【正解を創りだすウミガメ】成功した暁には暁には【第48回】

バレンタイン当日。

意中の子にチョコを渡せた女の子が、今日は深夜の4時まで起きていようと固く決意したのはなぜ?


——————

こちらの問題文の解説を考えていただきます。
ただ考えるだけだとみなさんには簡単だと思うので、みなさんから条件を募集します。YESNOで回答できる質問ならなんでも、1人4個まで、私にください。

もしみなさんが「風船が飛びますか?」と言って私がYES!と採用したら、みなさんの考える解説のどこかで、風船が飛んでいないといけない。そういうのが今回は7個あります。

7個もあるので長い解説になってもいいし、あえて短くしてくださってもOK。とにかく募集した条件を取り入れつつ解説を「創りだし」てほしい、そんな企画です。

——————

前回大会はこちらから! https://late-late.jp/mondai/show/17699

以下から、いつものルール説明になります。細かい投稿方法についてはこちらをさらっと読んでくださいね。

☆ 1・要素募集フェーズ ☆
[出題〜要素が40個集まるまでor2/10(金)00:00]

まず、正解を創りだすカギとなる質問(要素選出)をしていただきます。

・要素選出の手順

①要素の投稿
出題直後から、YESかNOで答えられる質問を受け付けます。質問は1人4回まででお願いします。
皆様から寄せられた質問の数が40個に達するか、日付が変わったら締め切りです。

②要素の選出
選出は全てランダムです。
選ばれた質問には「YES!」もしくは「NO!」の返答とともに『[良い質問]』(=良質)がつきます。

※良質としたものを以下『要素』と呼びます。

※ただし、問題文や前出の要素と矛盾するものや、条件が狭まりすぎるものは採用されないことがあります。あらかじめご了承ください。
[矛盾例]田中は登場しますか?&今回は田中は登場しませんよね?(不採用)
[狭い例]ノンフィクションですか?(不採用)
[狭い例]登場キャラは1人ですか?(不採用)
[狭い例]ストーリーはミステリー・現実要素ものですよね?(不採用)

要素が揃った後、まとメモに要素を書き出しますのでご活用ください。

要素は7個採用します。7個全て、解説に取り入れてください。


☆ 2・投稿フェーズ ☆
[要素選定後~2/25(土)23:59]

要素募集フェーズが終わったら、選ばれた要素を取り入れた解説を投稿する『投稿フェーズ』に移行します。
各要素を含んだ解説案をご投稿ください。文字数・投稿数に制限はございません。

らてらて鯖の規約に違反しない範囲で、思うがままに自由な発想で創りだしましょう。

※過去の「正解を創りだす(らてらて鯖・ラテシン版)」も参考になさってください。
ラテシン版
http://sui-hei.net/tag/tag/%E6%AD%A3%E8%A7%A3%E3%82%92%E5%89%B5%E3%82%8A%E3%81%A0%E3%81%99%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A1

らてらて鯖
https://late-late.jp/tag/tag/%E6%AD%A3%E8%A7%A3%E3%82%92%E5%89%B5%E3%82%8A%E3%81%A0%E3%81%99%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A1

・作品投稿の手順

①投稿作品を別の場所(文書作成アプリなど)で作成します。複数投稿も可とします。
質問欄で文章を作成していると、その間他の方が投稿できなくなってしまいます。
コピペで一挙に投稿を心がけましょう。

②すでに投稿済みの作品の末尾に終了を知らせる言葉の記述があることを確認してから投稿してください。
記述がない場合、まだ前の方が投稿の最中である可能性があります。
しばらく時間をおいてから再び確認してください。

③まずタイトルのみを質問欄に入力してください。

④次の質問欄に本文を入力します。
本文の末尾には、「おわり」などの終了を知らせる言葉を必ずつけてください。
投稿フェーズ終了までは、本文・タイトル共に自由に編集していただいて構いません。

⑤ 簡易解説(解説文の要約)をつけるかどうかは投稿者の皆さまにお任せします。

※エントリーを辞退される際は、作品タイトルに<投票対象外>を付記して下さい。
※投稿フェーズ終了後に投稿(=ロスタイム投稿)をされる場合、タイトルに<ロスタイム>と付記してください。

※少しでも気軽にご参加いただくために、今回の創りだすでも次回主催辞退制度を採用しております。
仮にシェチュ王を獲得しても次回の主催を務める時間・自信がない……という方は、相談チャットの出題者のみ機能やミニメールなどで私に教えてください。


☆ 3・投票フェーズ ☆
[投票会場設置後~3/5(日)23:59]

投稿期間が終了したら、『投票フェーズ』に移行します。
お気に入りの作品、苦戦した要素を選出しましょう。

・投票の手順

①投稿期間終了後、別ページにて、「正解を創りだすウミガメ・投票会場」(闇スープ)を設置いたします。

②作品を投稿した「シェフ」は3票、投稿していない「観戦者」は1票を、気に入った作品に投票できます。
※ロスタイム、投票対象外作品を投稿したシェフも、持ち票は3票とします。
それぞれの「タイトル・票数・作者・感想」を質問欄で述べてください。感想については、簡略なもので構いません。一文でも大丈夫です。
また、「最も組み込むのが難しかった(難しそうな)要素」も1つお答えください。こちらの投票数は「シェフ」と「観戦者」で共通です。

※投票は、1人に複数投票でも、バラバラに投票しても構いません。
※自分の作品に投票は出来ません。その分の票を棄権したとみなします。

③皆様の投票により、以下の受賞者が決定します。

 ◆最難関要素賞(最も票を集めた要素)
 →その質問に[正解]を進呈

 ◆最優秀作品賞(最も票数を集めた作品)
 →その作品に[正解]を進呈

 ◆シェチュ王(最も票数を集めたシェフ=作品への票数の合計)
 →全ての作品に[正解]を進呈
 
見事『シェチュ王』になられた方には、次回の「正解を創りだすウミガメ」を出題していただきます!

※票が同数になった場合のルール
[最難関要素賞][最優秀作品賞]
同率で受賞です。
[シェチュ王]
同率の場合、複数票を1票として計算します。
それでも同率の場合、出題者も事前に決めた3票を投じます。
それでも同率の場合は、最終投稿が早い人に決定になります。

◇ コイン特典◇

・シェチュ王……400c
・最優秀作品賞…100c
・最難関要素賞…10c
・作品の投稿…15c
・投票への参加……10c
・要素が採用される……10c

※「最優秀作品賞」および「最難関要素賞」については、1名分のコインコードしか用意がございません。
このため同率受賞の場合は、先に投稿された要素/作品の投稿者の方にコインコードを贈呈させていただきます。あらかじめご了承ください。


■ タイムテーブル ■

・要素募集フェーズ
 出題 ~ 質問数が40個に達するまでor 2/10(金)00:00まで

・投稿フェーズ
 要素が決定してから 2/25(土) 23:59まで

・投票フェーズ
 投票会場設置後 ~ 3/5(日) 23:59まで

・結果発表
 3/6(月) 22:00

☆ルール説明ここまで☆

長いけど思ったよりは簡単な企画なので、ぜひお気軽に挑戦してみてくださいね。

それでは、始めに要素を募集します。1人4つまで、質問していってください。

48創りだすの〜?スタート!!
[さなめ。] [ラテアート]

【新・形式】23年02月09日 21:00

48創りだす 感想 ルームキー「はまべのうた」

正解を創りだすウミガメ
No.1[靴下]02月09日 21:0102月23日 05:23

風船が飛びますか?

風船が問題文からここまで飛んできた…?

No.2[靴下]02月09日 21:0102月10日 00:28

値段をみて考えますか?

YES!値段をみて考える① [良い質問]

No.3[靴下]02月09日 21:0202月10日 00:28

しっかり閉めていたはずだったですか?

YES!しっかり閉めていたはずだった② [良い質問]

No.4[靴下]02月09日 21:0202月10日 00:28

保健室の天井ますか?

そこに忍者がいるんですよって。

No.5[たけの子]02月09日 21:0202月10日 00:28

約束は守りますか?

YES!約束は守る③ [良い質問]

No.6[いんふぃ]02月09日 21:0302月10日 00:28

明日はどうでもいいですか?

テスト前日とか。

No.7[たけの子]02月09日 21:0302月10日 00:28

とけそうですか?

あ、意外となんとかなりそうですね、テスト。

No.8[いんふぃ]02月09日 21:0502月10日 00:28

範囲を広げますか?

教科書のコラムも範囲だったのか…みたいな。

No.9[とろたく(記憶喪失)]02月09日 21:0802月10日 00:28

ポイントを貯めますか?

堅実にいきましょう〜

No.10[たけの子]02月09日 21:0802月10日 00:28

1人きりならいいですか?

誰も見てないし、ここでなら…。

No.11[とろたく(記憶喪失)]02月09日 21:0802月10日 00:28

人には言えない秘密がありますか?

チョコのラッピングに包んで隠しておきます。

No.12[いんふぃ]02月09日 21:0802月10日 00:28

嚙みますか?

No.32とかとセットで使えそうです。

No.13[とろたく(記憶喪失)]02月09日 21:0802月10日 00:28

いつも失敗しますか?

三度目の正直とはいかないもの…。

No.14[いんふぃ]02月09日 21:1002月10日 00:28

ちょっとためらいますか?

質問の三連投とか、相談チャットで聞いちゃいます。

No.15[「マクガフィン」]02月09日 21:1202月10日 00:28

傷はまだ癒えませんか?

YES!傷はまだ癒えない④ [良い質問]

No.16[「マクガフィン」]02月09日 21:1502月10日 00:28

気づきたくなくて目を背けますか?

このあたりで結構ネガティブ系の質問が続いてますね><。

No.17[ほずみ]02月09日 21:1702月10日 02:08

アラームを設定しますか?

5分ごとにかけて、全部無視しちゃいます。

1

No.18[「マクガフィン」]02月09日 21:1702月10日 02:08

もう一度だけ夢を見てもいいですか?

