ｍｙなめいｓ

簡易解説
とある大災害が起きた直後、その地域において戸籍を管理する役所も被害が甚大だったことから悪意のあるなりすましや詐欺が横行し、もちろんそれ以外の被害も別格であり、地域は崩壊していた。
そんな中被災地のために何かをしたいと考えた人見知りな青年のエスノ。自分の名前を出すのもなかなかに勇気がいるのでヒーローの名前を借りて被災地に支援を行い、『被災地を助ける謎のヒーロー』として皆から称賛を受けたのである。

簡易じゃない解説
『〇〇市周辺で巨大な災害があり多くの犠牲者、けが人が出ました。さらに避難生活者も多く…』

この日起きた大災害はある街全体を巻き込み、多くの人間の未来も暗くした。
ただそれはぶっちゃけてしまえばその街からは遠く離れた場所にいるエスノには他人事…そうであると思っていた。

そもそもが人見知りで誰かのために何かをするなんてことを考えられないエスノには…

『さあ〇〇市には今日も多くのボランティアが…』
『いやあ、これだけの方が困ってらして、見て見ぬふりはできませんよ！』
『これくらいのことしか出来んけど、あの方々が1日も早く元の暮らしに戻れればええなって…』

いや…撤回しよう。エスノも何かしたいとは思ってはいる。彼らを可哀想と思う気持ちと、被災地の復興を願う気持ちはちゃんと持っている。
だが…それでエスノが自分を出すくらいなら…自分にふたをして…見て見ぬふりをした方が…

『助け合っていくという気持ちが…やはり大事なんですよね。』
『そして…』

葛藤から逃れるべくエスノはテレビのチャンネルを変えた。
いいか、自分は被災地の人間じゃない、これは完全な他人事なんだ、と自分に言い聞かせて。

『次回！独身戦士アルカディオン！！！またまた女性に逃げられたアルカディオン！次なる出会いを求めてやってきた静岡の地で…』

変えた先のチャンネルではわずか3回で打ち切りになったヒーロー番組、『独身戦士アルカディオン』がやっていた。

その時、エスノに電流走る。

そうか、エスノとしてじゃなく…

独身戦士アルカディオンとしてなら…

そしてひらめいたエスノは近所のデパートで救援用の物資を集め、さらさらっと手紙を書き、テレビでやっていた避難所向けにそれを送った。


『では次のニュースです。謎のヒーローから届いた物資が、今話題になっています。
〇〇市第3避難所当てに届けられたその物資に、差出人がかつて放送されていたヒーロー番組、独身戦士アルカディオンの変身者である菊沢　池蔵と書かれてありさらに物資に書かれた手紙には俺も不毛な嫁探しに全力を注ぐ、だから君たちも頑張れ！独身戦士アルカディオンよりと書かれており…』