仕事が早い神様

カメコカメオが本名であるカメオ。カメオはカメミが好きだった。
そして「カメコさんとお付き合いできますように　カメミ」とカメミの字で書かれた絵馬を見つけた。

・・・

海亀神社でお願いすると、必ず恋が成就すると有名らしい。
瓶子亀夫は半信半疑で海亀神社に願い事をした。

　まずはお賽銭。
「神様どうか、あの子とお付き合いできますように！」

　そしておみくじ。
「待ち人　すぐそこ」
「すぐそこって……そんなんだったらここに来てないでしょ……」

　ダメ押しで絵馬。
「……ん？　この隣にある絵馬……」

《カメコさんとお付き合いできますように　カメミ》……これ、もしや……。


翌日。
「カメミちゃんおはよう。昨日海亀神社に行ったんだけどさ……」
「へー。何か願い事でもあったの？」
「まーね。それでさ、絵馬でこんなのを見かけたんだけど……」
　カメオはスマホを取り出して昨日見た絵馬の写真を見せた。

「……あっ……」
「これ、カメミちゃんの字だよね。カメコってもしかして……」
　カメミは逃げるように走って行ってしまった。
　カメオはすぐに追いかけた。


　――そして、ついに海亀神社でカメミの姿を見つけた。
「……やっぱりここに来てたんだ……」
「……絵馬ってね、あんまり願い事に執着すると叶わないんだって。
　だから自分の絵馬を探して取り外そうって思ったんだ……」

「その必要はないよ。丁度いいや、君の絵馬の隣を見てごらん」
「隣……？」

《カメミちゃんと付き合えますように　瓶子亀夫》

「……これ、カメコさんが……？」
「ずっと前から好きだった。……カメミちゃん、俺と付き合ってくれるかな……？」
「…………はい……！」

　かくして、海亀神社の縁結び伝説は、現在でも有名であるそうな。