1円に泣く者は1円に笑う

亀夫「はい！えー、アリスちゃん。6歳ですね」

亀夫「いやぁ…何ぶん誘拐事件は初めてなもので…ただ以前に研修で聞くところによると、こういう場合は愉快犯が多いそうですが…」

アリス母「ピンクと白のボーダーにベージュのスカートです…持ち物は鞄で、お弁当と水筒を…」

アリス母「いえ、特には…保育園では毎日お弁当です」

アリス母「いえ…何も変わったことは…」

亀夫「う～ん、共通点らしい共通点は…でも、誘拐された3人は仲が良かったと聞きます」 [良い質問]

亀夫「3人とも友達のところに遊びに行く、と言ったきり帰ってこなかった、ということです。そろそろ1人でお出かけするのもいいかもしれないとのことで許したとのことですが…」 [良い質問]

亀夫「え～と、正確に言えば飛鶴公園に行く、と言って出掛けたみたいです。ただ、遊具の類がないし手狭でちょっと子供が遊んで楽しいような公園ではないと思うんですが…」 [良い質問]

亀夫「この辺りでは一番大きな保育園の園長さんということで有名ですね。親御さんたちからの評判もとてもいいようです」 [良い質問]

亀夫「オカルトですかぁ…そんな噂が流れるのに憧れるのは私だけじゃないと…いやなんでも！」

亀夫「どうでしょう…調べてみますか？」 [良い質問]

亀夫「ええ、犯人に聞き返したところ『そうだ。1円だ』と」

亀夫「海山駅、海山市立公園、羅手大学海山キャンパス、ミスターロナウド大海店です」

亀夫「はい、どなたから当たりましょう？」

亀夫「駅や公園、学校、店舗など、様々な場所に行くよう指示して、辿り着いたら次の場所を指示する、という感じです」

亀夫「大海保育園のハルくんに事情聴取してみます。ハルくん、園長先生ってどんな人かな？」ハル「……」亀夫「う～ん、難しい顔してますね…優しいかな？」ハル「……嫌い！」亀夫「ああ、行っちゃった…」 [良い質問]

亀夫「真夜中になって、居酒屋の『紅 海山駅前店』の中で突然『取引は中止だ』と電話がかかってきました」

亀夫「まず子供たちの親御さんにもとに『子供は預かった。返してもらえるかは園長に訊け』と電話がかかってきて、その直後大海保育園に『お宅の園児を預かった。返してほしければ言うことを聞け』と。しばらくして保育園の方に『要求は1円だ。園長自らが持って来い』と電話が来ました」

亀夫「はい、手配しておきます」 [良い質問]

亀夫「アリスちゃん以外は1人がルカちゃん女の子6歳、もう1人がレオンくん男の子4歳です」

1＋

園長先生「いえ、特には…」

園長先生「全くありません…」

1＋

園長先生「いい子たちですよ。普段はレオンくんがアリスちゃんとルカちゃんにお姉ちゃんお姉ちゃんってついて回るような感じですかね。まあ、時々悪戯が過ぎることもありますけど、ちゃんと聞き分けのある子です」

園長先生「いえ、特には…遠足でも行くようなこともないですね、あまり子供が喜ぶような公園ではないですし」

園長先生「前は小学校の教頭をしておりました」

園長先生「いきなり何ですか！こっちは子供を誘拐されてるというのに！帰ってくれ！」亀夫「うわっ…今は引き下がった方がよさそうです…」 [編集済]

園長先生「まあかなり上の立場の男ですし子供からは怖いと思われることもあるかもしれないですがね、知りませんよ」 [良い質問]

亀夫「う～ん、親御さんからの評判はいいんですけど、園児の方は園長先生の話をしようとすると急に怒ったり、逃げちゃったりするみたいですね…」 [良い質問]

亀夫「というわけでアリスちゃんの家に行ってみました」アリス母「アリスはいつも園長先生が怖いって言うんです。すごく怒ってたり、いじめたりするって…あまりに行くのを嫌がるので休ませることもありましたけど、私も昼間は働いていることもあるので毎日は…」 [良い質問]

アリス母「保育園からいただいた鞄を持っています」

亀夫「不審な点というのかどうかですが、中年の女性が子供3人を車に乗せたのを見た、という証言が取れました。子供たちが『おばちゃ～ん』と言ってたので、知り合いかなと思ったそうですが…」 [編集済] [良い質問]

亀夫「園長先生は独身だそうです」

亀夫「親御さんたちに訊いてみましたが、心当たりはないそうです」 [良い質問]

亀夫「出入りの給食業者の女性だそうです！」 [良い質問]

保育園の先生「お弁当を持ってこられない子向けの給食業者のアズミさんですね」 [良い質問]

