私の復讐

後部座席で眠る孫、ウミオをミラー越しに眺めながら、私は当時を思い出していた。



「パパと結婚するって言ってたのに(´；ω；`)」
「いつの話をしてるの！」
「あんな男、私は反対だ(´；ω；`)」
「誰を選ぼうが私の勝手でしょ！」
5年前、なんやかんやで娘カメコはカメオの元に嫁いでいった。
普段は仲のいい家内ですら、私に賛同しくれなかった。
やがて孫が産まれ、悔しいが私も二人を認める事にした。
だって、ウミオ、めっちゃ可愛いもん。何が可愛いかっていうと、凄く可愛い。

だがそれでも私の心は現在に至るまでささくれ立っていた。
私は仕事で中々ウミオに会えないのに、家内などはしょっちゅうウミオとお出掛けしてる。
(私だけ除け者にして楽しそうにしやがってっ…(´；ω；`)ｳｩｩ)




そして私は復讐として、私だけがウミオと思い出を共有し、心行くまで遊ぶ機会を伺った。
そして全員の連休がかぶる今日、娘夫婦に旅行をプレゼントして
私はまんまとウミオを連れ出すことに成功した。
ラブラブな娘夫婦にはこうメールを送っておいた。
「夫婦水入らずの旅を楽しんできなさい。
たまには育児を忘れて遊んで、そして早く二人目の孫の顔を見せなさい」と。
下世話なメールを読んだカメコは怒るだろうなと、想像してくつくつと笑う。


二人だけで遊ぶ為に、放置してきた家内にはさぞ非難されるだろう。
だがそれでもウミオを旅の道連れにできるなんて夢の様だ。
そして目的地に着いた私はウミオを起こした。

「起きなさい。動物園に着いたよ」



あとがき
質問しなければわからない隠された要素を極力省いて、問題文から全て想像できる問題を目指して作ってみました。
結果、長々しい問題になってしまいましたが…

また機会があればよろしくお願いします！