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後部座席で眠る男の子、ウミオをミラー越しに眺めながら、私は当時を思い出していた。



5年前、結婚の約束までしていたカメコは、結局カメオを選んだ。
反対はしたが「私の勝手でしょ!」と一緒に暮らしていた家を出て行った。
仲良くしていたカメコの母ですら、私に賛同してくれなかった。
そしてカメコとカメオは結婚して子供も産まれ幸せそうだ。
悔しいがもう二人を認めるしかない。

だがそれでも私の心は現在に至るまでささくれ立っていた。
(私だけ除け者にして楽しそうにしやがってっ…!)




そして私は復讐する事を決め、その機会を伺った。
そして今日、計画通りにまんまと二人の息子のウミオを連れだすことに成功した。
あの二人には伝言を残しておいた。
「ウミオがいないこの状況、是非楽しんで下さい。
彼の事は忘れてさっさと次の子供でも作って下さい」と。
伝言を読んで怒り狂うカメコを想像すると笑いが止まらない。


私の行いは非難される事だろう。
だがそれでも夢にまで見た復讐は成った。後はこの子を道連れにするだけだ。
そして目的地に着いた私はウミオを起こした。

「起きなさい。動物園に着いたよ」

いったいどういう事?
19年02月26日 14:13 [アヒルスキー]
【ウミガメ】
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