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カメコは歌が上手い。
しかしあるときカメコは、自分の娘に「ママ、おうたがへたー」と言われてしまった。

何故でしょうか?
[フィンディル]

【ウミガメ】19年11月19日 22:06
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カメコが子供の頃、音痴の親から聞かされていた子守唄が、大人になっても耳に残ってしまっていたから。

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カメコは可愛い一人娘を、夫と二人で協力して育てていました。
いつも娘を寝かしつけるのは夫の役割ですが、今日は別のことで夫の手が離せないようです。
そのためカメコが寝かしつけることにしました。

「ママー、おうたをうたって」
「おうたって?」
「えっとねー、こもりうた。パパがいつも歌ってくれるの」
「へー、そうなんだ」

夫が寝かしつけるとき、カメコは別の部屋で作業をしているため、そのことは知りませんでした。

「子守唄って、ねんねーん、で始まるおうた?」
「そうそれ!」
「ふふ。わかった。じゃあ歌うね」
「うん」
「ねんねーん♪ ころーりーよー♪」
「ママ、おうたがへたー」
「えっ?」

このときカメコは、自分の子供の頃を思い出しました。
子供の頃、カメコを寝かしつけるのは父親の役目でした。そして父親はいつも子守唄を歌ってくれました。
父親の子守唄はカメコにとって心地よく、毎晩幸せな気持ちで眠りにつくことができました。

しかしカメコがある程度大きくなってから知るのですが、父親は酷い音痴だったのです。
当然、父親が歌う子守唄も酷い音痴。ですが幼いカメコにはその音程のズレが心地よかったのかもしれません。
そしてこのズレた子守唄が、無意識の内にカメコの耳に強く残っていたのでしょう。
例えるなら、学生時代の合唱コンクールでアルトパートを担当した歌を、大人になってもアルトパートで歌ってしまう感覚でしょうか。
滅多に歌う機会のない江戸子守唄。カメコは今の今までこの事実に気付いていませんでした。

カメコは歌が上手です。それはカメコの母親からの遺伝だろうと言われていました。カメコの母親も歌が上手だからです。
カメコの父親はあるときこう言いました。
「俺の音痴を全く受け継がなくてよかったな」と。

カメコは笑ってしまいました。
子守唄だけは、お父さんの音痴を受け継いでしまったね。

「ママー?」

娘がカメコの顔を覗いています。
娘は夫の歌う、音程のきちんとした子守唄に親しんでいます。

「ごめんごめん。じゃあご本を読んであげる」
「やったー!」

カメコが父親から受け継いだ音痴の子守唄は、娘に継がれることはないでしょう。
それがどうしたと思うと同時に、カメコの胸裏に少しだけ寂しさが通り過ぎました。
物語:4票納得:4票
全体評価で良質部門
トリック部門
物語部門
アメミヤ[まねきねこ]>>コメントなし
ぺてー>>ウミガメとしても物語としても楽しめる、心温まる問題です
とかげ>>歌はうまいはずなのに、娘から「おうたがへた」と言われてしまう理由とは? 要約解説だけで背後に広がるストーリーを想像させられる、温かなアイディア。欲張らずにシンプルにまとめあげているのも良い。
霜ばしら>>コメントなし
納得部門
マトリ>>コメントなし
みちじゃ[10回良質問]>>コメントなし
しげぽん[50問正解]>>コメントなし