魔法なんてそんな非科学的なことは信じない、ですか。なるほど実に理に適った考え方です。
ですが、魔女というのは実在します。かくいう私も魔女の一人ですし。
魔法を信じられない皆さんに一つ昔話を聞かせましょう。赤ずきんは皆さんもご存知ですよね?
赤ずきんは御伽噺、存在自体が虚構だと反論されるかもしれませんが、本当は実際にあった出来事が元になってるんですよ。
赤ずきんに登場する狼は、以前魔女に師事していたことがあり、ほんの少しだけ魔法が使えるのですとか。
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ある日、赤ずきんはおばあさんの家に行くことになりました。
道中悪い狼に「☆お花を持っていけばおばあさん喜ぶよ」と言われましたが、待たせては悪いと一旦家まで行きおばあさんとおしゃべりしました。
その後「★おばあさん、お花をプレゼントするからちょっと待ってて」と言い、お花を摘みに行きました。
そうして赤ずきんがお花を摘んでいる間に、狼がおばあさんの家にやってきました。
おばあさんのいる寝室の窓が開いていることに気づいた狼は、窓から部屋の中に魔法を打ち込みました。その魔法の効果は着弾した場所に転移するというもの。
一瞬で部屋の中に入ってきた狼に、おばあさんは為す術なく殺されてしまいました。
お花を持って帰ってきた赤ずきんが再びおばあさん家の寝室に向かうと、そこには狼と死んでしまったおばあさんがいました。
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これが実際にあった話です。
この後狩人がやってきて狼を懲らしめてくれるというのは御伽噺の中だけ。現実はそう甘くはないのです。
もし、どんな謎にも科学に基づく真実が存在するのだと主張するのであれば、私と勝負いたしましょう。
皆さんには、私が今話した赤ずきんの物語が魔法がなくても起こりうるということを証明していただきます。
証明できたら皆さんの勝ち、私は負けを認めます。できなければ、皆さんの負け。その際には魔法の存在を認めてください。
この勝負をフェアなものにするために、以下の赤き真実を提示します。赤く書かれた文章は絶対の真実であり、如何なる虚言も含まれません。
(※逆に通常の黒字は真実であることが保証されません)
赤ずきん・狼・おばあさんはそれぞれ同一の登場人物の呼称であり、その登場人物の種族や魔法能力の有無を意味しない
☆と★は実際に口から発された言葉であり、登場人物は脈略なく無意味に発言することはない
☆の時点で、狼はおばあさんの家の中に潜伏していない
窓は開けられていたが、物理的な実体を持った物体が出入りすることはなかった
☆から赤ずきんが開けるまで、玄関の鍵は一度も開けられていない
そして確かに赤ずきんは寝室に入って狼とおばあさんの死体を目撃した
皆さんは私に<復唱要求>を行うことが可能です。私に赤き真実として復唱していただきたいことがあれば、私に要求してください。私がそれを承諾すれば、赤き真実として返します。
(※ウミガメのスープでの質問に相当します。あくまで要求であるため、必ず返答されるとは限りません)
もし完全に解明することが出来たと言うのならば、『青き真実』で仮説を提唱してください。私はそれを無視することはできず、必ず赤き真実で否定をする必要があります。私が否定することができなくなれば私の負けです。
(※ウミガメのスープでのまとめ質問に相当します。正しければそのまま正解となり、正しくなくても筋が通っていれば情報が増えることになります)
それでは、いざ勝負を始めることとしましょう。
(※説明がよく分からなかったという方は相談チャットなどでぜひぜひお尋ねください)
別界隈で出していたものです。正しく伝わっているか不安です
復唱要求 おばあさんの家の中の構造が、寝室1つと扉1つと窓1つだけだったとしても、この話は成立する
【おばあさんの家の中の構造は寝室1つ扉1つ窓1つで成立する】
(キャノーさんは分かっているでしょうが補足、回答欄では文字を赤色にできないため【】で赤き真実を代用します)
解答 空いていた窓から毒ガスを注入しておばあさんを殺害した
面白い推理ですね…
ですが、【毒物も物理的な実体を持った物体であると捉える】とします
復唱要求です。お花を摘むというのはトイレに行くという意味ではない。
【お花を摘むはトイレに行くの意味ではない】
もしそうだとすると、お花をプレゼントするっていうのはおばあさんに…いや、考えるのはよしましょう
復唱要求です。狼は変装をした。
【狼は変装をしない】
(厳密には復唱せず逆のことを言っていますが、細かいことはあまり気にせずに)
おばあさんの変装をするのは御伽噺になったときに付け加えられたんじゃないでしょうか
青き真実です。 赤ずきんは玄関のカギを開けっ放しにしていたので狼はそこから入っておばあさんを殺害した。
なるほど、いい仮説ですね。
ではこう返しましょう
【★の時点でおばあさんの家のドアは施錠されている】
[良い質問]
青き真実です。赤ずきんは★の後お花を摘みに行っているのでそのタイミングでカギを開けっ放しにしており、狼はドアから入りおばあさんを殺害した。 [編集済]
(よく考えたらさっきの赤き真実は反論足りえていませんでしたね)
ではこう返します。
【赤ずきんが最後におばあさんの家に入ったとき、鍵は施錠されていた】
[良い質問]
復唱要求です。登場人物は赤ずきん、狼、おばあさんの3人のみである。
復唱拒否します
(他の登場人物の存在を自白していることとほぼ同義であるが、他の登場人物について深堀りを許さない姿勢。そもそもこの問題は深堀りせずとも解けると思われる)
念のため復唱要求 おばあさんを殺したのは狼
【おばあさんは狼に殺された】
内容は違いますが私の返答が一致したので拡大解釈して結婚しますか?
