寛大な処置を

世を騒がせている連続殺人犯『Ｍ』による犯行。
それは全て検挙率ワースト日本一のＸ県で起きていた。

Ｘ県警に対する不信感が高まる中で発生した第５の事件。
カメコが無残な姿で殺害された。

カメコの恋人である男は、彼女がデートに来ないことを不審に思い、
以前に二人で入れたアプリのＧＰＳ機能を用いて、山中にあったカメコの死体を発見した。

すぐに通報するべきだ。
しかし、本当にＸ県警はカメコを殺した犯人を見つけてくれるのだろうか。
彼女のために自分ができることはいったいなんなのか。

男は死体をＡ県まで運んだ。
検挙率日本一を誇るＡ県警に託すことにしたのだ。
自分も逮捕されることを分かっていながら。

捜査により、男は死体遺棄罪で逮捕された。
しかし、男のカメコを思う気持ちに対し、世論は賛否両論となった。
『男に寛大な処置を。』『いや、男のしたことは許されることではない。』

大きな議論を呼んだ男の行動に対し、
Ａ県警とＸ県警はついに合同で捜査を行うことになったのだった。