娘にそう問いかけられた男は、一昨日の晩ごはんを思い出せなかったので、娘がもうじき死ぬことを悟った。
かろうじて昨日の晩ごはんがハンバーグであったことを思い出した男が「一昨日の夜はハンバーグだったよ」と返事をしたのは、娘のためを思っての行動なのだが、
一体どういうことだろう?
らてクエ3問題文決定戦、「マクガフィン」様の問題です
また娘のためにタイムマシンを使うので記憶の日付と実際の日付が一致しませんか?
No!! 草w ただ、今回も概念は似てるのですwww ゆえに、かすってるのですw [良い質問]
娘は男が悟った通りに本当にもうじき(実際に)死んだんですか?
YesNo!! 『実際に』死ぬでしょう。ただし、それは「肉体的な」死とは限りません [良い質問]
もうすぐ娘が娘として生きた記憶がすべて無くなってしまうと思いましたか?
Yes!!! 記憶もなくなるかもしれませんし、なんなら人間性も思考も感動もなにもかもなくなってしまうと思っています [良い質問]
ゾンビは関係ありますか?
Yes!! ちょっと関係しますね。ただし、思考実験的なもので、よくあるバイオハザードみたいなものではありませんが。*ミスリード注意。
娘は寝るとその日の記憶が飛んでしまいますか?
No!! それならこんなことにはならなかったでしょう! いつまでも気づかないまま日々を過ごせました! [良い質問]
娘はあらかじめ決められた日付に死を迎える予定ですか?
ん〜、ある意味Yes!! 死ぬとしても、その日しかありえないでしょう。だって…
記憶を引き継いだまま461450100回目の8月29日を繰り返していますか?
Yes!!! 8/31を繰り返しているのです! 男が嘘をついた理由とともに、まとめてください! [良い質問]
娘はループしていて自分が死ぬ日を分かっていますか?
ある意味Yes!! ある1日を繰り返しているのです。ゆえに、死ぬならその日しかないのです [良い質問]
実は男もループしているのですが娘に気づかれないよう嘘をつきましたか?
No!! 娘も、父もループしていることに気づいているのです。
娘の状況を確認しようとしましたか?
No!! 娘をほんの少し驚かせて喜ばせて見たかったのです。すぐバレるとはわかっていても。
娘は8月31日に死ぬことは決まっているんだけども、29日の晩ご飯はハンバーグだけども娘が思い出せなかったのは娘が30日にループしちゃったからで、一昨日がハンバーグと優しい嘘をつきましたか?
No!!! 一昨日の晩御飯も思い出せないほどループしています。しかし娘も父も、30日の晩御飯はハンバーグであることは記憶していました。つまり、それが一昨日だったとしたならば・・・ [良い質問]
だから、最後にこんな嘘をついてみたんです。
娘はもうほとんど今日という日以外の記憶を失っていますか?
Yes!! 二人とも、一昨日の晩御飯も思い出せないくらいです。 [良い質問]
無限に繰り返す8月から1日進んで、9月1日と思わせることでループを脱出したと思わせますか?
Yes!!! 正解です! [正解]
参加者一覧 6人(クリックすると質問が絞れます)
今日は、8月31日。
だけど本当は今日が何日か、いや、何年かすら私にはもうわからない。
私と娘は、何の因果なのかずっとこの8月31日をループしているのだ。
最初はなんとかこのループを終わらせる手立てをと考えていたが、それもずっと昔に万策が尽きている。
いつのまにか、ずっとこうして机に突っ伏しているだけであった。
それは目の前の娘もそうだった。
見た目は小学生の娘で、世界から見れば実際まだ小学生の娘なのだろう。
しかしこのループの間、娘の精神は成熟し、そして果てには私と同様に枯れつつある。
「おとうさん、ごめんね……」
不意に娘が謝った。
「私ね、『昨日』。もっと夏休みが続けばいいのに、って願っちゃったんだあ……いつまでも終わらなければいいのにって。ははは……」
娘は乾いた笑いでつぶやくように言った。
小学生らしい、可愛らしい願いだ。ただそれを、悪意ある『なにか』が叶えたのだろうと私は漠然と思った。
「ねえねえ、」
娘が、続けて尋ねる。
「一昨日の晩ごはん覚えてる?」
私はふと『一昨日』のことを思い出そうとした。それは8月31日のことは指していないだろう。
8月29日の、晩ごはんーー。
しかし、私はもうそれを思い出すことはできなかった。
それだけ、永い時を過ごしてきたのだ。多分娘ももう覚えていないのだろう。
おそらく、娘も、私ももうじき死ぬ。
それは肉体的な死ではないかもしれない。周りから見れば死んでいないように見えるかもしれない。
しかしなににも反応することなく、全てを諦めて、思考と人間性を捨ててロボットのように如何なる感動も覚えずにタスクのように日々をこなす。
これは「死」と同義だ。
精神的な「死」だ。魂の「死」だ。
もうじき、私たちは死ぬだろう。
私は、かろうじて『昨日』、8月30日の晩ごはんを思い出した。
その日は、娘の誕生日だ。
誕生日の日は、娘の大好物のハンバーグでお祝いすることになっていたはずだ。
ああ、これは気休めにもならないかもしれないが。
それでも私は言った。
「一昨日の夜はハンバーグだったよ」
娘は一瞬驚いたように目を少し見開いて、こちらを見た。娘も覚えていたのだ。この我が家のルールを。
しかし私のどこかイタズラっぽいような、申し訳ないような表情を見たのだろう。
どこかがっかりしたような、そんな表情を浮かべて、再度机に伏した。
「おとうさん、変な冗談はやめて。本当に一瞬、8月30日が一昨日になったかと思ったじゃん」
「ごめんごめん」
「ううん、でも久々に、ちょっと胸が高鳴った、かも……」
娘が再度顔を上げ、笑みを浮かべた。
その笑みは在りし日の、まだこの地獄を知らない少女のもののようだった。
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。
Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!