解答 実は赤ずきんが共犯者で、狼は赤ずきんの協力の元何かしらの方法を使ってお婆さんを殺害した
何かしら、というのは少し投げやりすぎませんか?
狼が転移の魔法を用いずにどのようにして部屋に入ったかを説明していただかないと青き真実とは認めません。
[良い質問]
青き真実です。狼は花を摘んだ赤ずきんの後を追っておばあさんと赤ずきんを殺害し、赤ずきんはおばあさんの少し後に死んだので狼とおばあさんの死体を目撃した。 [編集済]
ごめんなさい、あまり意味が分からないのですが、ひとまず断定できる範囲で反論します
【赤ずきんは死なない】
復唱要求です。おばあさんが死んだ場合、赤ずきんはおばあさんの遺産を相続出来る。
【赤ずきんはおばあさんの遺産を相続できる】 [良い質問]
復唱要求 おばあさんの家の中にある物(扉や窓に関係する物は除く)は殺人と関係しない
【おばあさんの家の中にあるものは殺人と関係しない】
復唱要求 「★おばあさん、お花をプレゼントするからちょっと待ってて」は、赤ずきんがおばあさんの家の中で発した言葉である
復唱拒否します [良い質問]
復唱要求します。赤ずきんはおばあさんの家の合鍵を持っていたことがある。 [編集済]
ではこう返します
【おばあさんの家の鍵はただ一つしか存在しない】
[良い質問]
復唱要求 赤ずきんがおばあさんの家の扉を開けたのは1回だけである
復唱拒否します
おしゃべりしたときと最後死体を発見したときで2回開けたはずですから…
[良い質問]
青き真実 赤ずきんは家の外から電話などの機械を使っておばあさんと会話していた。家の鍵は普通に空いていたので狼はドアから侵入してお婆さんを殺害した
なるほど、かなり良い推理ですね。一旦認められるところは認めておきましょう。
【★は電話での発言である】
ただし、【★の時点で鍵は施錠されている】ため、その推理は成り立たない。
[良い質問]
復唱要求します。おばあさんの家の鍵はピッキングで開けることができる。
【ピッキングで開けることはできるかもしれないが誰もピッキングを行わない】
【おばあさんは家に鍵をかけないが、★の時点で家に鍵はかかっている】
赤き真実は絶対の真実ですから矛盾するはずありません。
(ヒューマンエラーを除く)
[良い質問]
青き真実 狼は赤ずきんと☆の会話をした後、赤ずきんが自宅に帰るまでの間に施錠の習慣の無かったおばあさんの家に侵入、内部から鍵をかけておばあさんを殺害した その後、電話をかけてきた赤ずきんの★の発言におばあさんのフリをして応じた
(本当は問題文にこう書きたかった…)
【狼は★の時点でおばあさんの家の中にいない】
赤ずきんと話している間潜伏していないのは当たり前ですよね…
[編集済]
[良い質問]
問題文における赤き真実の☆と★を間違えていました。
ただ、文章が誤りになっているわけではありません。ヒントを与えすぎてしまっただけです。
【★から、(☆からでも成り立つ。だっておしゃべりは電話だったから)最後に赤ずきんがドアを開けるまで、鍵は一度も開けられていない】
復唱要求 おばあさんの家の鍵は、内側から開閉できる [編集済]
【おばあさんの家の鍵は内側から開閉できるが、この問題において一度も開閉されない】
復唱要求 おばあさんの家の鍵は、おばあさんでも狼でも赤ずきんでもない人物によって施錠された。
【おばあさんでも狼でも赤ずきんでもない人物が鍵の開閉に関係しない】
復唱要求
狼と赤ずきんは共犯者である。
赤ずきんは家まで行き、おばあさんとお喋りした。
赤ずきんは鍵をかけ、外出した。その際、電話で「花をプレゼントする」といった。
ここまでの内容は正しい
ここは素直に告白してしまいましょう。私のミスで混乱させてしまった部分もありますし。
【赤ずきんはおばあさんの家に言っておしゃべりしていない。最後に死体を発見するときまで家を訪れない】
[良い質問]
復唱要求 鍵は外側から閉められた [編集済]
【☆から赤ずきんが開けるまで施錠状態にあったが、最後に施錠したのは外側からである】 [良い質問]
青き真実 ★の時点の会話は赤ずきんとおばあさんが電話で会話したときのものである。
青き真実は全体の謎が解けたときに使うものなので、復唱要求として扱います。
【★の会話は赤ずきんが電話口に対して発した言葉である】