あと5分、いや10分!

1

No.19[ほずみ]02月09日 21:1902月10日 00:28

にかいですか?

2回、2階から目薬。

No.20[たけの子]02月09日 21:2002月10日 00:28

ようやく痛みを覚えましたか?

相手が本気を出してくれた、みたいな。

No.21[ほずみ]02月09日 21:2102月10日 00:28

こすりますか?

YES!こする⑤ [良い質問]

No.22[ほずみ]02月09日 21:2202月10日 00:28

手紙を書きますか?

[新着ミニメール一件]

No.23[「マクガフィン」]02月09日 21:2302月10日 00:28

賭けをしますか?

チョコをもらった数ダービー。

No.24[布袋ナイ]02月09日 21:2402月10日 00:28

いいきかいですか?

チャンスか潮時か、ドラえもんか。

No.25[布袋ナイ]02月09日 21:2402月10日 00:28

赤くなりましたか?

深夜5時の朝日みたいな。

No.26[布袋ナイ]02月09日 21:2502月10日 00:28

魔法使いますか?

ホグワーツのことですか?

No.27[布袋ナイ]02月09日 21:2902月10日 00:28

いたいですか?

YES!いたい⑥ [良い質問]

No.28[とろたく(記憶喪失)]02月09日 22:0102月10日 00:28

アメージングですか?

そこに痺れる憧れる〜

No.29[ベルン]02月09日 22:4802月10日 00:28

バスがガス爆発しますか?

これが一番怖いです。

No.30[ベルン]02月09日 22:4802月10日 00:28

東京特許許可局ますか?

実はないことまでひとくくり。

No.31[ベルン]02月09日 22:4902月10日 00:28

隣の客がよく杮を食いますか?

牡蠣だったみたいです。

No.32[ベルン]02月09日 22:5102月10日 00:28

新春にシャンソンショーがありますか? [編集済]

これが一番言いづらいです。

No.33[弥七]02月09日 23:3802月10日 00:28

目覚まし時計をぶっ壊す、ですか?

それだけの力があるなら起きてほしい…。

No.34[弥七]02月09日 23:4002月10日 00:28

チョコレー党ですか?

YES!チョコレー党⑦ [良い質問]

No.35[弥七]02月09日 23:4402月10日 00:28

密造ですか?

人には言えない秘密ってこれですか??

No.36[弥七]02月09日 23:5002月10日 00:28

包み紙に書きますか?

鉛筆だと書けなそう。

終了です!要素を決めるのでしばらくお待ちください!
要素が決まりました!!!じゃじゃーん!!

ということで、2/25(土)の終わりまで投稿フェーズになります!
要素はまとメモをご参照いただき、7個全てを使用してください!

投稿上の注意も、問題文から要確認、ぜひお気軽に挑戦してみてくださいね。
No.37[ちーちゃん☆彡]02月11日 04:4003月06日 21:33

『頭隠してチョコ隠さず』

時間も国も跨いでも、返事を送ること [編集済] [良い質問]

No.38[ちーちゃん☆彡]02月11日 04:4103月08日 23:55

【簡易解説】
空港で、ニューヨークへ旅立つ好きな人にチョコを渡した時に言われた「到着したらすぐに連絡するから待っててね」という約束を守るため。

ーーー
場所は成田空港。時はバレンタインデー昼間。
私、カメコは職場の先輩であるカメオさんが転勤で長期間ニューヨークへ旅立ってしまうため見送りに来ている。
カメオさんは私をドン底から救ってくれた人。元彼に騙されて大金も愛も失った私を、傷がまだ癒えないうちから無理矢理外に誘い出して忘れさせてくれたの。(15)
カメオさんは昨日、社員のみんなに「仕事休んでまで見送りに来るな」と強く言ってたけど、どうしても気持ちを伝えたくて準備してたから、 こっそり来ちゃった。

姿を見つけたから駆け出して声をかけてみると、「あ、やっぱり来てくれたんだ。」って… 「え?」と私が訊くと、「いや、悪気はないんだけどさ、昨日の朝、カメコちゃんのロッカー開いてたから見えちゃったんだよ、それ。」と指差すのは私が持っているチョコのプレゼント。カードには大きく「カメオさんへ」と書いてある。

昨日は会社で支度中にカメオさんが入ってきて焦ったけど、ロッカーはしっかり閉めていたはずだったのに… なんて考えてたら「いやー笑ったよ、カメコちゃん、ものすっごい勢いでロッカー閉めて飛び出しちゃうから跳ね返って全開なんだもんw」だって… (3)
加えて「見ちゃいけないもの見たと思ったけど、そのおかげでもしかしたら空港でくれるのかなーって予想できて、家族にも同僚にも見送り来るなって言えたんだよね。」なんて言うから恥ずかしすぎて胸がいたくて、「ないお金をはたいて頑張って買ったんですよ!」って強がりながらチョコを渡す羽目になっちゃって… (27)

「はははw ありがとう。じゃあおれ、カメコちゃんみたいな子を救うために『チョコレー党』を立ち上げて、好きな男子に気持ちを伝えるためのチョコレートは無料!っていう法律作ろうかなw」(34)と意地悪な顔で見てくるカメオさんに、「す、好きな男子って…!」としか返せずにいると、「じゃあちゃんとおれから。好きです。付き合ってください。できれば、すぐじゃなくていいからアメリカに来てほしい。…じゃ、もう行くから!着いたらすぐに連絡するからさ、返事教えてよ。約束!」と言って頭をぽんぽんして去って行くカメオさんのことを、私は黙って見ていることしかできなかった。

自宅に戻り、カメオさんに撫でられた頭をこすりながら、ニューヨークに到着する予定の日本時間深夜4時までは絶対に起きていようと決意した。(21)

LINE メッセージ
4:00 「カメコちゃん、無事着いたよ!どう?付き合ってくれる?」
4:12 「長時間の移動お疲れさまでした。昼間は恥ずかしくて言えませんでしたが、私もカメオさんのことが好きです。よろしくお願いします!」
4:13「よかったー! なかなか返事こないから焦ったよw でもちゃんと起きててくれたんだね。ありがとう。」
カメオさんったら、きっと一瞬で[既読]ついたの見てて、私が返事を打つのに時間かけたことお見通しで馬鹿にしてる〜!
4:14 「ちゃんと約束は守りますよ😡」(5)
4:15「ごめんごめん、怒らないでよw 気持ちは本気だからさ。アメリカに来てくれることも、考えてくれた?」
4:18「それは… 値段をみて考えます。ご存知のとおりお金を1度失いましたので!w」(2)
4:20「来たい気持ちは十分伝わったよ。お金はおれがなんとかするから! そっちは夜中なのにほんとにありがとう。おやすみなさい。」

自分の持ち金やニューヨークへの行き方、仕事は続けるかどうか、文化の違いなど、はやる気持ちで調べているうちにすっかり4時を迎えていたことは秘密にしたカメコだった…
ーーー
(おわり)
[編集済]

1

丁寧な条件使用や物語の状況の統一感がなすドキドキが素敵な作品でした! [編集済] [良い質問]

No.39[ほずみ]02月25日 01:2903月08日 23:55

ビターチョコよりも苦く

やけに冷静なスパイラルを崩して [編集済] [正解][良い質問]

No.40[ほずみ]02月25日 01:3003月08日 23:55

【簡易解説】
学校で好きな子に本命チョコを渡したら周りにからかわれて嫌になったので、始発電車を待って線路に飛び込もうと思ったから。

【長めの解説】
「え、何?お前チョコ渡したのかよ」
「しかも──に?無謀すぎwww」
「生徒会選挙の次は⑦チョコレー党から立候補かぁ?(34)熱心なことですねぇ」

バレンタインデー当日。
いつもは厳しい学校の先生も今日ばかりはお菓子を持ってくることを大目に見てくれる。
そんな日だから、心に秘めていた思いを伝えたのだ。
それなのに。

昼休み、あの子のロッカーにチョコをそっと入れた。
短く、ただ、「好きです」と書いた便箋とともに。
昨夜迷いに迷って名前も一応書いた。それがまずかったのだろうか。

5時間目が終わるころにはクラス中が知っていた。
②ロッカーはしっかり閉めていたはずだったのに(3)
人の嫌がることはしないあの子が言いふらしたとは思いたくなかった。
誰かがロッカーにチョコを入れるところでも見たのだろうか。

中学生にとって、誰かの恋愛事情は格好のネタだ。
話しかけてきたクラスメイトたちも、「いいネタができた」くらいの認識だったのだろう。
しかし、私にとっては大事件だった。
自分の好きな人が公になり、ましてや本命チョコをあげたことまで周知の事実になっている。
このことは当時の私にはあまりに大きな衝撃で、しかもそれを否定的に言われたのだから、深く深く傷ついた。
正直、④あの傷は大学生になった今でも癒えたとは言えない(15)

それからのことはあまり覚えていない。
家に帰って、着替えもせずに泣きながらベッドに飛び込んだことだけはおぼろげに思い出せる。

ふと、目が覚めたので時計を見ると夜中の1時。
泣きはらした目を⑤こすりながら(21)、ふとスマホを手に取る。
(電車って何時から動いてるのかなぁ…)
普段電車とは縁のない生活をしていた私が電車の始発を気にしたのは、命を絶とうと考えたから。
当時の私がぱっと思いついた方法がそれしかなかった。

最寄駅の名前で始発の時間を調べると、そこには4:21の文字。
(4時かぁ、それまで起きてなきゃ)

