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カメオは透明人間である。
透明人間とはすなわち、誰からも姿が見えない人間のことであり、誰にも見つけられないのである!
なに? 服を着たらわかるだろう? 服だって透明になっちゃうのだ! 持った物や触れた物も次第に透明になっちゃうのだ! ほうら見つけられない!
物音を立てたらどうだ? ぶつかったらどうだ? じゃあ君、どこかから物音が聞こえて「透明人間だ!」と思うかい? 空気にぶつかって「透明人間だ!」と思うかい? 何か怖いぞとは思うけど、透明人間だとは思わないだろう!
透明人間は誰にも見つけられないのである!

しかし多くの人がカメオを見つけることができるといいます。
どうしてでしょうか?
[フィンディル]

【ウミガメ】【闇スープ】19年12月12日 22:05

14日(土)の18:59に締切ります。ヒント複数追加、一発正解も可能です!

解説を見る
自分がここに存在していることを、カメオが周囲に懸命にアピールしているから。

正解条件
・カメオに「見つけられたい」という意思があること。手段は重要ではない。

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カメオは生まれつき透明人間だった。
分娩室は困惑と悲鳴に包まれた。

両親は普通の人間。
「自分達の子なのだから、普通に育ててみせる!」
奇異の視線を向けられるのを嫌った両親は、病院の制止をきかず、逃げるように退院した。このことは表沙汰にはならなかった。
そんなカメオの子育ては、カメオが二歳のときに育児放棄という形で終わった。両親は酷い育児ノイローゼになっていた。

外に放り出され、カメオは泣いた。家の扉は開かなかった。
辺りを泣きながら歩いた。助けを求めた。しかし誰も助けてはくれなかった。どこかで近所の子供が泣いているんだろう。そこを歩く、カメオの存在に気付いてもらえなかった。泣き疲れたとき、誰かの脚がカメオの頭にぶつかった。その誰かは驚いて逃げ去った。カメオはまた泣いた。
三日後の夜、保護された。夜だったから泣き声を頼りに探した、透明人間だとは想像もしなかった。そう言われた。二歳のカメオは奇跡的に命拾いをした。

カメオは施設で育った。
その頃からカメオには複数の癖がついた。
常に棒を持ったり離したりして、棒を明滅させるようになった。
「僕は透明人間です。今廊下の左端を歩いています。注意してください」
歩くときには常に上記のようなことを大声で言うようになった。
カメオは、自分の存在を周囲に伝えながらでないと社会生活を送ることができなかった。

カメオは透明人間として、雑誌やテレビに取り上げられ有名になった。「透明人間、自分の存在を伝え続ける少年」それは別の苦しみをカメオに与えた。
「透明人間っていっても見つけられるでしょ。服着たらいいじゃん、あ、物音立てたりぶつかってみたらどうよ?」
「透明人間? 最高じゃん。自分もなりたいわ。透明人間の苦しみとか、何それって感じ」
「外に出なきゃいいじゃん。家の中で一人でいれば関係ないんだし」
心ない言葉が、カメオに沢山浴びせられた。その都度、カメオは強く反論した。
自分の苦しみを笑われたように感じた。自分の苦しみは理解されないと感じた。軽率に人生を制限されたように感じた。

そしてカメオは大人になった。障害者という扱いになった。「先天性非視認障害」という名を与えられた。
原因はわかっていない。わかっていないということは、今後も「先天性非視認障害」の子が生まれる可能性があるということだ。いや、もしかしたら気付いていないだけで、すぐそこにいるのかもしれない。
カメオは講演の壇上に向かう。赤い棒が明滅している。
「僕は透明人間です。今壇上に上がっています。注意してください」
自分の障害を多くの人に伝えるため。自分の障害への理解を広めるため。
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