「決死の救出劇」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
僕は友人と二人で買い物へ出掛けた。
買い物を終えて二人で歩いていると、急に友人が叫んだ。
「大変だ!家が燃えてる!」
僕はまさかと思ったが、見てみると本当に友人の家が燃えていた。
「妹を助けないと!自分の部屋にいるんだ!」
友人はそう言うと、買い物袋を放りだしてドアの方へ駆け出した。
僕はパニックになっている友人を必死におさえた。そしてその場にいるように伝えると、急いで彼の妹の部屋へと向かった。
僕は部屋で気を失っていた妹を抱えて燃え盛る家から脱出することができた。
幸いにも彼女はすぐに意識を取り戻し、大した怪我をせずに済んだ。
しかし友人は少しも嬉しそうな顔をしなかった。
一体なぜ?
ちょっと遅くなりましたが、0時までpcの前にいます。
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-要点-
・火事を見つけた時、僕と友人は家の中にいた
・僕は部屋を出ようとする友人を襲い、燃える家の中に友人を置き去りにして妹と逃げた
-解説-
僕は友人の妹に想いを寄せていた。
今日は彼女の誕生日。僕と友人と彼女の3人でバースデーパーティをする予定だった。
そして、パーティの後で僕は彼女に告白するつもりだった。
友人との買い出しの途中、彼女に想いを伝える前に僕は彼にそのことを打ち明けた。
友人はきっと僕を応援してくれるだろうと思ったのに、彼は決して許さないと言った。
彼に言わせれば僕は最愛の妹に近づく悪い虫の一人だったという訳だ。
友人の家に帰ってきてからも彼は僕の話を聞こうとせず、僕は彼の後ろを黙って歩いていた。
ダイニングを抜けてキッチンに差し掛かったところで、前にいた友人が叫んだ。
「大変だ!家が燃えてる!」
僕はまさかと思ったが、見るとキッチンの壁が天井までごうごうと燃えていた。
恐らく出火の原因は、出掛ける前に彼が窓際に置いて行ったペットボトルが外の光を集めたせいだ。
この分では今から消火するのはとても無理だろう。
……チャンスかもしれない。
これは事故だ。そして彼がこの事故で死ねば、誰も僕を邪魔する者はいない。
「妹を助けないと!自分の部屋にいるんだ!」
友人は買い物袋を放り、半ばパニックでダイニングのドアへ駆け出した。
彼を行かせるわけにはいかない。僕は咄嗟に手に持ったワイン瓶で彼を殴った。
友人は不意を突かれて床に倒れこんだ。しかしそれでも尚ドアへ向かおうとする。
止めを刺さなくては。僕はソファにあったクッションで彼の顔を必死に押さえた。
「お前はそこにいろ。」
動かなくなった彼に僕はそう言い残し、急いで友人の妹の自室へと向かった。
部屋で気を失っていた彼女を抱えて、僕は二人で家から脱出した。
外へ出た時には火は家中に回っており、救急車を呼んで消火作業が済んだ頃には家はほぼ全焼していた。
彼女は脱出後すぐに意識を取り戻し、僕も彼女も大した怪我は無かった。
――そして消し炭の中で発見された友人の死体は焼けただれ、僅かに読み取れたその表情は驚きと苦痛に歪んでいた。
兄の死に打ちのめされている彼女を、僕はこれから一生懸命支えていくつもりだ。
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