そうと決まればやることはたくさんある。
まずは制服以外の服に着替えて、両親や友達への遺書も書かないと。
それから…

そのとき、スマホにメッセージが届いた。

相手は隣の家の大学生のお姉さんだ。
小さい頃から本当の姉のように慕っている、頼りになる人。

「まだ起きてる? 起きてたらうちに来てケーキでも焼かない?」

どうしようかと悩んだものの、既読がついてしまったので起きていることはバレている。
ちょっとくらいいっか、とOKのスタンプを返し、外に出る準備をする。

両親を起こさないようにそおっと家を出ると、玄関先にお姉さんがいた。

「お、来たね。じゃあケーキ作ろう」

泣きはらした顔を見ても何も言わずに家に入れてくれたのがありがたかった。

キッチンに行くと卵やバターがすでに用意されていた。
「これから作るのは~パウンドケーキです! 全部の材料を同じ量入れればいいから初心者さん向き!」
妙に明るいお姉さんに言われるがまま、材料を量ったり、ボウルに入れて混ぜたりと無心に作業をする。

生地を型に入れてオーブンに入れ、焼き上がりを待つ間、お姉さんが作ってくれたホットミルクを飲む。
「今日ね、大学の友達が男の子にチョコをあげて告白したの。すっごく頑張って手作りしたやつ。そのちょっと後に、別の子も同じ子にチョコをあげてて。その子は行列ができる高級店のチョコをあげたんだって。」

何の話だろう、と思いながらも黙って続きを聞く。
「その男の子はね、『高級チョコをくれたから』って後からチョコをくれた子の告白をOKしたんだって。①結局値段で決めるの?って思っちゃった(2)

「夜まで友達から『ありえないよね!!』って愚痴聞いてたらちょっと落ち着きたくなってさ。
材料買って帰ってきたら部屋の電気がついてたから誘ってみたの。
パウンドケーキって初心者向け、とは言ったものの、いくつかコツがあってね。
材料を室温に戻したり、オーブンをちゃんと予熱したり、事前の準備が大事なんだよね。
そういう風に丁寧に作ってるとなんだか気持ちが穏やかになる気がして」

どう?落ち着いた? お姉さんのその問いかけにこくりと頷く。

「今日のことは2人の秘密ね。約束。」
差し出された小指が何だか幼い子のようで、思わず笑ってしまう。
「なによぅ。そんなことするならパウンドケーキ私1人で食べちゃうから!」
それは困る、と急いで小指を絡める。
その時、なぜだか③この約束はこの先ずっと絶対に守るんだろうな(5)、と予感がした。
確かに私も彼女もずっと守っている。

今にして思えば、この頃から彼女と⑥ずっと一緒にいたい(27)と思っていたのだろうか。
──まあ、過去のことはどうでもいい。

そんなことを言っている間にパウンドケーキが焼けた。
「うわぁ、綺麗に焼けたねぇ。すぐに食べたいけど冷めるまで我慢ね」
コクコクと頷き、おとなしく待つことにした。

◇ ◇ ◇
気が付くと、自分の部屋のベッドで寝ていた。
時間からしてお昼前だろうか。今日が土曜日でよかった。

(お姉さんとケーキ作ったのは夢…?)
なんだか頭がふわふわする。
でも。

机の上に置かれたパウンドケーキの入った袋と添えられたメッセージカードが、あの時間は現実だったと教えてくれる。

『今まで作ったパウンドケーキの中で一番おいしかったです。今度は一緒に食べようね☺』

ビターチョコよりも苦い1日は、こうして甘い記憶になったのだった。


《終わり》

時間や設定など、あらゆる要素を華麗に操る素敵な作品でした! [編集済] [正解]

No.41[ほずみ]02月25日 01:3103月08日 23:55

ミルクチョコよりも甘く

はやる気持ちと流れる時間、それを思い出に託す [編集済] [正解]

No.42[ほずみ]02月25日 01:3103月08日 23:55

【簡易解説】
夜遅くのバイト帰り、日付が変わって2/14になってすぐに意中の相手にチョコを渡した私は、改めて手作りチョコを作って気持ちをきちんと伝えようと決めたから。


【長めの解説】
2/13 23:52 女子更衣室にて
今日のバイトも終わったので帰り支度をする。
バッグの中のチョコ菓子を見て、シミュレーションを反復する。
「どうみてもコンビニでおやつとして買ったチョコ」にしか見えない。
①値段も、種類も、まったく特別に見えないようによく考えて選んだものだ(2)
「⑦チョコレー党総選挙!(34)あなたが好きなチョコは?」なんてキャンペーンの広告まで書かれている。
大丈夫。

2/13 23:56 女子更衣室にて
彼女が入ってきた。予定よりも5分ほど早いが問題はない。
たわいもない会話を装って時間を稼ぐ。

2/14 0:05 店先にて
「そういえば買いすぎちゃったのであげます。これ好きでしたよね」と件のチョコ菓子を差し出す。
「ありがとう」と受け取ってくれた。よし。
ミッションコンプリート。自己満足に浸って帰ろうとしたとき、彼女が言った。

「私からのチョコは明日でいいかな。明日の昼に作る予定なんだ。明日もシフト入ってたよね?」
その返答が意味するところはつまり。
「あれ?バレンタインチョコかなって思ったんだけど違う?」
夢でも見ているかと思わず⑤目をこする(21)

落ち着け、この場合は友チョコパターンが残っている。
いや、すっとぼけパターンでいこう。
「あ、もうそんな時期でしたっけ。」
「そうでもないと君はこんな甘いチョコなんて買わないでしょうに。ありがとう、嬉しいよ」
わざわざ渡したことはバレバレだった。

2/14 0:12 駅の改札前にて
おつかれさまです、と彼女を見送る。
「チョコありがとうね、明日持ってくるから」
「わざわざすみません、自分なんかのために」
「いいの、作るのは元々あなたにあげる分だけだし」
それってどういう意味ですか、とは聞けなかった。
②しっかり閉めていたはずだった(3)自分の心から何かが飛び出してしまいそうで。

「    」
「え?」

彼女が言った言葉は発車のアナウンスで聞き取れなかった。

「明日、ちゃんと言うから。その時に君の気持ちも聞かせてほしいな」


2/14 0:38 スーパーにて
駅で彼女を見送った後、商店街を走り抜ける。
行きも絶え絶えに24時間営業のスーパーに飛び込む。いつもならこれから食べる分の弁当やらなんやらを買うが、今日は真っ先に製菓コーナーへ向かう。
まだバレンタインのお菓子作り用にいくつかのポップが並ぶ。
これから帰って作れそうなものを目の前の棚に残っている材料と照らし合わせながら考える。
生チョコは、クッキーは、ブラウニーは…

そんな中、彼女が以前パウンドケーキを気に入ってくれたことを思い出した。
今から帰って、オーブン予熱して、材料を室温に戻して、焼けたらラッピングもしたいし…
今からかかる時間をざっと計算する。
明日は悲しいかな、1限からずっと授業があるので徹夜はできない。

4時。そこをタイムリミットにする。それまでに出来上がらなかったら諦める。
ケーキも、彼女への気持ちも。


2/14 1:35 自宅のキッチンにて
③彼女との約束を破るつもりは一切ない(5)
どうなったって気持ちは伝えるつもりだ。
ただ、④心に負った古傷はまだ癒えずに(15)に⑥鈍い痛みを伝えてくる(27)
自分の気持ちを伝えることで、周りのみんなが不幸になることだってある。それは痛いほど分かっていた。
ここで本心を伝えるべきか、取り繕った模範的な答えを返すべきか。
その決断を私は、思い出のパウンドケーキに託したのだった。

さて、始めますか。




2/14 23:45 女子更衣室にて
彼女が作ってくれたビターチョコレートのオランジェットとチョコ味のパウンドケーキを交換する。

「え、昨日もくれたのに作ってくれたの!」
「ええまあ… 作ってくれるのにあれじゃさすがに申し訳なくて」
「すっごく嬉しい。ありがとう」

それでね、と彼女は続ける。
「お付き合いしてくれませんか。君のことが好きなんです。」


私の返事?ミルクチョコよりも甘い彼女の顔を見たらそりゃあ分かるでしょ。

《終わり》

全体と部分、謎解きとストーリー、全てを味方に魅せる甘い物語が素晴らしい作品でした! [編集済] [正解][良い質問]

No.43[クラブ]02月25日 20:2103月06日 21:38

ちょこっとlate

あまいもの よみほうだい [編集済] [良い質問]

No.44[クラブ]02月25日 20:2203月06日 21:39

簡易開設
お父さんの枕元にこっそりバレンタインチョコを置いておくという、サプライズを計画したカメコちゃん。
反応を見るため、いつもお父さんが起きる4時まで寝たふりをしようと考えた。

長い解説
カメコは おとうさんのことが だいすき。
バレンタインデーには いつも おとうさんに チョコレートを プレゼントします。
ゆくゆくは せいじかに なって あまいものたべほうだい という ほうりつを つくってあげる よていです。

おとうさんも カメコのことが だいすき。
バレンタインデーは プレゼントが たのしみで ソワソワしています。
せいとうの なまえは ちょこれーとうが いいと おもっています。(34)

さっそく チョコレートを かいに いきましょう。
おとうさんは あまいものが だいすき。 おさけも すき。
なので チョコレートは おさけいりの ちょっとだけ たかいものに きめました。(2)

ほんとは てづくり したいのです。
でも きのう ほうちょうで てをきって いたいおもいを したときに おとうさんに 「あぶないから おおきくなるまで ひとりで おりょうりは だめだよ」 と いわれてしまいました。(15)(27)
おとうさんとの やくそくは まもらなきゃ いけませんね。(5)

さて チョコレートを ふつうに わたすのでは おもしろく ありません。
そこで カメコは おとうさんの まくらもとに こっそり チョコレートを おいて おきたときに おどろかせてやろうと おもいました。

でも おそくまで おきていると おこられて しまいます。
なので めを バチッと しっかり とじて ねたふりです。
ねたふり ねたふり ねたふり ・・・ ・・・ (3)

あさ カメコが ねむたい めを こすって おきてみると おとうさんは もう おうちに いませんでした。(21)
でも キッチンの テーブルの うえに てがみが おいて ありました。
『チョコレート ありがとう。 とても びっくりしたよ。 でも よるは ちゃんと ねようね。』

やっぱり おとうさんには かないません。

-おしまい-
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絵本のような綺麗な展開と、挑戦的な回答が見事にマッチした素敵な作品でした! [編集済]

No.45[]02月25日 22:1103月06日 21:40

「ご利用は計画的にさせられるもの」<投票対象外> [編集済]

愛に引き換えが利く? [編集済] [良い質問]

No.46[]02月25日 22:1203月06日 21:40

【簡易解説】
 契約のため。


【解説】

毎年贈るものをチョコ(好き)とマシュマロ(嫌い)で悩みに悩む私。
脳内選挙は毎年混迷しており、チョコレー党は圧倒的陣営でありながら
マニフェスト(お約束)――見栄だの虚勢だのツンデレだの――を守らざるを得ないために、
マシュマロ連立政権にならざるをえないサダメであった。(5)

しかし今年は違う。チョコレー党の単独与党である。(34)
一致団結が尊ばれるときなど決まっている。外敵(他の女の影)が現れたときだけだ。
改革の火が私の胸に熱く灯っていた。

しかし私に具体的な政策はなかった……
手作りチョコの作り方とは……? 良い感じの本命チョコとは……?

