たった一枚しかないカードを失ったカメオ。
しかしそれからというもの、カメオはいつも二枚目を要求されている。
どういうことだろうか?
しかしそれからというもの、カメオはいつも二枚目を要求されている。
どういうことだろうか?
ひねりますか?
No.17[白石コーソー]03月30日 19:1003月30日 19:12
たった一枚しかないカードは、他人の免許証など、違う人が使う同じものとかではなく、それ自体が世界に1枚しかないものですか?
NO 同一デザインのものがたった一つという意味です。同じ種類のものはたくさん存在します [良い質問]
No.21[どんどんぶりぶり]03月30日 19:2303月30日 19:25
カメオは昔のイケメンだった頃の写真の免許証を持っていたが、更新で老けた写真になってしまった。二枚目というのはイケメンという意味。昔の自分がイケメンだったことを証明しろと、昔の写真を求められた!ですか?
No.30[ベルン]03月30日 19:5403月30日 19:55
失った、とは有効期限が切れた、使い物にならなくなった、という意味ですか?
YES! その意味です!そのために再発行もできません(たぶん) [編集済] [良い質問]
No.36[ひゅー]03月30日 20:1303月30日 20:16
学校を卒業したので、学割がきかず、千円札を2枚出す必要がありますか?
YES! 正解です!高卒で就職したため、映画館の料金が1000円から1900円になりました [正解]
参加者一覧 7人(クリックすると質問が絞れます)
全員
みのすけ(8良:5)
シュガー⭐︎(10良:5)
かたな(3良:2)
ベルン(7良:6)
白石コーソー(3良:1)
どんどんぶりぶり(3)
ひゅー(3良:2正:1)
解説
高校を卒業し就職したカメオは、学生証を捨てた。よく行く映画館ではこれまで1000円だった鑑賞料金が1900円に増え、二枚目の千円札(あるいは900円分の硬貨)が必要になった。
おまけ
今時、お札や硬貨を持ち歩いているのはド田舎暮らしの老人か、そうでなければ通信インフラに弾かれた貧困層に限られる。世間一般で通貨とは、額面上で管理される電子マネーやクレジットカードの残高としての認識が強く、実体をもつ紙と金属の現金は、むしろ闇通貨として白い目を向けられるようになって久しい。
「カメオ。お前、就職するのか」
夏を過ぎた頃、高校の担任であるウミノに訊かれた。ウミノは淡白かつ真剣に質問をするのが上手い。
「はい。経済的に」
「一方的に引き止めるつもりはないが、一度は大学に通うことを勧めるぞ。カメオくらいの成績でもな」
「同じですよ。行こうが行くまいが」
カメオのセリフは口調以上に投げやりに聞こえた。カメオの気に障らない程度にウミノは苦笑する。
「教師の立場で言うのもアレだが、高校までで教わることの大半は、人々がどうやって生きてきたかという一つの経験論、それだけだ。お前たち自身がどういう人生を歩むか、それを学び考える場として、大学ほどうってつけな場所はない」
だとしてもそれだけの余裕がないのだと、カメオはあえて主張しなかったし、ウミノもそれ以上は踏み込まなかった。
「ありがとうございました」
卒業式の日、カメオはウミノを見つけて礼を言った。
「ああ。生き延びろよ」
死ぬなと言ってくれた方が、どれだけ気楽だったか知れない。
卒業後、カメオは学生証を四つ折りにして捨てた。
在学中はご利益のあるお守りか、あるいは万能な免罪符とでも思って常に携帯していたが、その効力が切れてしまえばあっけない。ひん曲がったプラスチックの小さな板は、引き出しの奥に眠っていた赤点まみれの解答用紙とともに今ごろ焼かれているだろう。
学校をサボって立ち寄ることの多かった、遺跡じみたレトロな映画館へ足を運ぶ。現金払いを受け付ける貴重な劇場であるために、ロビー内の一角ないし数角は、小中高生の溜まり場と化している。健全な学生の多くは、趣味のために現金を使いたがる。
学生の貧困に拍車がかかったのは、お小遣いが電子化された時点だろう。データとして管理されるお小遣いには当然足跡がつくのであり、保護者はそれを追跡しようと躍起になる。その需要に誰かが応えたところで子供の財布をレシートごと監視する体制は磐石となり、バイトをしない学生らには闇通貨たる現金に手を出す以外、逃げ場がない。
たむろする学生たちを尻目にカメオはカウンターへ向かう。
「大人一枚」
「学生証は…」と言いかけて、カウンターの男は素早く切り替える。「1900円です」