亀夫「業者に訊いてみたのですが、前から有休を取得していて、連絡はつかないそうです…」

亀夫「訪問してみましたが留守みたいですね…」

亀夫「訊いてみたんですが心当たりはないみたいで…休暇も全然取らない人みたいですね」

刑事部長「やっほーみんな大好き刑事部長ですよ。ところで、君、アリスくんの母親にしか話を聞いていないみたいだが、残り5人は、どうしたんだい？それから、事件の噂が広まってるらしいじゃないか。調べてみたくはなったりしなかったか？っと。あ、注文してたラーメンが来てしまった！また今度ね♪」

亀夫「えーっと、SNSや掲示板を調べてみますか…『1円とかwww』『愉快犯だろ』『外道男特定！』…う～ん、よくある噂ですが…ん？『大海保育園のガキってマジ？あそこしょっちゅうヤバい泣き声聞こえてうっせえんだよな。金持ちのガキ多いし教育なってねえんだろうな』…う～ん、口ぶりはともかく内容はひっかかりますね…」 [良い質問]

亀夫「というわけでルカちゃんの家に来ました。ご両親とも帰宅されているそうです」 [編集済]

ルカ父「どうと言われましても…特に変わった様子は…」

ルカ母「飛鶴公園に行くと…」

ルカ父「そうですね、園長先生のことはあまり好きではない様子でした。園長先生は『おじさん相手にはそんなものですよ』と言ってましたが…」 [良い質問]

亀夫「特に組というのはなかったみたいですね」

亀夫「今すぐ保育園に戻った方がいいですか？それともルカさんのご両親への聴取を？」

ルカ母「アズミさん…？いえ、特に心当たりは…」 [良い質問]

亀夫「え～、レオン君の家に来ました。それで誘拐当日の行き先は…？」レオン父「飛鶴公園に行くと…」

亀夫「園長先生からですね。最初に『園長に訊け』と言ってたからそうしたとのことです」

レオン母「そうですね、よく怒ってて怖い、と訴えるのをよく聞いています」 [良い質問]

亀夫「分かりました、手配しておきます」

亀夫「ええ。いつ犯人から新たな電話がかかって来るか分かりませんから、常に警察官がついています」

亀夫「もう園は閉まってしまっていますから、難しそうです」

亀夫「園長先生のところに来ました」園長先生「そりゃあ子供ですから、多少泣き声で迷惑をかけることもあるでしょう。でもおっしゃるように教育がなっていないということはありません。むしろウチの保育園の子はきちっとしてると評判です」 [良い質問]

園長先生「甘やかされているとは思っておりません。親御さんも必死で子育てしています。それと泣くのとは話が別でしょう」

保育園の先生「そうですねえ、少し厳格なところもありますが、いい先生だと思います」 [良い質問]

亀夫「分かりました！少々お待ちください！」 [良い質問]

亀夫「飛鶴公園に来ました。うーん、特にこれと言ったものはないですね…」

園児「う～ん、どうだったかなあ…」亀夫「ゼェゼェ…あっちこっち走り回って…少し休みません…？」

亀夫「おっと、先ほど依頼していたSNSや掲示板の解析が進んだようで…う～ん？これはどういうことでしょう？専門の部署で調べて頂いたのですが、いくつかのアカウント、わざわざ海外のサーバーを経由して投稿しているみたいです」 [良い質問]

亀夫「ええ。主に大海保育園に対するあまりよくない噂を投稿している人に目立ちました」 [良い質問]

亀夫「最近チーズ牛丼がネットスラングになっていますね…僕は関係なく好きですが…っと、現在の所感ですね…」

亀夫「そうですね。調べてみる価値はあると思います。連絡を取っておきましょうか？」

亀夫「それでは、手配しておきますね」

亀夫「親御さんたちからの電話の履歴がありますね…特にこれと言った仕掛けはありません」

亀夫「う～ん、発信元を誤魔化しているみたいなので辿るのは難しそうですね」 [良い質問]

亀夫「先生方はやってらっしゃらないようです」

亀夫「ここも特には…あれ…この本…確か著者が体罰肯定で有名な人で、今子供の死亡事故で裁判中だったような…」 [良い質問]

亀夫「えっ！？か、帰っちゃうんですか！？」

亀夫「当時のネット記事がありました。え～、『太陽小学校のクラブ活動にて、生徒が教師に頭を打ち付けられ死亡するという事件が発生。教師は「正当なしつけだった」と供述しており』…うわぁ…」

亀夫「う～ん、この事件があった場所とここや園長の前任校はかなり距離がありますし、関係はなさそうですね」

亀夫「市内の公衆電話だとかプリペイド携帯だということは分かるのですが、それ以上は難しそうです…」

園長先生「だから心当たりはありませんよ！」

亀夫「食品会社で勤務した後、10年前に大海幼稚園に給食を出している仕出し弁当業者に転職し、以来配達業務…うーん不審点はありませんね」

亀夫「いや訊いてはみたんですがあまりよく知らないそうなんですよね。まあ出入り業者のことだから無理もないですが…」

亀夫「人当たりがよくて子供には大変好かれていたそうですよ。あと、曲がったことが嫌いだそうです」 [良い質問]