私には機微がわからぬ。私はツンデレである。
邪智を巡らせ、暴虐を振りまき暮して来た。
けれども機微に対しては、人一倍に鈍感であった。

Xデーまで残り1週間。圧倒的打つ手なし感……!

そんな私の前に魔神のランプが現れたのは、神の導きか悪魔の罠か。
私はバレンタインが上手くいくように魔神と契約を結んだ。



そして、あっという間に1週間たった。

魔法のように用意できたチョコは恐ろしいほどスムーズに渡せ、あっさりと恋人同士になれた。
本当に夢のようだ。

契約書に血判を押した際の親指の傷は未だ癒えていない。(15)
この傷が魔神に遭遇したことは夢ではなく、
あの日、現実に起こったことなんだと教えてくれる。

これからも 彼と一緒に 同じ時間を過ごして いきたい。







=========

はははは。吾輩は本物の魔神さ。

深夜4時の鍵のかかった部屋に、どうやって現れたと思うのかね。(3)
夢ではない。目をこすっても消えないし、ほほを抓ればきちんと痛いだろう?(21)(27)

さぁ願いを言いたまえ、何でも叶えて差し上げよう。
対価と引き換えに、だがね。

ほう、そんな願いなら……対価は寿命を、そうだね1週間といったところかな。大サービスさ。

自分の命の値段をよく見て考えたかね?(2)
それならいいんだ。
契約の証として、これに血判を押していただこう。

……契約成立だ。



残りの「寿命1週間」を楽しく過ごすと良い。



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眠れるわけがなかった。

いきたい。


【おわり】

前後半の対比と独特かつ一味違う回答がどこまでも鮮やかで素敵な作品でした! [編集済]

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No.47[フレンチトースト]02月26日 00:0003月06日 21:41

マナブくんとケイコさん

立ち、待ち焦がれ [編集済] [良い質問]

