プラチナ・データ

小学校卒業からおよそ半年後、カメオの耳に衝撃のニュースが飛び込んできた。

「ウミオが亡くなった…？」

どうやら中学校へ進学後すぐに難病に罹患していたことが発覚したらしく、入院して治療を続けていたようだが、治療の甲斐なく亡くなってしまったようだった。
ウミオの両親が遺品を整理していると、ウミオがカメオから借りていたゲームを見付けたので、「このゲームはさすがにカメオに返すべきだろう」ということでウミオの両親からゲームを返却されたのだった。
カメオがふと気になってウミオのデータを消す前に起動してみると、かなりやり込んでいる様子が伺えた。
「もしかしたら入院中にも遊んでいたのかもな…」
そんなことを考えながら、ふと手持ちの6匹のポケ◯ンを見たカメオは息を飲んだ。6匹とも全て最高の100レベルまで育てられており、そしてニックネームが付けられていた。

「カメオ」
「いままで」
「たくさん」
「あそんで」
「くれて」
「ありがとう！」

ウミオはポケ◯ンにニックネームを付けられる機能を使って、メッセージを残していたのだ。カメオはウミオと遊んだ日々を思い出し、涙が止まらなくなってしまった。
「このデータは…消せる訳がない…」
カメオは大切な友達のウミオを忘れないために、データを消すことをやめて大事に取っておくことに決めたのだ。

※元ネタとして、某掲示板の泣けるスレに似たような話があり、それをアレンジして作題しました。