らてクエ26-2 ドブネズミみたいに

簡易解説
実際に石の中にはそれなりに価値が高いものが含まれていた。お金が必要になった光は、その事実を思い出してきれいな石を処分、換金しようと思ったのである。
※お金が必要になった理由については想定解こそありますが不問とします

簡易じゃない解説
僕は子供の頃、石遊びが好きだった。
宝石商の家庭に生まれた俺は、自分で言うのもなんだが裕福な暮らしをさせてもらっていた。時には石遊びに、両親の仕事道具である本物の宝石を使うこともあった。あのキラキラには子供ながらに心奪われるものがあり、いくつかを「宝物」として大事に持っており、石遊びをしなくなった今でも保管してある。
だがその後、宝石商としてのうちは廃業し、生活は途端に苦しくなっていった。両親の仕事道具を売りさばいて、やっと借金が残らないレベルの苦しさ。場合によっては、もっと苦しくなるかもしれない………。
そして僕は、ある一つの結論にたどり着いた。
両親は大半の資産や宝石こそ手放したが、少しだけ手付かずの宝石が残っている。
僕の「宝物」だ。その事実に気づいた僕はすぐに「宝物」を引っ張り、箱を開けた。

やっぱり、手付かずだった。
ちびっこの頃は宝石と普通の石の価値の違いなんかわからなかったので、普通の石もいくつか入っていたとはいえ、その中で宝石の煌めきは一際異彩を放った。
僕は少しばかし思い出に浸りつつ、あの頃のように家族がみんな苦しい思いをしなくて済むように、「宝物」を処分（つまり売却する）することを決めた。