No.48[フレンチトースト]02月26日 00:0103月08日 23:55

マナブくんとケイコさんの部屋に入ると、最近嗅ぎ慣れてきた香りが少し漂っていた。
「遅いぞ小太郎。早く来てくれないとお姉さん酔っぱらっちゃうぞ」
 もう酔っぱらっているのでは、という言葉を何とか飲み込む。ケイコさんの頬は赤い。そう言えば先日、彼女から送られてきたメッセージに、会社の先輩の影響でアルコールをよく嗜むようになったという内容があった。
 僕も二十歳を越えお酒を飲む機会が増えたが、未だにあの独特の苦みは好きになれずにいた。
「お邪魔します」
 酔っぱらい相手でも礼を欠かさず挨拶した。いや、そもそもこの部屋には僕以外に素面の人間がもう一人いるのだ。
「ようこそ小太郎くん」
 そう言うとマナブくんは笑顔でこたつの布を上げ、僕を招き入れてくれた。
 腰を下ろし両手と両足をこたつの中に入ると、冬の外気で凍えていた体がふにゃりと柔らかくなった。多くの人が日本人に生まれて良かったと思える瞬間だろう。
「悪かったね急な誘いで、迷惑だったかな」
「いえ大丈夫です。暇を持て余していたところだったので」
「なんだ、じゃあ丁度良かったんじゃん。まあ、私からの招集があったら弟分のアンタに断る権利なんてないんだけどね!」
「……ははっ」
 ケイコさんがこたつ越しに肩を叩いてこようとしたので適当に笑ってあしらった。本当は今日、この時間予定があったのだが、急遽、予定をキャンセルして二人からの誘いを受けることにしたのだ。
「逆に邪魔じゃないですか、僕。今日、来ても良かったんですか?」
 ケイコさんに対してではなく、マナブくんに対して質問した。なぜなら、今日は二人が同棲して初めて迎えるセントバレンタインデーだからだ。
「おっ。この前二十歳を超えたばかりのガキンチョが立派なことを言うようになったねえ。お姉さんは嬉しいよ」
ケイコさんはアルコールの入った缶を片手に涙を拭うような動きをした。
 その仕草、おじさん臭いですよ。という言葉をなんとか飲み込んだ。長い付き合いで彼女のご機嫌を損ねると面倒なことになるというのは痛いほど理解していた。
「気にしなくてもいいんだよ小太郎くん。僕とケイコは共通の知り合いが少ないからね、お招きする相手が君くらいしかいないんだ。だから、今日は存分におもてなしさせてもらうよ」
僕よりも年上であるマナブくんは僕よりも年下のような屈託のない笑顔を向けてきた。そんな爽やかな笑顔を向けられると、僕はコンクリートブロックの下に潜むミミズのような気持ちになる。
マナブくんの笑顔は男の僕ですら照れてしまう爽やかな微笑みだ。こんな微笑みを向けられたらどんな女性でもイチコロだろう。改めて、マナブくんとケイコさんはお似合いだなと考えさせられた。
「ではお言葉に甘えて楽しませてもらいます」
 親しき仲にも礼儀あり。僕は長年の付き合いがある二人に対して深々とお辞儀した。
「それで今日は何をするんですか?」
「これだよこれ。これを見ればすぐに分かるだろ小太郎」
 ケイコさんが指さしたのは、こたつの中央に置かれた家庭用のタコ焼き機だった。
「はあ」
僕は曖昧な返事しか出来ない。それが重要なヒントであることは分かる。しかし、タコ焼き機の周りには、肝心のタコが見当たらなかった。それどころか、こたつの上には様々な果物が均一の大きさに刻まれホテルの朝食時などで見かけるビッフェコーナーの様に並べられていた。
「タコパだよタコパ。今日はお腹いっぱいたこ焼きを食べるんだ」
 タコはどこにあるんですか、と質問しようとしたとき、僕の疑問を察したのかマナブくんが説明してくれた。
「今日は以前からのケイコのリクエストでね、デザート系のタコ焼きを作ることにしたんだ。ほら、準備も万端だよ」
 そう言うとマナブくんはこたつから出て台所から銀色のボウルを持ってきた。ボウルの中にはたっぷりとクリーム色のドロドロした液体が入っている。
「ホットケーキミックスで作った生地だ。今日は僕が作るから、たくさん食べて行ってね」
「よっ、さすがパティシエ!」
 完全に酔っぱらいと化しているケイコさんが歓声を上げた。一方、僕はスマホを取り出して事前にケイコさんから送られてきていたメッセージを確認する。そこには夕飯は少なめにしておくように、というメッセージが書かれていた。
「おっ小太郎。誰かと連絡とってんの?」
「違うよ。ケイコさんから送られてきたメッセージを読み返していたんだ。夕飯を少なめにする理由はこれだったのかって」
「そっか。大学生になって小太郎にも連絡を取り合うような友達ができたんだなって思ったんだけど……相変わらず友達いないんだね」
「そんなことない」
 ムキになった僕は最近知り合いとやり取りしているメッセージの履歴をケイコさんに見せようとしたが、慌てて画面を伏せた。
「なになに、どうしたの?」
 子供の悪戯を見つけたような余裕のある表情でケイコさんが覗き込んでくる。どうせ、僕が嘘をついているとでも思っているのだろう。
「……いや、だって他人とのやりとりを見せるのってマナー違反でしょ。僕がどうこうじゃなくて、相手がいることなんだから」
「確かに! 小太郎くんしっかりしてるね」
 マナブくんは心底感心したという風に頷いていた。そんな大げさに頷かれると普段僕はどれだけ子供に見られているのかと思う。しかし、社会的に独立した立派な大人のマナブくんからすれば、ようやくアルバイトを始めた大学生の僕など、小学生とさして変わらないのかもしれない。
「よし、じゃあ始めるよ」
 マナブくんは銀色のボウルを掲げ、お玉で少しずつタコ焼き機の穴に生地を流し込んでいった。あらかじめバターでも塗られていたのか、香ばしい匂いが漂う。じゅうという音と共に甘い煙が広がり、近くでくるくる回る換気扇に吸い込まれていった。
 二人が同棲している部屋の広さは2DKで、ダイニングはこたつが置かれているせいでそれほど広くない。でも、この距離感をお互い苦に感じな仲だからこそ二人は一緒に生活できているのだろう。僕とケイコさんだったら、きっと喧嘩が絶えない空間になっていたはずだ。
「くぅー、この匂い堪らないね」
 そう言うとケイコさんはスマホを手に取りマナブくんが調理する様子を撮影し始めた。
「ほら小太郎も撮っときな。映えるよ」
「えっ? うん、ああ」
 映える? なんだそれは? そう思いつつケイコさんに指示されるままスマホで写真を撮った。あまり使い慣れていない撮影機能なので、上手くピントが合わず写真を撮るのに苦労した。
「ちょっと写真撮るのにどれだけ手間取ってるの? ほら、マナブが次の作業を始めたよ」
 僕がマゴマゴしている間に生地を入れ終えたマナブくんはボウルを置くと、さらに持った果物をタコ焼き機の上でばら撒き始めた。林檎、バナナ、パイナップル。そのほかにもマシュマロやグミなど甘いお菓子が混じっていた。
 マナブくんはそれらが混じらないよう器用に一つの穴に一つずつ落としていく。まるで、一流のマジシャンが物凄いスピードで的確にカードを配っているようだ。
 僕はそれらの様子も慌てて撮影する。
「どう上手く撮れた?」
 撮影し終えた画像を知り合いに送信しているのだろうか。ケイコさんはスッスッとスマホの画面をスワイプしている。なんという速さだ。僕の数倍は速い。
「うん、なんとか」
「えらい時間がかかってたね。」
「まだ使い慣れてなくて」
僕はたどたどしい手つきでスマホの操作を終えた。こんな様子だからスマホでメッセージのやり取りをするのがあまり好きじゃない。そもそもスマホとはスマートフォンの略称であり、つまり携帯電話のことなのだ。だったら通話した方が時間の節約に繋がると常々主張しているのだけれど、誰からも理解を得られたことがなかった。
「そう。でもすぐ慣れるよ。彼女とか出来てメッセージのやり取りをするようになったら嫌でも早く入力出来るようになるし」
「そうだといいんだけどね」
 僕はスマホの操作で疲れた両手を再びこたつの暖かい空間に戻した。
「はいどうぞ」
 マナブくんが僕とケイコさんの目の前に、焼き立てのデザート風たこ焼きを小皿に盛って渡してくれた。見た目はお祭りの時に屋台で売られているベビーカステラにそっくりだった。
 一つ箸で摘まんで口の中に入れてみる。カリッという軽い食感と共に表面が崩れ、仲からモチモチとした程良い甘味の生地が現れた。僕が食べたのはパイナップル入りのものだったが、生地の間に隠れたパイナップルは舌で触れると簡単に解けていくほど柔らかくて、豊潤な果汁をふんだんに含んでいた。
「美味しいです」
「そっか。ありがとう、嬉しいよ」
 僕からの賛辞をマナブくんは照れたり謙遜で誤魔化すことなく、例の笑顔できちんと受け取ってくれた。本当に屈託のない良い笑顔だ。こんな笑顔を向かられるケイコさん以外の女性に憐れみを覚えた。
「いやマジで美味しいよマナブ」
 そんなマナブくんの有難みが一切分かっていない様子のケイコさんは、ものすごい勢いでたこ焼きを咀嚼していく。それと共にアルコールの消費量も増えていき、もはや立派な酔っぱらいと化していた。
 肝心のケイコさんがこんな有様ではマナブくんも作る甲斐がないのではないかと思ったが、マナブくんはたこ焼きを美味しそうに食べるケイコさんを見て、僕に向けたものとは違う種類の笑みを静かに浮かべていた。
「そう言えばマナブくん、まだ一個も食べてないですよね」
 マナブくんは僕とケイコさんのタコ焼きを焼いてばかりだったので、自分の皿の前には一つもたこ焼きが乗っていなかった。
「僕、焼きましょうか?」
 本職の人に満足してもらえるかは別として、招待されたからといって年下が何もしないというのも気が引けた。
「大丈夫。僕はこれから作るこっちを食べさせてもらうから」
 そう言うとマナブくんは再びこたつから腰を上げ、冷蔵庫に何か取りに行った。
「じゃーん」
 マナブくんが冷蔵庫から持ってきたのは、細か砕かれたチョコレートだった。
「あ、いいですねそれ」
「でしょ。実はお店で余ったのを持って帰ってきてたんだ。僕、チョコレートが大好きでさ」
 なるほど、マナブくんは洋菓子店で働いているので、バレンタインが終わってしまえばチョコレートが大量に余ってしまう。それを処理しようとしているのだ。
「小太郎くんにもいくつか作るね。ケイコはどうする?」
「うーん、あたしはいらないかな。フルーツの方が好きだし」
 ケイコさんは長い髪を耳にかき上げながらたこ焼きを頬張った。まだ熱かったのか、酸素を求める魚の様に口をパクパクさせ飲み込んだ後、アルコールで口内の熱を冷ましていた。
「あたしと違って二人ともフルーツよりもチョコレートの方が好きなんだね。フルーツよりもチョコレート。これが本当のチョコレー党、(34)なんちゃって!」
 そう言い終わるとケイコさんは満足そうにアルコールに口を付けた。
駄洒落を言っているケイコさんを見て、ああ、明日この人は今の自分の発言を後悔するんだろうな、と少し哀れに思った。
「それで最近はどうなのよ、小太郎」
 マナブくん特製チョコレート入りたこ焼きを堪能していると、ケイコさんが雑な質問をしてきた。
「どうなのよってどういうこと?」
 質問に対して質問を返すのは会話の技量がないようで気が引けたが、今のは絶対にケイコさんの質問が悪い。
「大学生活とか上手くいってるのかな~って思って。ほら、小太郎って昔からあたしの後をついてきてばっかでさ、何かあるとすぐ隠れちゃうような子供だったじゃない? やっぱ心配なのよ。姉的存在としては」
「う~ん。まあ、ぼちぼち、とだけ」
「本当に? 大丈夫? 単位とか取れてるの?」
 このときばかりはアルコールの入っていないいつもの頼り甲斐のあるケイコさんに戻っていた。
「小太郎ってウチの大学入るためにかなり無理して勉強してたじゃない。無理して入ったから単位とか取るの大変かなって」
「大丈夫。今のところ卒業出来そうだから」
 ケイコさんの言う通り、僕は自分の学力ではかなり厳しい大学に進学した。苦労して入学出来たと思ったら入れ替えでケイコさんは卒業してしまったけれど、ケイコさんから単位の取りやすい授業やレポート提出のコツなどあらかじめ聞いていたので、自分でも意外に思えるほど大学生活は順調だった。
「そう。なら良かった」
 分かりやすくホッと一息つくケイコさんを見て、先ほどまでの酔っぱらった姿とのギャップに油断したのだろう。この後、僕はつい余計なことを口にしてしまった。
「バイトにも慣れてきたし、今のところ生活に不安はないよ」
「バイト!?」
 ケイコさんの反応を見たとき、露骨にしまったという表情を浮かべ、口を滑らせてしまったことに気がついた。
「ねえちょっと! バイトって何? あたし聞いてないよ!?」
「いや、その、ケイコさん仕事が忙しそうだったから」
 まだ社会人として新人の域を出ていないケイコさんの日常が大変なのは間違いないだろう。しかし、僕の稚拙な言い訳は予想外の方向から打ち砕かれた。
「あれ? ケイコ、小太郎くんがアルバイト始めたこと知らなかったの?」
 お手製のたこ焼きを満足そうに頬張っているマナブくんのことがこのときばかりは流石に恨めしく思ってしまった。
「えっ、マナブは小太郎がバイト始めたこと知ってたの?」
「う、うん」
 自分の過ちに気がついたのか、マナブくんは申し分けなさそうにこちらをちらりと見た。
「あたし聞いてない。ねえ、どうしてマナブには教えててお姉さんには教えてくれないの?」
 一人だけ除け者にされていた事実が余計にケイコさんの精神を逆撫でしたようだ。
「いや、それには複雑な事情があってさ。それに、ケイコさんにバイト始めたこと教えると、バイト先にやってきそうで……」
「ふ~ん。あたしがバイト先に行けるってことは、つまり、小太郎の始めたバイトって接客業あたりかな?」
 しまった。ケイコさんは先ほどまでのお姉さんモードを解除して、ニタニタと嫌らしい笑みを浮かべる酔っぱらいに戻っていた。しかも、推理が的確で鋭い。余計なことは言うまい、僕はたこ焼きを自分の口に放り込んで物理的に喋れなくした。
「ねえねえ、絶対邪魔しないからさ、なんのバイト始めたか教えてよ」
 僕がゆっくりたこ焼きを味わっている間、ケイコさんは視線を僕の瞳にロックオンした。視線には本当に圧力があるのではないか、と感じる時間が経過する。たこ焼きを食べ終わってもその圧力が和らぐことはなかったので、今度はスマホを取り出して操作することにした。
「じぃ~」
 そのオノマトペを本当に口に出していう人を初めて見た。僕が時間をかけてスマホを操作してもケイコさんはずっとこちらを見ていたので、観念して相手することにした。
「えっと、僕のバイト先教えるの、ちょっと時間貰ってもいいですか?」
「ええ~なんで? だってマナブは知ってるんでしょ?」
「だから、それには色々事情があるんですって」
 たぶん、だけれど、僕のバイト先を教えるのは彼女の為にならないような気がした。
 これ以上余計なことを言ってしまうのが怖いのか、マナブくんは大人しくたこ焼きをつついていた。僕はマナブくんの選択に感謝していた。
だって、どんな言い訳が正しいのか、この時点で僕にも分かっていなかったからだ。
「えっと……。バイト先について黙っていたことはすみません」
 何故、僕が自分のバイト先をケイコさんに謝らなければいけないのか。全然納得していなかったが、とりあえず謝ることにした。僕の姉を気取っているケイコさんならばこの謝り方が有効なはずだった。
「バイト先についてはまたちゃんと教えますから。今は勘弁してください」
今、僕がすべきことは、これ以上話がこじれるのを防ぐことのはずだ。これだけ下手に出ればケイコさんは引き下がるだろう。少なくとも、僕のバイトについての話を避けるはずだ。
「小太郎がそこまで言うなら分かったよ」
 よし。僕は心の中でガッツポーズをした。
「代わりに、小太郎の恋バナ聞かせて」
 僕は心の中でしたガッツポーズを解いて、頭を抱えなければならなかった。
「子供だと思ってた小太郎がいつの間にかバイトするくらいだし、あたしの知らない話がいくつもありそうだからね。あるんでしょ恋バナの一つや二つ」
「……ありませんよ。残念ですけど」
「嘘つけ! あたしには分かってるんだからね」
 何を根拠に言っているんだ。この酔っぱらいは。僕は心の中だけではなく、実際に頭を抱えてしまった。
そもそも僕には恋バナの定義がよく分からない。親しい男女が付き合い始めるまでの経緯を説明する、それが僕の中での恋バナの定義だった。そんな経験のない僕に、語れることなど一つもなかった。
「こんなこと言うのも何なんですけど、もし、僕に浮かれた話があったら、今この場所にいませんよ」
「なるほど確かに。そう言えば今日はバレンタインだったね」
 そのときふと、ケイコさんはマナブくんにチョコレートをあげたのだろうかと気になった。
「じゃあ質問を変えよう。小太郎、あんたの好きなタイプを教えて」
「はあ? なんでですか? 何を唐突に言い出してるんですか?」
「唐突であることは認めよう。でも、理由はあるよ。あたしが小太郎の好きなタイプを把握していれば、知り合いを紹介出来るかもしれないからね。こう見えてあたしは顔が広いんだ。どう、合理的な話でしょ」
「むう」
 今度はこちらが唸る番だった。怠け者である僕は無駄な行動が大嫌いで、それ故、整合性の取れているものや合理的な考え方が好きだった。そういう意味で、ケイコさんの提案はとても魅力的だ。流石、僕の姉的存在を自称するだけのことはある。
 ただ、内容が気に食わない。何故、僕が好きな異性のタイプを、よりにもよってケイコさんに教えなければならないのか。何かの罰ゲームか、これは。
 僕は自分をムリヤリ納得させるため次の様に考えた。
 女性は恋バナが好きである、そして僕は合理的な話が好きである。故に、ケイコさんの提案は折衷案として十分に値する。よし、このシナリオでいこう。
「……分かりました。その話でいいです」
 逡巡した結果、声にならない声を絞り出すようにして返事した。
「じゃあ早速質問させてもらおう」
 何故か勝ち誇ったような表情で喋り出すケイコさんを見て、何とも言えない複雑な気持ちになった。やはり、これは罰ゲームの一種のようなものだ。心を落ち着かせるため静かに深呼吸していると、隣でマナブくんが不安そうにこちらを見つめていた。
「で、小太郎の好みのタイプってどんな感じ? 芸能人で言うと?」
「そう言われても、なんて答えればいいのやら……」
 改めて質問されると難しい問いだった。僕は普段からそういうことをあまり考えないし、テレビも必要が無ければ見ようと思わない。ケイコさんの質問に対して具体的に答えを言葉で現すことが難しかった。
「じゃあねえ。例えば髪は長い方がいい? それとも短い方?」
 ケイコさんはこれ見よがしに自身の長い髪を指で梳き始めた。いくら僕が鈍い男でも、長い髪と答えた方が良いといのは分かった。けれどそれはきっと、質問の答えとは違うはずだ。
「えーと、今は短い髪の方がいいですね」
 一瞬、ケイコさんは、うん? という風な表情を浮かべた。
「あっそ。じゃあ目とかどんな感じが好き?」
アルコールが回っているせいか、元々垂れ目がちなケイコさんの目元はいつも以上に垂れているような気がした。
「きりっとした目元が好きです。猫っぽい感じが特に」
「じゃあ、背の高い女性とかどう? カッコよく見えるよね」
 ケイコさんの身長は女性にしては高く、僕より少し高いくらいだ。履く靴の種類によっては会話するとき見上げなければならない場合もある。
「高いに越したことはないですけど、低い方が女の子っぽい気がします」
「さっきからなんなんだよもう!」
 何かを我慢していたらしいケイコさんは大きな声を張り上げて持っていた缶をクシャっと潰した。
「小太郎はそんなにあたしのことが嫌いなの? さっきから全然好きって言ってくれないじゃん!」
「いや、僕の好みの話ですよね。ケイコさんは関係ないじゃないですか」
「ロジハラだロジハラ!」
 だめだこりゃ。あまりにも理不尽な物言いに相手をする気力を失った。そもそも、マナブくんという相手がいる以上、僕からの好意などまったく意味がないはずだ。それなのに、どうして僕からの好意も欲しがるというのだろう。
 はぁ。
 僕はため息を吐くとスマホを操作し始めた。ケイコさんはそんな僕を見て逃げるな卑怯者、こっちを見て相手しろ、など好き放題喚いていた。
「ちょ、ほらケイコ。小太郎くんが困ってるじゃん。たこ焼き、まだいる?」
 彼女の荒れように見かねたのか、マナブくんは銀色のボウルを携えてケイコさんに話しかけた。
「いらない。お腹いっぱいだから。それよりも新しいお酒飲みたい」
 ケイコさんは我慢を知らない子供のような口調だった。
 ああ、完全に機嫌を損ねてしまった。これは面倒なことになる。
 僕はスマホを操作しながら横目で二人のやりとりを眺めていた。こうなってしまったケイコさんの相手をすることが苦手だった。絶対に僕は悪くなくて、ほとんど悪いのはケイコさんのはずなのに、どうして僕が謝ったり相手の機嫌を窺わなくてはいけないのか。
 その葛藤を僕は長年自分自身で納得させることが出来なかったのだ。
「しょうがないなあ、もう」
 そういうとマナブくんはこたつから出て、外出用のコートを羽織り始めた。
「近くのコンビニで新しいお酒買ってくるから待っといて。小太郎くん、申し訳ないけどケイコの相手頼むよ」
 そう言うとマナブくんは僕に向けて例の、人を蕩けさせるような笑みを浮かべた。
 ああ、敵わないなあ。僕はマナブくんという人間に対して、嫉妬すら抱けなかった。もう完全に、負けを受け入れたのだ。
 操作していたスマホの画面を確認する。夜とはいえまだ深い時間ではない。日付が変わるまで数時間の猶予が残されていた。
「マナブくん待って」
 僕はこたつから出てスマホをポケットに入れる。
「マナブくんだけで行く必要なんてないよ。三人で買いに行こう」
 外の寒さを思い出して、室内にいるにもかかわらず僕は少しだけ身震いした。

