闘魂注入

※要約解説が下にあります
ケイコは小学生の娘ウミコと海水浴に来ていた。
ケイコが浜辺にパラソルを立てていると、ウミコは待ちきれない様子で海へ向かって走り出した。
「ウミコ、あんまり沖の方に行っちゃだめよ！」
「はーい！」
ウミコは浮き輪に座って波に揺られるのを楽しむつもりのようだ。

ほんの数分後、ケイコはウミコの姿を見失っていた。
さっきまで遊んでいた波打ち際に娘の姿は見当たらない。
ふと沖に目をやると、ウミコが乗っている浮き輪が遠くに浮かんでいるのが見えた。
「ウミコ！」
声は聞こえないがウミコは両手をばたつかせ慌てているようだ。
知らぬ間に離岸流に乗って沖合の方まで流されてしまったらしい。
泳ぎが得意でないケイコに沖合まで助けに行くことは不可能だ。
「ウミコ―！」
為す術もなくただ大声で娘の名前を呼び続けるケイコ。
次の瞬間、大きな波がウミコを飲み込み、浮き輪の上からウミコの体をさらっていった。
「ウミコ…！ああ…！」

その時、サーフボードのようなものを抱えた屈強な男がケイコの横を通り過ぎ、猛然と海に突進していった。
どうやら海を監視していたライフセーバーが異常事態に気付き、救助に向かってくれたようだ。

ボードにまたがった男は波をもろともせず、あっという間にウミコが波に飲まれたあたりまでたどり着いた。

海中に潜った男が顔を出すと、その手にはウミコの体が抱かれていた。
ボードにウミコを乗せ、岸まで戻ってくる男。
その間ウミコはぐったりとしたままだ。

「ウミコ！」
担架に寝かされた娘に駆け寄るケイコ。
「お母さんですか？」
「はい！ウミコは…娘は無事でしょうか！？」
「少し水を飲んでいるようですが、大丈夫でしょう。お嬢ちゃん、聞こえる！？」
ライフセーバーの男が娘の頬を軽く叩きながら呼びかける。
「げほっ…げほっ」
ウミコは咳き込みながら目を覚ますと、泣きじゃくりながら母の胸にすがりついた。
「お母さーん！怖かったよー！」
「良かった…ウミコ…！」

ケイコは娘の命を救ってくれた男に心から感謝した。


要約解説
ケイコは娘のウミコと海水浴に来ていた。
ケイコが少し目を離した隙に海で遊んでいたウミコが沖に流され、おぼれてしまう。
事態に気づいたライフセーバーの男がウミコを救助してくれる。
気を失っていたウミコに男は頬を叩きながら呼びかける。
ウミコは目を覚ますと自分の身に起こった恐怖から泣き出してしまう。
ケイコは娘の命を救ってくれた男に心から感謝した。


※専門的な知識が無いので描写に不自然な点があったらすみません。