カメオはテニス部の期待の1年生だ。
己のテニスの才能に自信を持っており、インターハイ優勝という大きな夢も、自分なら不可能でないと信じていた。
しかしその障壁となる人物が1人。同じくテニス部1年生のウミオだ。カメオとウミオの実力は完全に互角で、戦績は9勝8敗でカメオが僅かに勝ち越しているだけだった。


ある合宿の日の夜、2人は目指す先について語り合った。普段滅多に話すことのない2人だったが、話は大きく盛り上がった。

「俺たちライバルだな」
「ああ」

互いにライバルの存在を認識した瞬間だった。

しかし、カメオは同時に「自分がライバルに勝てることはないだろう」と確信していた。一体どうしてだろうか。