【らてクエ特別編一日目】フューチャーにバックする感じ

2021年4月からタイムマシンが一般人にも使用できるようになった。

そして一か月後、とある小さいが確かな実力と人気を持つ料理店「羅寺亭」の三代目店主であるバテオも興味本位でタイムマシンを購入。
せっかくなので、とりあえず500年後にこの店は存在してるのかどうか確かめることに。

2521年5月8日に到着。そしてそこで自分の店が500年経っても存続していることを知った。
外装とかは色々と変わってるけど、間違いなく羅寺亭の500年後の姿だ。

未来や過去の物を現在に持ち込むことは禁止されているが、持ち込まずにその場で楽しむなり食べるなりすることは許されている。
せっかくだし未来の羅寺亭がどんなメニューを出してるのか確かめようと思ったが、よく見たら昼間にもかかわらずシャッターが下りている。
何事か、もしかして閉店してしまったのか、などと思ったところ、こんな貼り紙を見つけた。

「先日の星垣食衣の結婚報道に大変ショックを受けましたので、誠に勝手ながら8日から10日の間臨時休業といたします」

「誠に勝手ながら」と書いたり言ったりしたケースで本当に勝手だなと思ったのは初めてだと思いつつ、とりあえず営業自体はしているようで安心した。

2021年に戻ったバテオ。しばらくして旧友のゴゾウが訪ねてきた。

「よお、未来行ってたんだって？」
「ああ、500年後もこの店が存在してるか確かめようと思ってな」
「へえ、どうだった？」
「存在してること自体は分かったけど、臨時休業だったわ」
「あ、そうなの？何で？」
「今でいうガッキー」
「全て把握した。しかしそれならちょっと問題だな」
「何で？」
「お前の店って秘かに人気があるからさ、500年後どうなってるかとかどんな料理出してるかとか、そういうの気になる人そこそこいると思うのよ。それでせっかく行ったのに臨時休業じゃ、ガッカリするじゃん。それにタイムマシンの燃費も悪いし、燃料代もバカにならないしさ」
「なるほど」
「とりあえず臨時休業の期間は分かってるんだろ？だったら予め告知した方が面倒が無くていいんじゃないか？」
「そうなのかもなあ」

ゴゾウの助言を受け、バテオは店のシャッターに500年後の5月8日から10日は臨時休業をしていると伝える貼り紙をした。

簡易解説
タイムマシンが一般にも普及し始めた世界、500年後の自分の店が臨時休業することを知ったので、タイムマシンで未来の自分の店に行こうとしている客に無駄骨を折らせないために貼り紙をした。