魔の呼び出しボタン

要約
トイレを案内してもらったカメコは、用を足した後水を流そうとボタンを押したが、実は緊急時用の呼び出しボタンだったため後悔した。

解説
カメコは彼氏のカメオにデートに誘われ、高級レストランのディナーを
ご馳走になった。

美味しいコース料理を食べ終え、カメコはカメオに一言「ちょっとお手洗いに」
と言うと、その席を立ち、トイレを探した。

しかし店内が広い高級レストランなだけあってトイレの看板が見当たらず
ウロウロしていると、ウェイターがそれに気がつき
「いかがされました？」
と声を掛けてきた。

カメコがトイレに行きたい旨を伝えると、ウェイターは「こちらです」と
店の奥の方にあったトイレへと案内してくれた。

扉を開けると、その先にはカメコを迎え入れるかのように自動で蓋が開く
便器と、無駄に広く綺麗な空間が広がっていた。

我慢していたカメコはそれに感心する暇もなく、すぐに最新鋭の便器に座り
用を足した。

自分がトイレを探すのにもたついてせいで彼氏を待たせてしまっている。
そう思ったカメコは用を足した後すぐに壁に付いたボタンを押して流そうとした。
だが・・・

「ビー！！ ビー！！ ビー！！」

店内にブザー音が鳴り響く。まさかと今自分が押したボタンから指を離すと、そこには
「呼出」
と太字で書かれたボタンがあった。

そう、カメコが水を流すものだと思って押したボタンは、実は緊急時に押すべき
呼び出しボタンだったのだ。

マズい。カメコがそう思う間も無く、店員と思われる足音が近づいてくる。カメコは
この無防備な状態で何て言い訳をしようか、頭を悩ませたのだった。