カメオは財布から千円札を二枚引き抜き、おつりの百円玉を受け取る。学生時代と比べておよそ倍額。手痛い出費ではあるものの、娯楽を諦めてしまえば何がカメオを人間たらしめるかわからない。
「お客さん、もし普通に働いてらっしゃるなら、こんなところに来るのはやめた方がいいですよ」
カウンターの男が囁く。それもそのはず、この寂れた映画館を重宝するのは子供を除けば浮浪者くらいのものだった。
カメオは差し出された入場券をつまみ、会釈しながら自嘲気味に笑んだ。
「まだ生き延びる予定なので、当分やめられそうにないんです」
カメオがその場から去った後、カウンターの男は不思議そうに首をひねりました。
高校を卒業し就職したカメオは、学生証を捨てた。よく行く映画館ではこれまで1000円だった鑑賞料金が1900円に増え、二枚目の千円札(あるいは900円分の硬貨)が必要になった。
おまけ
今時、お札や硬貨を持ち歩いているのはド田舎暮らしの老人か、そうでなければ通信インフラに弾かれた貧困層に限られる。世間一般で通貨とは、額面上で管理される電子マネーやクレジットカードの残高としての認識が強く、実体をもつ紙と金属の現金は、むしろ闇通貨として白い目を向けられるようになって久しい。
「カメオ。お前、就職するのか」
夏を過ぎた頃、高校の担任であるウミノに訊かれた。ウミノは淡白かつ真剣に質問をするのが上手い。
「はい。経済的に」
「一方的に引き止めるつもりはないが、一度は大学に通うことを勧めるぞ。カメオくらいの成績でもな」
「同じですよ。行こうが行くまいが」
カメオのセリフは口調以上に投げやりに聞こえた。カメオの気に障らない程度にウミノは苦笑する。
「教師の立場で言うのもアレだが、高校までで教わることの大半は、人々がどうやって生きてきたかという一つの経験論、それだけだ。お前たち自身がどういう人生を歩むか、それを学び考える場として、大学ほどうってつけな場所はない」
だとしてもそれだけの余裕がないのだと、カメオはあえて主張しなかったし、ウミノもそれ以上は踏み込まなかった。
「ありがとうございました」
卒業式の日、カメオはウミノを見つけて礼を言った。
「ああ。生き延びろよ」
死ぬなと言ってくれた方が、どれだけ気楽だったか知れない。
卒業後、カメオは学生証を四つ折りにして捨てた。
在学中はご利益のあるお守りか、あるいは万能な免罪符とでも思って常に携帯していたが、その効力が切れてしまえばあっけない。ひん曲がったプラスチックの小さな板は、引き出しの奥に眠っていた赤点まみれの解答用紙とともに今ごろ焼かれているだろう。
学校をサボって立ち寄ることの多かった、遺跡じみたレトロな映画館へ足を運ぶ。現金払いを受け付ける貴重な劇場であるために、ロビー内の一角ないし数角は、小中高生の溜まり場と化している。健全な学生の多くは、趣味のために現金を使いたがる。
学生の貧困に拍車がかかったのは、お小遣いが電子化された時点だろう。データとして管理されるお小遣いには当然足跡がつくのであり、保護者はそれを追跡しようと躍起になる。その需要に誰かが応えたところで子供の財布をレシートごと監視する体制は磐石となり、バイトをしない学生らには闇通貨たる現金に手を出す以外、逃げ場がない。
たむろする学生たちを尻目にカメオはカウンターへ向かう。
「大人一枚」
「学生証は…」と言いかけて、カウンターの男は素早く切り替える。「1900円です」
カメオは財布から千円札を二枚引き抜き、おつりの百円玉を受け取る。学生時代と比べておよそ倍額。手痛い出費ではあるものの、娯楽を諦めてしまえば何がカメオを人間たらしめるかわからない。
「お客さん、もし普通に働いてらっしゃるなら、こんなところに来るのはやめた方がいいですよ」
カウンターの男が囁く。それもそのはず、この寂れた映画館を重宝するのは子供を除けば浮浪者くらいのものだった。
カメオは差し出された入場券をつまみ、会釈しながら自嘲気味に笑んだ。
「まだ生き延びる予定なので、当分やめられそうにないんです」
カメオがその場から去った後、カウンターの男は不思議そうに首をひねりました。
21年03月30日 18:34
[こいのぼり]
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「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!
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ただし進行力は評価に含まれないものとします。
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