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(※末尾に要約あります)
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俺は海難事故で遭難し無人島に流れ着いた。
共に生き残った仲間は次々衰弱していった。
命を落とした者もいた。
ある時、仲間のひとりがスープを作った。
ウミガメのスープだと言う。
忘れる事のできない独特の食感だった。
気づけば、残ったのは俺ひとりだった。
救出されるまで、三年の月日を要した。
*****
奇跡的に取り戻した日常。
それでも俺は、頭からあのスープの食感が離れない。
恐ろしい想像をしてしまう。
以前、馴染みだったレストランでもウミガメのスープはメニューにあった。
しかし、それは紛い物。牛の頭を使ったもどきだ。
ウミガメは保護されているので、普通の店では本物を出せない。
それでも探した。探し回った。
あの三年を耐えたのだ。絶対に見つけてやる。もはや執念だった。
そしてついに、裏メニューとして本物を扱う店を見つけた。
*****
「おばだぜじばじだ……ックショーン!」
……ジュルリ、ポタリ、ボチャン。
「これは本当にウミガメのスープですか」
「ばび、ばぢばびばぐブビバベぼズーブべぶ」
店員が去った後、暫くスープを見つめる。
これがもし、あの時の食感と違っていたら。
もしそうなら、そういう事だったのだろう。
もしそうなら、……俺も仲間のところへ。
覚悟を決め、スプーンを手にしたその時。
遠くから派手なクシャミの連発が聞こえ、その思考を遮った。
『いや……そのまえにコレ。完全に鼻水入ってるよな。。。』
*****
結局、俺はスープを飲まずに店を出た。
仕方がない、出直すか。やっと見つけた店がこのザマだ。
笑えないな、と思いながら、気づけば笑っていた。
『お前は悩む必要ないんだよ。笑って生きていいんだ』
あの時の仲間たちがそう言ってくれた気がした。
そして、あの鼻水ジュルジュル店員にも、心の中で深く感謝した。
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-要約-
いわゆる『スープの男』に相当する立場の悠斗が、太郎の鼻水入りスープを飲む事をためらった事が契機となり、自殺ではなく生きる事を選んだ。
怪我の功名ではあるものの、悠斗にとっては大きな分岐点であり、契機をくれた太郎に深く感謝した。
-後記(私見)-
人間って、ちょっとしたことで呪縛から逃れたり、またはその逆もあったりで、結構こんなもんだと思います。
(という感覚で作りました、共感できなかったら申し訳ないです)
物語:2票
物語部門
日勉L(転生)>>
本家をアレンジした問題はこれまで数々ありましたが、『スープを飲まない』というエンディングは見た限り多分初めてです。