星空の下で卑怯だと言う

カメオとウミコは流星群を待っている間、しりとりをしていた。

カメオ「ずんだ餅」
ウミコ「チーズ」
カメオ「……ずるい」
ウミコ「一途」
カメオ「ず……ずっこい」
ウミコ「インディーズ」
カメオ「おま……んー、ずりぃ」
ウミコ「また『い』だね。井の中の蛙」
カメオ「……それはダメだ。単語じゃない」
ウミコ「じゃあ、井戸水」
カメオ「…………おま……卑怯だぞ」
ウミコ「卑怯ってなにが？」
カメオ「見ただろ、俺の計画書」
ウミコ「計画書ってなんの？」

その時、ふたりの頭上に流星群が流れ始めた。

ウミコ「さぁ、カメオ……「ず」だよ、「ず」」
カメオ「まだやるのかよ。流星群を見ろよ」
ウミコ「だって、今言わないとカメオの計画がパーでしょ」
カメオ「やっぱり見たのか…………」

　カメオは大きく息を吸い込み、流星群ではなく、ウミコの瞳を見て言った。

カメオ「『ずっと君の傍にいたい。結婚しよう』」
ウミコ「『うん』。ってあはは、私の負けか。でも、やっと言ってくれたね、その言葉……ぐすっ、ごめん、涙が」
カメオ「……やっぱりずりーよ……お前は。そんな顔見せられたら、ますます好きになるだろ」

二人を祝福するかのように、その日の流星群はとても綺麗だった。

答え：ウミコがカメオの告白する計画書を見て、カメオが考えていた『ずっと君の傍にいたい』という告白文を言わせるため、しりとりで執拗に「ず」で攻め続け、カメオはなんとかずるいから派生する言葉で時間を稼いでいたから。