復唱要求 問題文の「ある日、赤ずきんは~おばあさんがいました」までは、すべて、時系列に沿って並べられている。
復唱拒否します
ただ、赤字で書かれた文章は全て時系列通りです。
[良い質問]
青き真実
狼と赤ずきんは共犯であり、おばあさんの家の鍵は2人のどちらかが持っている。
2人のどちらかがおばあさんの家の鍵を施錠し、2人のどちらかが鍵を開けた。
そして2人で家の中に入り、2人でおばあさんを殺した。
なるほど…なかなか鋭いですね。
確かに、【赤ずきんと狼は共犯関係にあった】が、
【赤ずきんが家の鍵を開けておばあさんの死体を見たとき、おばあさんは死後かなりの時間が経過していた】
[良い質問]
復唱要求 ☆から最後まで狼、赤ずきん以外の人間はおばあさんの家の中に侵入していない
【狼赤ずきんおばあさん以外の人物は家の中に侵入しない】
復唱要求 おばあさんの死体は、おばあさんを知るものであれば、だれが見てもおばあさんの死体とわかる状態にあった。
【おばあさんの死体は誰が見てもおばあさんの死体と分かる状況にあった】
復唱要求 ☆から最後まで狼、赤ずきん、おばあさん以外の人間はおばあさんの家の中にはいない
【☆から最後まで、3人以外の人間は家の中にいない】
青き真実 ☆より前の段階で狼はおばあさんの家に入りおばあさんを殺害、第三者による死体の発見を避ける為赤ずきんに借りた鍵で外側から施錠した その後赤ずきんは家族の前でおばあさんと電話しているフリをし、まだおばあさんが存命だと思わせた 最後に赤ずきんと狼は共におばあさんの家の鍵を開けて入り、死体の発見者のフリをしてアリバイを確保した
リザイン [正解]
参加者一覧 6人(クリックすると質問が絞れます)
事件当日叔父は寝室で祖母を殺害し室内を荒らしたあと大きく窓を開け、そのまま駅まで赤ずきんを迎えに行った。
駅前の花屋に入り、「お花を持っていけばおばあさん喜ぶよ」なんて聞こえよがしに言ったあと、二人で祖母へ送る花を探した。
花屋の店内で時間をかけて花を探しながら、赤ずきんは叔父が持つ祖母の携帯へ電話をかけた。赤ずきんは祖母に花を取りに行くことを伝えたり世間話をしたりする演技をし、花屋の店員に祖母は普通に生きているのだと思わせた。
花屋で精一時間を潰した二人は花を片手におばあさんの死体が待つ家へと帰った。赤ずきんが家の鍵を開け、叔父と共に寝室へ向かっていった。叔父は自分で殺した死体を見て大声で助けを呼び、少女も寝室の惨劇に誇張気味に悲鳴をあげた。
こうして二人は窓から侵入した何者かに祖母は殺害されたという状況を演出した。
赤ずきんは花屋の段階で祖母は生きていたと証言し、花屋の店員の証言や監視カメラの映像から叔父の無罪を主張した。
子供の考えたこの単純なトリックが果たして優秀な日本の警察を騙し通すに至ったのか。
結末は誰も知らないが、「めでたしめでたし」と言えるはずがないということだけは確かである。
うつまさん出題ありがとうございました なるほど、解説の真相はより納得感がありますね すごく難しかったですが、楽しかったので機会があればまた参加してみたいです[21年10月23日 23:40]
皆さん参加ありがとうございました!大きすぎるミスをしてしまい、途中グダってしまいましたが、最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました![編集済] [21年10月23日 23:37]
アカガミさんいらっしゃいませ。はい、何度でも使用可能です!というより、〈復唱要求〉はあくまでも確認のためのものなので、どしどし『青き真実』を使うことが奨励されています[編集済] [21年10月23日 21:51]
実は私ウミガメのスープを解くより先に屁理屈推理合戦に参加したっていう特殊な経歴なもんで、屁理屈推理合戦に結構思い入れがあるんですよね。ここでも流行ってくれたら嬉しいなと思います[21年10月23日 21:45]
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
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Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!