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※この集落は実在しません」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
かつて烏沢県にあった虻戸集落について、興味深い伝承がある。

戦後間もない冬の頃、一帯を囲む鱗岳という山で人食いの怪物が出た。

ある日は林で娘を襲い。
ある日は沢で子供を襲い。
ある日は自宅にいた一家を襲ってその肉を貪ったそうだ。

その姿は、40~50本ほどの足を持ち、全身には針のような毛が生えた、体躯は十数メートルになる恐ろしい怪物だったそうだ。

多くの被害が出たそうだが、集落の男衆が決死の思いで退治した。

不思議なのは、この伝承は決まって隣山やその周辺の村々において語られており、肝心の虻戸集落にはそのような伝承は存在しなかったということだ。

さて、上記のような伝承が産まれた経緯を、YESかNOで答えられる質問から導き出してほしい。
[らりぷす]

【ウミガメ】25年10月31日 20:47
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19■■年10月24日 作成


戦後間もない冬の頃。
虻戸集落一帯を囲む鱗岳という山で、人を食う怪物が現れた。
怪物は賢く狡猾で、巧妙に集落の人々を襲い続けた。
いつしか隣山や離れた村にも噂は広がった。
「鱗岳には人食いの怪物が出る」、と。

最初の犠牲から13日後、マタギを含めた村の男衆総出で退治を試み、怪物は仕留められた。

怪物の正体は羆だった。
冬眠に失敗した、いわゆる「穴持たず」だった。

羆は全長2.5メートルにもなる大型の個体だった。

村で話し合い、この羆の肉は集落の内外で売ることになった。

何せ「人食いの怪物」の肉である。その物珍しさから麓でもよく売れ、冬の虻戸に予期せぬ実入りをもたらした。

だが、うまい話があれば悪事を企むものが出てくる。
ある時、ただの熊肉を「人食いの怪物」の肉と偽って売る輩が現れた。酷いときは熊肉ですら無いものもあった。

集落の外では、元の羆では説明がつかない量の肉が出回った。
加えて味も質もまちまち。一部では偽物だと看破する人はいても、それを証明する手段もない。

そうこうしているうちに冬が明け、人食い熊の肉に関する騒動は落ちついた。
だが、あの肉はなんだったのか?という噂は絶えなかった。

偽物を食べたせいで、「そもそも熊の味じゃなかった」と主張する人もいる。

いつしか話に尾ひれがつき、「羆なんかじゃなく、虻戸には本当に人食いの怪物が現れた」のだと囁かれるようになった。
そして出回った肉の量からその姿も勝手に膨らんでいき、「虻戸集落の怪物」の伝承が出来上がった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

以上が「虻戸集落の怪物」に関する有力な説である。

今や、本当のことを知る人は誰もいない。
肉はみんな食べてしまったから、羆の存在を証明できるものは残ってないし、虻戸集落も50年ほど前に高齢化による過疎で失くなってしまった。

もしかしたら、本当に未確認の怪物だったのかもしれない。上記の話もあくまで当時の伝聞から生まれた有力な説というだけで、その真実を裏付けるものは何もないのだ。

なお2025年現在まで、鱗岳周辺で羆の生息は確認されていない。
物語:2票
全体評価で良質部門
トリック部門
物語部門
白いの>>40~50本の足、の正体が、偽って売られた沢山の熊の足の合計数だったっていう発想力
アカシアン>>人間が怪物を作ってしまうという、故事成語のようなおはなし!
納得部門