「うわー、すごい星がきれい」
 冬の夜空を見上げながらケイコさんは感嘆の声を上げた。確かに星がきれいに見えた。冬になるといつも思うことなのだが、冬は夏よりも星が良く見えるような気がする。やはり、冬の方が空気が澄んでいるからなのだろうか。
「ねえ小太郎、星がきれいだね」
「はい」
 僕は素直に頷いた。ケイコさんの言葉に心の底から賛同していたからだ。
 ちなみに、ケイコさんの機嫌は「バイト代が入ったばかりなのでお酒代は僕が出しますよ」と提案するとあっさり治ってしまった。
 マスクとマフラーで完全防寒しているケイコさんは夜空を見上げながら目をごしごしとこすった(21)。
「眠たいんですか?」
「うんうん全然。まつ毛に水滴がついたの」
「まつ毛に水滴?」
 ケイコさんの言っていることの意味が分からずほとんどオウム返しになってしまった。僕が理解出来ていないことが伝わったのか、ケイコさんが補足説明をしてくれた。
「冬って吐く息が白くなるでしょ? その白い息がまつ毛に触れて溜まると小さな水滴になるんだよ。眼鏡が白く染まるのと同じ現象。まあ、まつ毛がある程度長くないと分からない感覚かもね」
 ふーん。それは確かに僕には分からない感覚だった。自分の短いまつ毛に触れてみる。カサカサでそこには明らかに何もついていなかった。
「ねえ小太郎くん。大丈夫なの?」
 後ろの方からマナブくんの声が聞こえてくる。何やら不安そうな声だ。ケイコさんよりも事情を把握しているから、余計に心配してくれているのだろう。
「たぶん、まあ大丈夫です」
 僕は三人の中で一番前を歩いていた。少し離れてケイコさん、そして最後にマナブくんという順番だ。僕たちが三人並んで歩くと、どうしても僕のシルエットが頭一つ低くなってしまう。こたつに入っていたときは三人とも同じくらいの目線で会話していたはずなのに、これは一体どういうことだろう。このことを深く考えてはいけない。考えてしまうと僕の心が耐えられなくなってしまう。
先頭を歩く僕は最寄りのコンビニは通り過ぎた。ケイコさんは少し不思議そうにしていたが、酔い覚ましにちょうどいいと思ったのか、星空を眺めながら機嫌良さそうに鼻歌を口ずさんでいる。マナブくんは相変わらず不安そうにしていたが、事の成り行きを僕に任せることにしたのか黙って付いて来てくれていた。
 僕は口数少なくスマホを操作しながら歩いていたので、スマホの光がカボチャの提灯、ジャック・オ・ランタンの様に僕たちの行き先を怪しく照らしていた。
 僕が先導したコンビニは二人の部屋から十分ほど離れた場所にある寂しげなコンビニだった。店内に客の姿はなく、やる気のなさそうな従業員があくびをしている。
「着いたよ。お先にどうぞ」
自動ドアではなく観音開きのドアだったので、僕はポケットから手を出して二人の為にドアを開けてあげた。
「おっ、気が利くじゃん。入ろマナブ」
 流石に体が凍えていたらしいケイコさんは、マナブくんの腕を掴むと勢いよく店内に入り込んだ。
 店内に従業員は二人いた。一人は金髪でカウンターの外に出てあくびをしながら品出しをしている男の従業員、そして、もう一人はカウンターの中で店内に背を向けている女の従業員。その二人は、マナブくんとケイコさんが入店すると少し驚いた表情を浮かべた。
 ケイコさんとマナブくんが並んで街中を歩くと、たくさんの人が二人の姿を目で追ってしまう。人間という生き物は、優れた容姿同士の組み合わせを見かけると、そういう風に反応してしまう様に出来ているのだろう。
 二人のあとに続いて隠れるように僕が入店すると、男の従業員が怪訝そうにこちらを見ていた。
 人間という生き物は、優れた容姿同士の組み合わせに明らかに外見の劣った異物が混入していると、どうしてお前が? という表情を浮かべずにいられないのだ。二人と行動を共にするようになって、僕はその習性を嫌というほど体験してきた。
「さーて。小太郎に何買ってもらおうかな~」
 ケイコさんはマナブくんの腕を掴んだまま、コンビニ奥にあるアルコールコーナーまで一直線に向かった。
「マナブ、どれがいいと思う?」
「う~ん、そうだな」
 縦横無尽にアルコールコーナーを眺めているケイコさんに対して、マナブくんの視線は少しずつ一方へ偏り始めた。その視線は明らかに、安い値札の多い方だ。どうやら、マナブくんは値段を見て少しでも安いものを選ぼうと考えてくれているらしい(2)。
 いいぞ、流石マナブくん。僕は心の中で快哉を叫んだ。
 二人、というか主にケイコさんが適当にアルコールの缶を放り込んでいく様子を眺めながら僕はスマホの画面を確認する。
そろそろ頃合いだろうか。新しくお客さんが入ってきたらややこしくなる。僕は行動を起こすことにした。
「ねえケイコさん」
 敢えて僕は小さな声でケイコさんに耳打ちした。
「今気づいたんだけど、部屋のカギ、掛けてなかったような気がする」
「えっマジで? あたし、ちゃんと掛けたつもりなんだけど」
「いや、かなり怪しいと思う。先帰って確かめた方がいいかも」
 ケイコさんは腕を組み、う~んと頭を傾けた。普段ならば自信を持って、掛けたから大丈夫だよ、と主張するところだろう。しかし、アルコールのせいで判断力と記憶力が鈍っていることを自覚していたからか、ケイコさんは僕の意見を受け入れることにした。
「じゃあ、あたし先に戻って確かめてくる。マナブ、お酒は今カゴに入れてる分でいいから」
 そう言うと颯爽とコンビニのドアを開け出ていった。とても酔っぱらいの足取りとは思えないしっかりとした動きだった。やはり、酔っぱらっていてもケイコさんはしっかりしている。
ケイコさん、ごめんなさい。
僕は心の中でこっそりと彼女に謝った。なぜなら、僕は部屋のカギがしっかり閉まっていた(3)ことを、きちんと確かめていたからだ。
「じゃあお会計しようか」
 缶の入ったカゴをマナブくんがレジに持っていく。
「本当にいいの? ケイコいないし、僕が払おうか?」
「いいえ、大丈夫です。ここは絶対に僕に払わせてください」
 ここでマナブくんに払ってもらうのはあまりにカッコ悪いような気がしたので、僕は普段見せない強い口調で喋った。
「う、うん。頼むよ」
僕の迫力に押されたのか、有難いことにマナブくんはアッサリ引き下がってくれた。
 いくつかの缶が女性店員の手でバーコードをスキャンされると、ディスプレイに金額が表示された。その金額はケイコさんの無遠慮とマナブくんの優しさの入り混じった金額で、僕の懐には少し重たい数字だった。スマホに登録されているコンビニのクーポンを使用して少しでも金額を減らし、バーコード決済を済ませた。
 やはりバーコード決済は貨幣で清算するよりも圧倒的に早い。会計を終えても女性店員は缶を袋に詰める作業を終えていなかった。僕はスマホを操作するフリをして店の外に出る予定だったが、緊張していたせいか急に尿意を覚えた。
「ごめんマナブくん。ちょっとトイレに行ってくる」
「うん、分かった。お酒ありがと。ケイコ喜ぶよ」
 マナブくんの声を背中に聞きながら、僕は小走りでトイレに駆け込んだ。
 数分後。用を足したっぷりと時間をかけ、もう大丈夫だろうと思ったタイミングでトイレの外に出た。すると目の前には金髪の店員が立っており、不機嫌そうに壁に張られている紙を指さした。
『当店では、お客様にトイレをお貸ししておりません』
 大きな赤いフォントで作られたポスターは店内でも非常に目立っており、これに気づかずトイレを使用するのは不可能に思われた。
「あはは……」
 金髪の店員に対して気まずさしか感じない僕は逃げるように店の外に出た。
 店の外に出るとマナブくんがアルコールの入ったビニール袋を持ち立っていた。
「時間かけてすみません、お待たせしました」
「うん? あ、ああ。随分時間がかかってたね」
 マナブくんはどこか上の空という有様で、アルコールの入ったケイコさんよりもしっかりしていない。僕はその様子を見て、結末はどうなったか分からないが自分は無事約束を果たせたのだと確信した(5)。
「……」
「……」
 二人の間に長い沈黙が流れた。僕もマナブくんも口数が多い方ではない。二人でいるときに会話が途切れることはよくあった。けれど、今までマナブくんとの沈黙を息苦しいと感じたことはない。それが今、こんなにも無言でいることが苦しかった。
「えっと……、すみません。急に用事が出来たので、今日はこのまま失礼させてもらいます」
「あっ、うん。分かったよ」
 僕がそう告げると、マナブくんがホッとしたことが空気で伝わってきた。こんな気まずさを味わわせてしまい申し訳ないと思った。マナブくんは何も悪くないのに。
「じゃあ、僕も帰るね。今日は来てくれてありがと、あとこれも」
 マナブくんは缶の入ったビニール袋を大切なものでも扱うかのように、ゆっくりと丁寧と掲げた。
「それじゃ」
 そういうとマナブくんは僕から離れていった。マナブくんはこれからケイコさんの待っている部屋まで帰るのだ。部屋に帰った後、マナブくんはケイコさんに何を告げるのだろう。いや、何も話さないかもしれない。もう僕には、何も想像することが出来なかった。
「ふう」
 一人になれてホッとしたのはマナブくんだけではない。僕も同じくらい、いやそれ以上にホッとしていた。体が小さく震えている。それは寒さのせいなのか、それとも感情から来るものなのか、自分でも分からない。
 僕は近くのガードレールに腰かける。冬の冷気がボンヤリしそうになる頭の熱を下げてくれた。幸い、時間はたっぷりとある。僕はゆっくりと物思いに耽ることにした。

