「死体とアンビバレンツ」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
見知らぬ男が背中から真っ赤な血を流して死んでいるのを見つけた時、
私が最も強く感じていたのは、恐怖でも悲しみでもなく、安堵だった。
一体なぜ?
解説を見る
私は、終わった世界を一人で旅していた。ほかの生存者を捜し求めての旅だったが、人どころか動くものの姿さえ見つからない日々に倦み、「もう私しか生き残りはいないのではないか」という不安に苛まれるようになる。
そんなある日、目に飛び込んできたのは鮮やかな赤。反射的に駆け寄った私は、血だまりの中に死体を見つけた。
血は、死体の背中に開いた穴から出ており、まだ固まっても変色してもいなかった。このことから分かるのは、この人物は“誰か”に殺されたのであり、なおかつ、その“誰か”が殺人を犯してからあまり時間が経っていないということ。
“誰か”……すなわち他の生き残りがまだ存在していて、しかも近くにいるかもしれない。独りぼっちではない可能性を見出した私は安堵したのだった。