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ユリちゃんはピアノの上手なハジメくんに想いを寄せていたのだが
ある時、学校の合唱祭でチカちゃんが病欠したことにより、今までハジメくんについていた嘘がばれることになる。
ユリちゃんはハジメくんに、どんな嘘をついていたのだろう?
ある時、学校の合唱祭でチカちゃんが病欠したことにより、今までハジメくんについていた嘘がばれることになる。
ユリちゃんはハジメくんに、どんな嘘をついていたのだろう?


(2時40分頃に離脱します)
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解答
ピアノを教えてもらうことを口実にハジメくんと一緒にいたいがために、ピアノが弾けないふりをしていた。
解説
放課後、音楽室から聴こえてくるピアノの音。
偶然近くを通りかかったユリちゃんは、気になって音楽室を覗いた。
ピアノを弾いていたのは隣のクラスのハジメくん。
ユリちゃんがひそかに想いを寄せる男の子だ。
「ハジメくん、ピアノ上手なんだね……!」
「!ユリちゃん、聴いてたの?」
こんな風に二人きりで話すことなんかそうそうない。
ユリちゃんはハジメくんのそばへ駆けていって、もっと聴かせてほしいとせがんだ。
「何なら、ピアノ、教えてあげようか?」
「……!うん!」
ユリちゃんがピアノに興味を持ったのだと思ったハジメくんはそう提案した。
願ってもない申し出にユリちゃんは大きく頷く。
ハジメくんは簡単な楽譜を取り出して、譜読みの仕方や和音などをひとつひとつ丁寧にユリちゃんに教えてくれた。
ハジメくんの隣に座り、ユリちゃんはそっと鍵盤に指を乗せる。
「ユリちゃん、もしかしてピアノやったことある?」
「えっと……少しだけ」
「指使いが綺麗、素質あるよ」
そうして二人はたびたび、放課後の音楽室で一緒にピアノを弾いていた。
そして年に一度のイベント、合唱コンクールがやってくる。
ハジメくんはピアノ伴奏を担当するのだと言う。
「ユリちゃんのクラスは誰が弾くの?」
「ええとね、チカちゃん」
「へぇ、チカちゃんピアノ弾けるんだ」
「小さい頃から習ってて上手なんだ」
ハジメくんのクラスは『名づけられた葉』を歌うらしい。
ユリちゃんのクラスは『春に』だった。
ハジメくんは『春に』の伴奏をユリちゃんに教えてくれたりもした。
そして迎えた本番当日。
なんと、チカちゃんがインフルエンザで欠席になってしまった。ピアノ伴奏者が欠席という致命的な事態だ。
音楽の先生が代わりに伴奏を弾こうかという話にもなったのだが、そこで静かに手が挙がる。
「……わたし、伴奏やります!」
ユリちゃんだった。
ざわつく教室。
「ユリちゃん、弾けるの?」
「うん。ずっとピアノ習ってるし、それに、家でも『春に』の伴奏は何度も弾いてたから」
そう、ユリちゃんはピアノがとても上手だったのだ。
それこそ、ハジメくんに教えてもらう必要なんかないくらいに。
ハジメくんのクラスの歌唱が終わり、体育館に拍手が響く。
ハジメくんのピアノはやはり上手だった。
そして、ユリちゃんのクラスの番になる。
「……えっ、ユリちゃん……!?」
ピアノの前に座ったユリちゃんを見て、ハジメくんは驚愕する。
彼女が弾くのか?