「おい」
 声を掛けられて、自分が想定していたよりも深い思考を繰り返していたことに気がついた。ガードレールに乗っていた臀部が痛み、体が芯まで凍えている。
「生きているみたいだな、良かった」
 目の前にいるのは金髪のコンビニ店員だった。しかし、今はもう制服を着ていない。暖かそうなダウンジャケットに身を包んでいる。
「こんな時間に俯いて身動き一つしないから死んでんのかと思ったよ」
「考え事をしてたんだ。たぶん、人生で一番頭を使ってたかもしれない」
「大学に入るための受験勉強よりもかよ」
 そう言うと彼は右手を振り上げて、結構な力を込めて僕の肩を殴った。
「いたっ(27)」
 それなりの衝撃にバランスを崩してしまい、ガードレールに手をつく。彼が怒っていたのは分かっていたけれど、まさか殴られるとは思わなかった。
「今度からもっと別のことに頭を使うんだな。例えば、いきなり夜勤のシフトを押し付けられた人間の気持ちとかよ」
 そう言い残すと彼は不機嫌そうに帰っていった。
 僕は彼の言っていることはもっともだと反省した。いきなり、理由も告げられず夜勤のバイトシフトを一方的に変更させられたら、僕だって嫌な気持ちになる。しかも、その変更した相手がバイト先に現れたら、もはや意味不明だ。おちょくられていると感じられても仕方ない。今度、改めて彼には謝罪しようと考えた。
 しばらくしてスマホが震えた。それはメッセージが届いたという合図だった。僕はスマホをポケットから取り出して画面を確認する。時間は朝の四時過ぎで、『いま、どこにいる?』というメッセージが表示されていた。僕は『店の前にいるよ』と返信する。すると、コンビニの観音開きのドアが開いて、中から女性のコンビニ店員が現れた。
「……隣、座ってもいい?」
「どうぞ、春日井さん」
「そう、ありがと」
 お礼を言う彼女、春日井さんの声は、鼻声になっていた。それはきっと、寒さのせいではないだろう。
「色々、協力してくれて感謝してる」
「別にいいよ。その様子だと、上手くいかなかったみたいだね」
「うん、初め、会計してるときにチョコを渡そうとしたんだ」
「会計してるときか、なるほど」
会計しているとき。それは確か、僕がトイレに籠っていたときだ。あのときは金髪の彼も僕を咎めるため、トイレの前までやって来ていた。その隙を狙ったということか。
「最初断られちゃったんだ。『チョコは苦手だから困ります』って。おかしいよね、君からの情報でチョコ好きなの知ってたのに」
 たこ焼きを食べている最中、僕は春日井さんにメッセージを送っていた。マナブくんはフルーツよりもチョコの方が好きだと。
「だから、押し付けるように強引に渡したんだ。すると、『君の気持ちは嬉しいけれど、僕は応えることは出来ません。チョコはありがとうございます』だってさ。凄く丁寧に断ってくれたよ。流石、私の好きになった人だ」
「うん、そうだね」
 そう言うと春日井さんはさらに鼻声を強くし、目をこすり始めた。
「まつ毛に、水滴が溜まってるんだよね」
「えっ」
「春日井さんはまつ毛が長いから、吐く息が結露してまつ毛に付着しているんだ。その結果、水滴が溜まって、目をこすってるんだ」
「……ぷっ、なにそれ。励ましてくれてるの?」
 笑ってくれた、というわけではないけれど、とりあえず春日井さんは鼻を啜るのを止めた。
「最初、一緒に来た綺麗な女の人、彼女さん?」
「うん、そうだよ。ケイコさんって言うんだ」
「そっかー、君も人が悪いね。彼女さんがいるって教えてくれたのはいいけど、あそこまで綺麗だなんて一言も教えてくれなかったじゃん」
「いや、それはだって聞かれなかったから」
「確かに私、聞かなかったけれどさ」
 全ては偶然だった。僕がここでアルバイトを始めたのも、マナブくんが仕事帰りによくこのコンビニに寄っていたことも、そして、春日井さんが密かにマナブくんに想いを抱いていたことも。
 僕とマナブくんが知り合いだと分かったその日に、春日井さんは僕に協力を求めてきた。どうしてもバレンタインにチョコを渡したい、想いを告げたいのだと。
 僕は春日井さんの希望にイエスと返事してしまった。マナブくんのこと、ケイコさんのこと、春日井さんのこと、色々踏まえ考えても正しい答えを導き出すことが出来ず、ただ僕の優柔不断さが彼女の熱意に押されてしまっただけなのだ。
「あんな綺麗な人がいるんだったら私なんて最初っから無理だったな。でも、ありがと。おかげでスッキリ失恋することが出来たよ。またね」
 そう言うと春日井さんは腰を上げ朝日が昇る前に帰っていった。
 気丈に振舞っているが春日井さんの傷はまだ癒えていないだろう(15)。当たり前だ、失恋したばかりなのだから。ケイコさんの隣にマナブくんが現れたとき、僕の傷が癒えるまで長い時間がかかった。春日井さんも同じくらい長い時間をかけて傷を癒すのだろうか。
 僕は、背が低く髪の短い猫のような吊りあがった目をしている、春日井さんの傷が早く癒えることを願った。


簡易解説
好きな人がバイト先に夜来ると分かっていたので、シフトの終わりである朝の四時まで起きておこうと思ったから。

丁寧な進行と精緻に富んだ描写方法が興味深い作品でした! [編集済] [良い質問]

終了!ご投稿された皆さん、改めてありがとうございます!
それでは会場を設置し次第、投票フェーズへ移りたいと思います!
翌日(2/26)の朝には設置できるかと思います。投票は3/5(日)まで、この後のフェーズもぜひご参加あれ〜!

