【ラテクエ13－1】　愛・間・逢い

嵐の夜に船が転覆。
旅行をしていた男の家族は皆海の底に沈んでしまった。

一人救難ボートで漂流し、奇跡的に陸地にたどり着いた男。

その陸地は無人島であることに気付いた男は、
たまたま椰子の葉にペンで助けを求めるメッセージを書いて、漂着してあるボトルの中に入れて毎日助けを求めている。

そのメッセージには救助を求めることと、大切な恋人へのメッセージも書き留めておく。
（もしかしたら明日には死んでいるかもしれない。
でも、大切な恋人、カメコに私は無事だと知らせてあげたい。
あわよくばもう一度会いたい。）

「私は今無人島に漂流しています。
このメッセージを読んだ人は救助をお願いします。

具体的な場所は分からないのですが、ラテ沖周辺で、白い砂浜と椰子の木がたくさん生えており、時折ウミガメの姿も見られるところです。

以下は私の恋人に当てた文章ですので、拾った方は届けていただけると幸いです。

私の大好きな亀原カメコへ

あの嵐のせいで僕の家族は皆海の底に沈んでしまいました。
僕は奇跡的に救命ボートにより助かったけど、それでも救助が来るまで命が持つか分かりません。
でもきっと助けが来てくれると信じています。
だからどうか待っていてください。

PS
この手紙を書いているのは、（恐らく）二月七日です。誕生日2日も過ぎちゃった
今年の誕生日はウミガメレストランに行こうって言ってたのにこんなことになって直接祝ってあげられなくてごめんね

お誕生日おめでとう。今年もカメコにとって良い年になりますように

亀岡カメオ」


一縷の希望をメッセージボトルに託して、どうか誰かの目に触れますように…あわよくばそのままカメコの元に届きますように、と
今日もボトルを海に投げ入れた。