【らてクエ19-2】ビブリオ図書館の実験手帖

簡易解説
街まで出てきて図書館→神社に行こうとしていた男。
図書館で見つけた本を購入しようと思ったがお金がギリギリで、その後立ち寄った神社で賽銭を入れる余裕がなかった。
（元々家の隣にあった本屋が潰れたため街の本屋で買わなければならず、取りに戻るのは面倒だった）


解説
田舎に住む中学生のカメオ。
過疎化は進み、ついこの前も家の隣にあった小さな本屋も壊され、更地になった。

さて、そんなカメオだがクラスメートのカメコのことが大好きで、いつか彼女にしたいと考えている。
カメコとの会話も弾むし、LINEもずっと続いている。
でもなかなか遊びに誘ったり一緒に何かすることができず、心苦しい思いをしている。


そして一月が来た。

カメコは本を読むのが好きだと言っていたので、街に出て恋愛成就で有名な神社まで初詣をするついでにちょっと図書館に寄ってみるかと入ってみた。

確かカメコちゃんは南原土五が好きだと言っていたなぁ、こんな南原さんって本出してるんだ！

あ、容疑者Yの献立　が一番好きっていってたなぁ、この本ちょっと読んでみるか。


ん、ビブリオ図書館の実験手帖って..　あ！　カメコちゃんが今一番読みたいって言っていた本だ！
早速借りて...
ん、ちょっと待てよ、これで俺がこの本を買って貸してあげたらいいじゃん！
俺天才！！

いや、今日あんまりお金持ってきてないぞ、これ何円するんだろう。
あ、本って背表紙に値段書いてるんだっけ
家の隣の本屋はこの前潰れちゃったから街に出てきた時に買いたいからなぁ
って税込1035円！？　高くない？？
そんなにお金あったっけな、、
え、すご、全財産、ピッタリ1035円じゃん。
これは神様がこの本を買えって言っているようなもんだな。

そうと決まれば初詣のあと本屋に直行！　そのまま買って帰るに限る！


ルンルン気分で自転車を走らせ、神社に向かうカメオ。
お参りをしようとしたところでふとあることに気づいた。

お賽銭のお金、無くね？

仕方なく五円玉を賽銭箱に入れるふりをして、神様に願った。

お賽銭すら入れられなくて申し訳ありません！
このお金はカメコちゃんに捧げるので、どうかカメコちゃんと付き合えますように！


そしてそのままの足で向かった本屋で全財産をはたき、無事ビブリオ図書館の実験手帖を買うことができた。



数日後。
あまり本自体読んだことのなかったカメオは、頑張って読破した。


「カメコちゃんが読みたいって言ってたビブリオ図書館の実験手帖って本、読んでみたけどとっても面白かったよ！」
「そうなの！　先読むなんてずるい〜」
「えへへ、じゃあ貸してあげようか？」
「え！？　いいの？」
「もちろん！　じゃあ明日学校に持ってくるよ！」