亀夫「あまり遊んだりはしないみたいですが…でも、子供には好かれていたみたいです」 [良い質問]

亀夫「ちょっと遠いんであまり遊びに行くことはないみたいですね」

亀夫「閑静な住宅街です」

亀夫「レオンくんのお母さんですかね。僅差ではありますが」

亀夫「最初に海山駅前に行かされた時にプリペイド携帯があって、その後はそこに電話が来ました」 [良い質問]

亀夫「分かりました。前行ったとき (50) と違うことを聞きたいと思いますが、どうしましょう？」

亀夫「調べてみましたが特に怪しいところは…」

亀夫「調査しましたがいないようです」

亀夫「メーカーが分かりました。この街の携帯ショップで売られていたようです」 [良い質問]

亀夫「特に設定されてはいないですね」

1＋

亀夫「そんなにいいとは言えません。街中なので」

亀夫「かけ直してみましたがダメでした」

亀夫「う～ん、ずっとアリスちゃんとレオンくんと遊んでいるそうですね」

亀夫「アリスちゃんとルカちゃんと遊んでいるみたいです。友達関係は厳しそうかと」

刑事部長「今カードゲームがちょうどいいところだったのになぁ。さて、ネット上の情報が偽装されているらしいが、偽装できるのは誰だい？子供を3日も何の手がかりもなく隠しておけるのは誰だい？プリペイド携帯を大量に用意できるのは誰だい？今まで会った人の中にそれをできそうな人がいないか調べてみなさい。って、うわーやられる！また後でね！」 [編集済] [良い質問]

亀夫「誘拐事件の1週間ほど前ですが…う～ん？偽名で売られているみたいですね」

亀夫「映っていません」

亀夫「特に不審なものは見つかりませんでした」

亀夫「う～ん、接点はなさそうですねえ。ルカちゃんのお母さんは旅行会社のプランナーみたいですし、給食業者と接点があるとは…」 [良い質問]

亀夫「えーと、アリスちゃんの家はお父さんがIT企業のサーバーエンジニアでお母さんがフリーランスのプログラマ、レオンくんはお父さんが大手携帯電話会社の営業ですね」 [良い質問]

亀夫「今は在宅のようです」

レオン父「…そうですか」 [良い質問]

アリス父「…答えはもう少しお待ちください」 [良い質問]

亀夫「う～ん、ルカちゃんのお母さんの会社には来ていないみたいですね…ただ、直接宿の方に予約した可能性もありますので、調べてみる価値はあるかと」 [編集済] [良い質問]

亀夫「本当ですか！？う～ん…だとしたら彼らの目的は一体何なんでしょう…？」

亀夫「分かりました。しばらくお待ちください」

亀夫「いや～それがアズミさんの実家は遠いですし確かご両親が亡くなったということで取り壊されたそうです…」

亀夫「う～ん、特にないみたいですね」

レオン母「…そうですか」ルカ父「…分かりました」

アリス父「亀夫さん、今日の夕方は警察に居て頂いてもいいですか？」亀夫「…？」 [良い質問]

亀夫「ええ、1本だけです」

亀夫「もうそろそろ出なければいけない時間です。行きましょう」

亀夫「いや、皆さんがおっしゃるなら3家族の狂言なのでしょう…でもどのような意図で？」 [良い質問]

亀夫「う～ん…アズミさんの1ヶ月の様子をもう一度給食業者に問い合わせてみますね」

アリス父「要求？もう知っているんじゃなかったのか？それを今ここで叶えろよ」 [編集済]

レオン父「さあね。僕らが言っても誰も信じないでしょう。何しろ誘拐犯の言葉ですからねえ！」 [良い質問]

園長先生「それどころじゃないだろう！助けてくれ！」亀夫「もうそんなこと関係ないみたいです…」

アリス父「要求を叶えたら解放する」亀夫「ダメです、とにかく本当の要求が何なのか、それを叶えないと…」

亀夫「いえ、いないようです」

園長「『ある』と言えば解放してくれるのか！」レオン父「脅されて『ある』と言ってもねえ、強迫による自白は無効だそうですよ。ああ刑事さんの方がご存じでしょうが」亀夫「これはあると言ってるようなものですが…う～ん、これでもダメですね」

亀夫「すいません！持ってきてないです！」

ハル「…」亀夫「…何か言いたいことがあるみたいですね…どう？言える？」ハル「…」亀夫「大丈夫。私たちがついてます」ハル「…僕、園長先生にいじめられました！」 [正解][良い質問]