待っていますね

簡易解説

ウミコの両親であるカメオとカメコは、ウミコが幼いころに離婚していた。
ウミコは両親が大好きだったし、カメコとカメオの仲も時と共に改善されてきていた。
何かきっかけがあれば両親は再婚するだろうと思ったウミコは、自身の結婚式でインパクトのあるブラックユーモアを交えて
二人に再婚を促すのであった。


解説

カメオとカメコは、二人の娘であるウミコがまだ幼い頃に離婚していた。

ウミコは母親のカメコが引き取った形だが、離婚後も近くに住んでいたのもあって、ウミコは互いの家を頻繁に行き来していた。
ウミコからすれば自宅が２つあるみたいで楽しかったし、ウミコの事を大事に考えていた両親は、頻繁に3人一緒での外出の機会も作ってくれた。
ウミコの成長と共にわだかまりも薄れていったのか、今ではカメオがこちらの家へ来たり、カメコとウミコがあちらの家へ行って食事をするのも当たり前になっていた。
ウミコは両親の事が当たり前に大好きだった。

事ある毎にウミコは両親に尋ねた。
再婚はしないのか、と。

「嫌ってわけじゃないけど今更なぁ…」
「今更よねぇ…嫌ってわけじゃないけれど」

毎回似たような言葉を返す二人の態度をみてウミコは思った。
普通にお願いしただけじゃ、ダメだろうと。
ただ、何かきっかけがあれば再婚するだろうとも。
ウミコの我儘なのかもしれないが、ウミコにとって二人が再婚することは自然な形に思えた。


そして幾ばくかの月日が流れ、今日はウミコの結婚式。
ウミコは両親への思いを綴った手紙を読み上げる。

「幼いころ私は～(略)
　むしろ私は普通の家庭より～(略)
　そんな私を羨ましいと言ってくれたウミオ君と出会い～(略)
　結婚は人生の墓場とはよく言いますが～(略)
　私は喜んで墓に入りたいと思います。
　両親のおかげで、私は結婚という別世界に進むことを心から望めます」

そこでいったん言葉を切ったウミコは、改めて両親を見据える。
そして結婚式にふさわしくない、ブラックに過ぎるユーモアだろうけど、これくらいインパクトがある方がきっかけになるだろうと思い締めくくる。

「先立つ不孝をお許しください。
　先 に あ の 世 で 待 っ て い ま す ね」