あと、期限過ぎても投稿してくれてもいいんですよ???[編集済]
回答欄に収まらないと思うので、作品への感想は秘密の部屋 https://late-late.jp/secret に書かせていただきました。
ルームキー「はまべのうた」です。

結果発表まで、あと少し![編集済]

参加者一覧 13人(クリックすると質問が絞れます)

全員
靴下(4良:2)
たけの子(4良:1)
いんふぃ(4)
とろたく(記憶喪失)(4)
「マクガフィン」(4良:1)
ほずみ(8良:3正:4)
布袋ナイ(4良:1)
ベルン(4)
弥七(4良:1)
ちーちゃん☆彡(2良:2)
クラブ(2良:1)
白(2良:1)
フレンチトースト(2良:2)
結果はっぴょ〜!

今回の発表は少し趣向を変えて、全作品の紹介をしながら発表していきたいと思いま〜す!

え、最難関要素?みんな薄々気づいてるでしょ。

(というのは冗談で、全体の発表は投票所の方で行いたいと思います!)

ということで、順にエントリー!!









…じゃ、もう行くから!着いたらすぐに連絡するからさ、返事教えてよ。約束!


『頭隠してチョコ隠さず』(ちーちゃん☆彡さん)

始めに投稿してくださったのは、時差を利用した巧みな水平思考と恋の甘さたくさんを見せてくださったちーちゃん☆彡さん!
好き!




まだ起きてる? 起きてたらうちに来てケーキでも焼かない?



『ビターチョコよりも苦く』(ほずみさん)

続いて投稿してくださったのは、時間のコントロールと感情・行動の機微の描写力が光るほずみさん!
らぶ!




明日、ちゃんと言うから。その時に君の気持ちも聞かせてほしいな


『ミルクチョコよりも甘く』(ほずみさん)

またまた投稿してくださったのは、謎も物語も、前の作品だって飛び出して利用しちゃう甘い味を表現したほずみさん!
よすぎ!




やっぱり おとうさんには かないません。





『ちょこっとlate』(クラブさん)

さらに投稿してくださったのは、温かみの権化たる絵本のような作品体現が素晴らしいクラブさん!
最高!






自分の命の値段をよく見て考えたかね?






『ご利用は計画的にさせられるもの』(白さん)

続いて投稿してくださったのは、対象外ながら前後半の落差と独特な回答でみんなを感嘆させた白さん!
至高!







気丈に振舞っているが春日井さんの傷はまだ癒えていないだろう。






『マナブくんとケイコさん』(フレンチトーストさん)

最後に滑り込んでくださったのは、重厚な物語と巧妙な構造で多くを虜にしたフレンチトーストさん!
やばすぎ!






以上!名の方から作品!

そして投票も、10名の方から、それぞれいただきました!

皆さんのおかげあって、今回も無事に創りだすを開催することができました!感謝感激です!




それでは、最優秀作品、シェチュ王の発表となります。







白さんの作品を除き、皆さんの得票を玉入れ形式に見ていきましょう〜!結果は〜?





①❤️
②❤️
③❤️
④❤️
⑤❤️






①❤️❤️
②❤️❤️
③❤️❤️
④❤️❤️
⑤❤️❤️







①❤️❤️❤️
②❤️❤️
③❤️❤️❤️
④❤️❤️❤️
⑤❤️❤️❤️




















①❤️❤️❤️💛
②❤️❤️
③❤️❤️❤️💛
④❤️❤️❤️
⑤❤️❤️❤️💛







じゃじゃーん!!こちらのようになりました!!!!!


また同率じゃん!!!


今回もどの作品もとても素晴らしく、私個人としても甲乙つけ難かったイメージですが、そんな印象が如実に現れる拮抗具合となりました!


ということで、最優秀作品に輝いたのは…。


①『頭隠してチョコ隠さず』(ちーちゃん☆彡さん)
③『ミルクチョコよりも甘く』(ほずみさん)
⑤『マナブくんとケイコさん』(フレンチトーストさん)




こちらの三作品です!おめでとうございます🎉!!



三つのうち一番投稿が早かったちーちゃん☆彡さんには、コインが贈呈されます〜!

☔️(°▽°)ノ======💰   <🌹






そしてそして、シェチュ王に輝いたのは…。

















🏆ほずみさん🏆



でしたーーーーーー!!!!!!


おめでとうございます!主催からの引くほどの感謝と王冠をお受け取りください!!!


☔️(°▽°)ノ======👑   <('▽'*|🍊




以上を持ちまして、48創りだすの終了といたします!サブ票・チョコレー…じゃなくて最難関要素などについては、投票所をご覧ください!


ありがとうございました〜〜!
23年02月09日 21:00 [さなめ。] [ラテアート]
相談チャットです。この問題に関する事を書き込みましょう。

運営お疲れさまでした。ほずみさん、おめでとうございます。[23年03月07日 20:48]
1
布袋ナイ[★★真・毎月出題]
さなめ。さん主催ありがとうございました!ほずみさんシェチュ王おめでとうございます![23年03月07日 10:21]
1
ちーちゃん☆彡
さなめ。さん盛り上げてくれてありがとうございました!参加してよかったです🥰 ほずみさん、シェチュ王おめでとうございます👑 2作品作ってあのクオリティ…すごい👏🏻 そして私の作品に投票してくださった方ありがとうございます🙇🏻‍♀️ トップバッターの特権、謹んでコインを受け取らせていただきます🪙[23年03月07日 06:11]
2
クラブ
さなめ。さん主催お疲れさまでした!ほずみさんシェチュ王おめでとうございます~![23年03月07日 00:24]
2
ほずみ[ますか?]
さなめ。さん主催ありがとうございました!そして拙作に投票してくださった皆様ありがとうございます!次回創りだすの主催頑張ります![23年03月06日 23:39]
4
さなめ。[ラテアート]
発表が遅れてしまいすみません! 皆さん、48創りだすにご参加いただき、誠にありがとうございました!! 最優秀作品を手にした御三方、シェチュ王となったほずみさん、おめでとうございます🎉!!!![23年03月06日 22:39]
2
さなめ。[ラテアート]
クラブさん、白さん、フレンチトーストさん、ご投稿ありがとうございます!!!私の独断でフレンチトーストさんまでを投票対象といたします。[23年02月26日 00:06]
1
フレンチトースト
ギリギリ間に合わなかったwww[23年02月26日 00:01]
1

投稿しました。スープ飲みのサガ……故に、いつも通りの内容![編集済] [23年02月25日 22:14]
1
クラブ
投稿しました。よろしくお願いします![23年02月25日 20:25]
1
さなめ。[ラテアート]
ほずみさんありがとうございます〜!二つも投稿していただけました!ひょえ〜!![23年02月25日 03:24]
1
ほずみ[ますか?]
投稿しました~![23年02月25日 01:32]
1
さなめ。[ラテアート]
ちーちゃん☆彡さん、一番乗りありがとうございます〜![23年02月11日 05:23]
ちーちゃん☆彡
参加してみます☆彡[23年02月11日 04:36]
1
さなめ。[ラテアート]
今回は全て乱数で決定いたしました!今回も創りだすをよろしくお願いいたします!!![23年02月10日 00:41]
3
弥七
参加します!^ ^[編集済] [23年02月09日 23:51]
1
ベルン
参加します![23年02月09日 22:47]
1
布袋ナイ[★★真・毎月出題]
参加させていただきます![23年02月09日 21:23]
1
ほずみ[ますか?]
参加します![23年02月09日 21:16]
1
「マクガフィン」[☆☆編集長]
とりあえず要素参加します〜![23年02月09日 21:12]
1
とろたく(記憶喪失)
要素だけ投げますこんばんは[23年02月09日 21:09]
1
いんふぃ[1歳]
参加します![23年02月09日 21:01]
1
さなめ。[ラテアート]
みなさん歓迎します!!!!!!![23年02月09日 21:01]
2
たけの子
参加させていただきます![23年02月09日 21:01]
1
靴下[バッジメイカー]
参加します![23年02月09日 21:00]
1
バレンタイン当日。

意中の子にチョコを渡せた女の子が、今日は深夜の4時まで起きていようと固く決意したのはなぜ?

①値段をみて考える(2)
②しっかり閉めていたはずだった(3)
③約束は守る(5)
④傷はまだ癒えない(15)
⑤こする(21)
⑥いたい(27)
⑦チョコレー党(34)

・投稿フェーズ
 要素が決定してから 2/25(土) 23:59まで
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ブックマーク(ブクマ)って?
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。

Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。

ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!
ブクマ:3