どれでもいいけどどれでもよくない

海野（ウミノ）には目標がある。しかし今に関してはそれは関係しない。

………

「なんかさぁ俺、スープ作りとか、企画モノ参加するたびに大火傷負ってる気がするんだよねぇ」
「ﾌﾞﾌｯ、おま、それはお前が下手なだけでしょ！」
「「「あははははは」」」


彼は自宅にいた。
大して見てもいないのだがつきっぱなしのテレビで流れている、大して面白くもない番組に時たま、ちらりと目をやりつつ、密かな好物のカップ麺を啜っていた。

数分もするとCMが流れ始めた。
まぁ、番組にもCMにも興味はないのだが。


…なんて思っていた海野の目に、耳に、あるものが飛び込んできた。

『「ラテ清食品より、お詫びとお知らせです。」
「本社の商品に金属片が混入していた件について、安全のため、現在商品の自主回収を行なっております。対象の商品は賞味期限が〇〇〇〇…」
「お手元の商品には手をつけないよつにお願い申し上げます。」
「お客様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。」』

「は…金属片？！」
いけない、思わず一人だというのに声を上げてしまった。

確かにテレビに映っていた商品のうち一つは私の好物、今現在食べているカップ麺、「螺照螺照拉麺カップ ウミガメのスープ味」である。
私は即座に底に記載してある賞味期限を確認すると…

ビンゴ。
私はむせて拉麺を吹き出してしまった。








………

幸い、今回食べた中に金属片は入っていなかった、支障はなし、と。
これで安心して書けるというものだ。