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田中の戦意喪失 〜アレーフガルドゥン編〜」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
闇に支配された世界、アレーフガルドゥン。

全ての元凶である大魔王象馬を倒す為、旅に出かけた勇者田中。

そして長い長い旅の末、象馬の住む城までたどり着いた。

後は象馬を倒すだけ。世界平和は目前である。

しかし田中はここまできて象馬を倒すのが嫌になってしまった。

そしてなぜ嫌になってしまったのか、田中自身もわからないのだという。

田中から直接話を聞き、象馬を倒すのが嫌になった理由を見つけてください。


[ルール]
当問題は亀夫君問題です。
答えがYESNOの質問に限らず、自由に質問することができます。
ただし田中本人が知らない事は答えられません。


SPは魔子ちゃんです。多大なる感謝を。
[ダニー]

【亀夫問題】20年06月15日 22:02
解説を見る
「お前、3組のさしゃこのことが好きなんだろ?」

放課後、ランドセルの中に教科書を詰めている時に同じクラスの象印君が話しかけてきた。
とても体が大きくて、話す声も大きくて僕の苦手なやつだ。

「見たぜ、日曜日一緒に遊んでるとこ」
「べ、別にあれは遊んでた訳じゃ…」

「あのおとこ女が好きなのかー」
象印君の舎弟(手下みたいなものだって)で意地悪な馬之面君もそんなことを言ってきた。
「べ、別に好きとかじゃない、よ。い、家が近所なだけで…」

「あんなおとこ女が好きなお前はおんな男だな」
「おんな男、つまりオカマってことだー」
「だ、だから好きとかそういうんじゃないって!」
「じゃあ嫌いなのか?」
「・・・き、嫌いとか、そんな…」
「みんなー、こいつ3組のさしゃこと付き合ってるんだぜー」
「や、やめて、や、や、やめろ!」

僕は頭の中がなんだかよくわからなくなって、目の前の象印君を突き飛ばしてしまった。

「・・・痛ってぇ、何すんだお前」
「え?あ…あぁ…」

さっきまで笑っていた象印君の顔がいきなりすごく怖くなって僕は何も喋れなくなった。

「おんな男が触んじゃねえよ!」

今度は象印君がさっきの5倍くらいの力で僕を突き飛ばす。
僕は後ろの机にしこたま体をぶつけた。

「みんなー、こいつオカマだから話さない方がいいぜー」
「そうそう、触られたらオカマになるぜ」
「田中菌がつくから近づかないようにしろよ」

そうクラスの皆に言い残して象印君と馬之面君が教室を出ていった。

「ィタタタ… 象印君、ひどいなぁ」

立ち上がる時にそう呟いたけどクラスの皆は誰も反応してくれなかった。

その後も帰る準備をしている僕を誰も見ようとしてない。

その時だけのことだと思った。

でも、違ったんだ。


・・・


次の日、学校に来ると僕の机に花の入った花瓶が置いてあった。

なぜそんなことをされたのかわからず、クラスのみんなに理由を聞いても誰も答えてくれない、目すら合わせてくれない。

それで僕はようやくこの花瓶の意味を悟った。

僕はどうやら死んでしまったらしい。


僕は、なんだカ、アタマガ、スゴクスゴク、ギューッテナッテ…


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・


・・うしゃよ


勇者よ、勇者田中よ!今こそ魔王討伐に向かう時じゃ!


__________________

小学4年生の田中は自分がいじめられているという現実を受け入れることが出来ず、夢の中へ現実逃避するようになった。

彼の頭の中では夢が現実であり、現実が夢の中。

そしてその夢の舞台は彼が大好きなRPG「ポリゴンクエスト3」
略してポリクエ3の世界だったのだ。

__________________


田中は起きている時、ボーッとしたまま1日を過ごす。

そんな田中を近所に住むさしゃこはとても心配したのだが、彼は無意識のうちに彼女を避けていた。

さしゃこは何度も田中の家を訪ねるも、田中は会うことを拒否。
彼女は自分のせいで田中を傷つけてしまったと酷く悲しんだ。

そんなさしゃこのことを考えようともせず、田中は夢の中でしか前向きに行動しなかった。

仲間を集め、村人をモンスターから守り、伝説の武器を集め、魔王討伐の準備を進める勇者田中。

しかしゲームだから終わりがある。

大魔王象馬を倒してしまえばゲームクリア。

クリアしてしまえばまたイジメのある現実と向き合わなくてはいけない。

彼は心の奥底で知らず知らず、それを拒んでいたのだった。


しかし君たちのおかげで田中は自分のことを思い出した。
そして傷ついている女の子を助けなくちゃいけないということも。

今、田中は頼りになる君達と一緒に象馬の目の前にいる。

囚われの姫を助ける為に。

そして

この夢を終わらせる為に。






それから一年後・・・






「おい!田中!」


変わらないもの。


「あ、象印くん…」


変わっていくもの。


「これ、借りてたゲーム。すげえ面白かったぜ」


きっとどちらも僕らに必要なもの。


「もうクリアしたの? ラスボス強くなかった?」


時にどちらも僕らに優しくて


「まあ日曜日に10時間以上やったからな」


時にどちらも僕らに残酷だ。


「やり過ぎだよ!」


でも


「またゲームの話?」


僕らは前に進んでいる。


「あ、おはよう、さしゃこ」


後退なんかしていない。


「よう、さしゃこ」


この前怪我した場所には


「田中ー、ほらシャツ!ズボンから出てる」


もうかさぶたができている。


「え?あ、ホントだ。ごめん」


この前まであんなに高かった目の前の壁は


「・・・俺先行ってるぜ! 算数の宿題してねえからな」


今ならなんとかよじ登れそうだ。


「え? ちょっと象印くん!? ・・・走って行っちゃった」


だから僕らは進む。


「・・・ぷっ、ふふっ。走って行っちゃったね」


光のさす場所へと向かっていく。


「え? 何がおかしいの?」


希望や未来、不安や恐怖も一緒くたにして


「ふふっ、田中はわからなくていいの。 さ、私たちも行こ!」


ただ、前へと。


「ちょっ、さしゃこ? 待ってよ!」


僕らの冒険はきっと始まったばかりだ。


※ここでポリクエ3「ロートのテーマ」が流れます。

物語:2票良質:3票
全体評価で良質部門
異邦人>>謎が解けても正解じゃない。亀夫問題の奥深さを感じました。 全てが明らかになった時に立ちはだかる難問に対する答えは、勇者田中の冒険の中に。
トリック部門
物語部門
八つ橋>>コメントなし
異邦人>>コメントなし
納得部門