていないことは明らかになるはずだ。目が覚めたら母が自分に殺されていたんだ。僕じゃない、僕はやってないと必死に否定したいと思いたいに決まってる。
一心不乱に現場から逃げ出す僕には、目の前を注視する猶予はなかった。
反対側から見回りにやってきたのは、警備員のおばさん。僕らは正面衝突して、互いの頭を強く打ち付けた。
そして、気がついたら。
頭の中に強烈な違和感が谺した。
「あ、あれ…?どうして私が目の前に?」
脳内に響くその”声”は、明らかに「俺」ではない。
むしろ、目の前で唸っているおばさんこそ、僕には「俺」に感じられた。
「もしかして、僕の身体の中にいるのは、警備員のおばさんか…?」
(そして、目の前のおばさんの中にいるのが、「俺」なのか?)
僕は頭に響くもう一つの声に語る。信じがたい事実だった。
人格の入れ替わりが発生してしまったのだった。
「俺」と、警備員のおばさんの。
「俺」だけが一人抜け出して、僕の身体には「僕とおばさん」という新しい二重人格が誕生してしまった。
おばさんは入れ替わりが起こったこと、「この男」が二重人格なことを把握していく。
そして、殺人のことも。
やがて、「この男」がこの先の埠頭で殺人を犯した者であると知った時は、恐ろしく慟哭した。
同じくらいのときに、僕は当然でとんでもない事実に思い至っていた。ここから「俺」がいなくなってしまったのだ。ならばもし今、僕が捕まれば、誰が殺人を犯したことになるのだろう。
警察たちは二重人格こそ信ずれ、人格の入れ替わりなんて歯牙にも掛けないだろう。僕と、男の関係もないわけのわからないことを言うおばさん。その二重人格と断定されるだけ。
僕が見たネットニュースでは、いくら二重人格でも責任能力のある二人格であれば、無罪にはならないらしい。僕の身体は無罪を取れない。
それよりも僕にとって絶望的なのは、僕がやっていない証拠が消え失せたことだった。
半ば放置していた猟奇的な人格が起こした尊属殺は、もはや僕がやったとしか思えない状況になってしまった。
無辜に罪が着せられたのは、おばさんも僕も同じだった。
僕はただ眠っていただけなのに。
僕は何もやっていないのに。
僕じゃない。
いつもみたいに僕が眠る間に。
あれは俺がやったことなんだ。
僕と俺は、違う、きっと。
僕が無実であることは、もはや誰も明かせない。誰も、僕にだって。
逃れられない絶望に、僕は慟哭していた。
身体で流す涙は一つだけだから、この物質としての涙が僕のものか、同じく絶望に侵されるおばさんのものかは知れない。
いずれにしろ、僕は慟哭したがっていた。
要約
男は「僕」と「俺」の二重人格
「俺」が殺人を犯し、入れ替わりは「俺」と女の人格間で起こる
「僕」は自分の無実を証明できなくなった
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