だって、僕が教えてた時はまだたどたどしくて……。
そんな戸惑いを掬い去るかのように、なめらかな演奏が響いた。
自分と同等か、もしくはそれ以上に綺麗なピアノ。
見事だ。
ハジメくんの胸中はひどくもやもやした。
表彰も終わり皆がぞろぞろと教室へ戻るなか、ハジメくんはユリちゃんを呼び止めた。
「ユリちゃん!ねぇ、ピアノすごく上手いじゃないか。僕なんかより……。どうして今まで弾けないふりをしていたの?」
「ハジメくん、ごめんね……ずっと黙ってて。私昔からピアノを習ってたの。家でもたくさん弾いてて。でも……」
俯きながら、意を決したユリちゃんが口を開く。
「ハジメくんにピアノを教えてもらえるのが嬉しくて……一緒にいられるのが、うれしくて」
「えっ」
「だからずっと黙ってたの。ごめんなさい」
ハジメくんは何か言おうと口をぱくぱくさせたが、何も言葉が出てこない。頬が染まっていく。
「お、怒ってる……?」
おそるおそる顔を上げるユリちゃん。ハジメくんは真っ赤な顔を見られまいとわざとらしく顔をそらした。
「……今度は、ユリちゃんが僕に教える番!」
「……!」
「また放課後、音楽室で待ってる」
そう言うと、ハジメくんは足早に教室へと走り去っていった。
その背中を見送るユリちゃんの頬もほんのりと染まっていた。
ピアノを教えてもらうことを口実にハジメくんと一緒にいたいがために、ピアノが弾けないふりをしていた。
解説
放課後、音楽室から聴こえてくるピアノの音。
偶然近くを通りかかったユリちゃんは、気になって音楽室を覗いた。
ピアノを弾いていたのは隣のクラスのハジメくん。
ユリちゃんがひそかに想いを寄せる男の子だ。
「ハジメくん、ピアノ上手なんだね……!」
「!ユリちゃん、聴いてたの?」
こんな風に二人きりで話すことなんかそうそうない。
ユリちゃんはハジメくんのそばへ駆けていって、もっと聴かせてほしいとせがんだ。
「何なら、ピアノ、教えてあげようか?」
「……!うん!」
ユリちゃんがピアノに興味を持ったのだと思ったハジメくんはそう提案した。
願ってもない申し出にユリちゃんは大きく頷く。
ハジメくんは簡単な楽譜を取り出して、譜読みの仕方や和音などをひとつひとつ丁寧にユリちゃんに教えてくれた。
ハジメくんの隣に座り、ユリちゃんはそっと鍵盤に指を乗せる。
「ユリちゃん、もしかしてピアノやったことある?」
「えっと……少しだけ」
「指使いが綺麗、素質あるよ」
そうして二人はたびたび、放課後の音楽室で一緒にピアノを弾いていた。
そして年に一度のイベント、合唱コンクールがやってくる。
ハジメくんはピアノ伴奏を担当するのだと言う。
「ユリちゃんのクラスは誰が弾くの?」
「ええとね、チカちゃん」
「へぇ、チカちゃんピアノ弾けるんだ」
「小さい頃から習ってて上手なんだ」
ハジメくんのクラスは『名づけられた葉』を歌うらしい。
ユリちゃんのクラスは『春に』だった。
ハジメくんは『春に』の伴奏をユリちゃんに教えてくれたりもした。
そして迎えた本番当日。
なんと、チカちゃんがインフルエンザで欠席になってしまった。ピアノ伴奏者が欠席という致命的な事態だ。
音楽の先生が代わりに伴奏を弾こうかという話にもなったのだが、そこで静かに手が挙がる。
「……わたし、伴奏やります!」
ユリちゃんだった。
ざわつく教室。
「ユリちゃん、弾けるの?」
「うん。ずっとピアノ習ってるし、それに、家でも『春に』の伴奏は何度も弾いてたから」
そう、ユリちゃんはピアノがとても上手だったのだ。
それこそ、ハジメくんに教えてもらう必要なんかないくらいに。
ハジメくんのクラスの歌唱が終わり、体育館に拍手が響く。
ハジメくんのピアノはやはり上手だった。
そして、ユリちゃんのクラスの番になる。
「……えっ、ユリちゃん……!?」
ピアノの前に座ったユリちゃんを見て、ハジメくんは驚愕する。
彼女が弾くのか?
だって、僕が教えてた時はまだたどたどしくて……。
そんな戸惑いを掬い去るかのように、なめらかな演奏が響いた。
自分と同等か、もしくはそれ以上に綺麗なピアノ。
見事だ。
ハジメくんの胸中はひどくもやもやした。
表彰も終わり皆がぞろぞろと教室へ戻るなか、ハジメくんはユリちゃんを呼び止めた。
「ユリちゃん!ねぇ、ピアノすごく上手いじゃないか。僕なんかより……。どうして今まで弾けないふりをしていたの?」
「ハジメくん、ごめんね……ずっと黙ってて。私昔からピアノを習ってたの。家でもたくさん弾いてて。でも……」
俯きながら、意を決したユリちゃんが口を開く。
「ハジメくんにピアノを教えてもらえるのが嬉しくて……一緒にいられるのが、うれしくて」
「えっ」
「だからずっと黙ってたの。ごめんなさい」
ハジメくんは何か言おうと口をぱくぱくさせたが、何も言葉が出てこない。頬が染まっていく。
「お、怒ってる……?」
おそるおそる顔を上げるユリちゃん。ハジメくんは真っ赤な顔を見られまいとわざとらしく顔をそらした。
「……今度は、ユリちゃんが僕に教える番!」
「……!」
「また放課後、音楽室で待ってる」
そう言うと、ハジメくんは足早に教室へと走り去っていった。
その背中を見送るユリちゃんの頬もほんのりと染まっていた。
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