「移りゆく想い」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
中学の同級生だったトモコとケンジが付き合い始めて、4年の月日が経とうとしていた。
ある日、ケンジが部活帰りにトモコと長話をしていると、ふと周りを見渡したトモコは家々の明かりがつき始めているのに気付いた。
「今日はそろそろ終わりにしない?」そう促すトモコにケンジは「まだ日が暮れたばかりだし時間あるだろ?俺はもう少しトモコと話したいな〜」と返した。
トモコはその言葉に酷く失望し、ケンジは以前ほど自分を愛していないのだと悟った。なぜだろう?
とかげさんにSPをお願いしました。SP部屋のルームキーは『灯と影』になります
解説を見る
夜明け前、すやすやと眠るトモコのケータイが突然鳴った。
眠い目を擦り、確認すると恋人のケンジからだった。
(こんな時間になんだろう…)
不審に思いながらも電話に出ると、こちらが用件を聞くより早く愚痴のオンパレードが始まった。
最近のケンジの話は、9割以上が学校や親の愚痴で占められていた。
いい加減うんざりしていたトモコだったが、優しい彼女はいつも聞き役に徹していた。
そして、電話を始めてからおよそ1時間が経った頃、いつの間にか街の家々には明かりが灯り、人影が動き始めているのに気付いたトモコは「今日はそろそろ終わりにしない?」とケンジに促したが、彼は「まだ日が暮れたばかりだし時間あるだろ?俺はもう少しトモコと話したいな〜」と返してきた。
それを聞いたトモコは怒りを通り越して唖然としていた。
トモコが海外留学中のため、二人は遠く離れた遠距離恋愛をしており、時差もかなりあるのだが、ケンジはそんな事をすっかり忘れてこんな時間に電話をかけてきたのだ。
(ああ、あなたはきっと愚痴の捌け口が欲しいだけで、もう私のことなんて…)
一つの恋の終わりを悟った彼女を包み込む朝日は、憎いほど眩しく輝いていた。
トリック:6票物語:2票納得:1票良質:6票
全体評価で良質部門
異邦人[◇おぶざまんす!◇]>>
謎が解けた時に、二人の言葉の『温度』が直に伝わってくるのを感じました。 トリックを見破るだけでは終わらない、『ウミガメのスープ』の醍醐味を感じられる良作だと思います。