最期の意志

警部「カメミはカメオを殺害し、カメオが自分の名前を書いたので踏み消した……こんなところだろう。任意同行で引っ張りだすか……ん？これは……？」

警部は被害者の手のひらに注目した。そこには擦り付けたように乾いた血がこびり付いていた。

……文字を拭い取ったのは被害者自身だったのだ！



真相

些細なことでカメオと言い合いになった男。

気が付いた時には目の前には血を流したカメオが横たわっている。

……どうやら無我夢中で突き飛ばしたカメオは、花壇の角に頭をぶつけたらしい。

カメオのポケットから、はらりと写真が落ちた。

仲睦まじげな男女が写っている。男の方は目の前に倒れている。女の方は……カメミというらしい。ご丁寧にハートマークと共に名前が書き込まれている。

男は咄嗟にカメオの手を掴み、血の付いた指でカメオの恋人カメミの名前を書いた……

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……酷く頭が痛む。

身体も動かない。

そうだ、俺はあいつに突き飛ばされて……

ふと手元に意識を向けると、そこには恋人カメミの名前。

あぁ、カメミがいてくれれば……

いや、なぜカメミの名前が？……そうか、あいつが……！

このままではカメミに罪が着せられてしまう。

カメオは薄れていく意識の中、最後の気力を振り絞り目の前の文字を拭い取った。

全ては愛するカメミを想ってのことであった……