男の死体には沢山の外傷があり、他殺が疑われたため、司法解剖が行われた。
解剖の結果が出たところで、解剖医はこう言った。
「この解剖、なかったことにしてくれないか」
立ち会っていた警察官も他の医師も、その言葉にただ笑うしかなかった。
一般的な刑事ドラマ、医療ドラマ程度の知識で対応できます。解剖医の発言の意図を当ててください
死んだ男は病院嫌いでした。
珍しい病気で死んだとわかったので、司法解剖をやめて病理解剖に回してほしいと言いましたか?
NO…みなさんがよく聞く病気です。(どうでもいい話ですが、司法解剖と病理はたまに同時進行します)
法医学的には、死因は外傷による出血性ショックです。
が、その前提となる「病気」こそを死因と捉えても構いません。
男がどこで死んでいたか(例:崖下とか)は重要ですか?
NO…あまり関係はありません。死んでそこそこの時間で、警察に発見される、そんな場所とボンヤリ捉えてください
別の熟練した医師なら解剖しなくても死因がわかった可能性がありますか?
YES NO…とさせて下さい。熟練に依らず、別の医師なら、見つけた可能性があります。 [良い質問]
解剖をしたのが他の解剖医だとしても普通ならば無かった事にしようとしますか?
YES NO…医師によります。プライドや権威、その他の要因でも変わるでしょう [編集済]
解剖医の失敗というのは解剖手技上の問題ではなくて、事実上病死であることを見逃して解剖に入ってしまったということですか?
YES! [良い質問]
28より、この解剖医ゆえに解剖をしなくてもいい理由を見落としたわけがありますか?
NO…この解剖医だけのせいではないかも知れませんね。
解剖医は誠実だったからこそ解剖を無かった事にしようとしましたか? [編集済]
NO…無かったことに「できるわけない」というのが重要です
司法解剖しなくてもよかったと後悔した理由に警察の何らかのミスは関係しますか [編集済]
NO…警察は珍しくミスはしていません。この物語の中では!
死体検案の時点で、医師によっては病死の診断が下せた可能性がありますか?
NO…死因の問題は上記で出したヒントを参照してください。ただし、病気の特定はできた可能性があります [良い質問]
病死と聞いて思い浮かべる一般的な病名で構いません。
理論上では、人間の体の「どこにでもできる」ものなので、
具体的な箇所は当てなくて構いません…
開腹してすぐ、がんの全身転移を発見しましたか?
YES NO…全身転移が見られたかも、知れませんね…ということで、癌(ガン)です [良い質問]
癌で衰弱して何度も転倒してできた外傷を、事件性のものと疑って解剖したものの、解剖直後に癌を遠因にした外傷と気付いて後悔しましたか?
NO…後悔のポイントはそこではありません…
男は癌細胞を自分で体の一部を切って取ろうとしましたか?
NO…死んだ男は、自分が癌であることに気づきもしませんでした(病院嫌いのヒント参照)
末期まで進行した癌に侵され、自宅で体調が悪化し何度も卒倒したりして体に青痣を作りながらも立ち上がって助けを求めようとしたが、最後には力尽きてそのまま死亡した? [編集済]
部分的にYES…ただ、男が助かろうとしていたかは疑問ですね。病院に行かなかったので…
癌による衰弱とか内臓疾患による死亡ではなく、あくまで打撲による出血性ショックが死因?
YES…男が癌を発症して、外傷を負い、何かをしたためにこうなりました [良い質問]
男の自分でした手当てが大げさで、本当は大したことない外傷でしたか?
YES NO…大袈裟、という表現は適当ではないかも知れません。いや、適切でないかも知れませんね。
男がした手当ては正しかったですか?
NO!…あれほど病院に行けと言ったのに!…彼は言われなかったんでしょう。孤独だから。 [良い質問]
腫瘍を自分で切り落としましたか
NO…この死んだ男に腫瘍を切り落とす医学の知識があるなら、それより病院に行くことを優先したでしょうね
外傷に唾を塗りましたか
YES NO…あまり重要ではないです。そうしたかも知れませんし、絆創膏を貼るくらいの知識はあったかも知れません
癌は、進行すると、とても痛いです。
自己治療の結果(見た目)が警察や解剖医の判断を誤らせましたか?
部分的にYESでありNO。判断がつかないからこそ、解剖になったというのが正しいかも知れません。現実とはそうしたものです。 [良い質問]
男の経過は、「がんにかかる→痛みで注意散漫→打撲で出血→手当てをする→失敗し孤独死」の流れで良いですか?
一応成り立つのでYES!…ですが、打撲より前に対処したい痛みが、ありますよね?
病院では絶対にしない方法の手当てをしていましたか?
部分的にYES…病院によっては、された処方かも知れませんが、男の状態を見たら絶対に(まともな医者なら)しない処方でした。
男はがんの痛みにも何らかの処置を行いましたか?
YES!…男は、打撲の痛みよりも、延々と続く癌の痛みの方が目下の悩みでした。これさえなければ、そもそも怪我はしない! [良い質問]
市販の鎮痛剤を多用したので薬物中毒も疑われて解剖に至りましたか?
惜しい、NO!でも、多様はYES!…補足しますと、市販薬の多様での中毒ってあまり無いです。具体的には薬で腹一杯になるくらい摂取しないとならないです [良い質問]
解剖の結果、癌の腫瘍以外に見つかったものはありましたか?
ミスリード注意、ですかね。一応具体的にいうと、癌の腫瘍、内外出血痕跡、新旧問わないの骨折痕跡多数は見つかるはずです
マキロンがぶ飲みしてましたか?(笑)
NO!…それは非常にやばいですよ(笑)ちなみに、マキロンの目的は外傷の殺菌消毒。痛み止めではありません
有名な市販の鎮痛剤といえば、「半分は優しさ」のアレですが、
鎮痛・解熱作用を持つ反面、副作用があります。
副作用の消化管出血がありましたか?
NO!(消化管出血があった、という理由で先はYESにしていました。すみません)…その消化管出血が起こる、一番の作用こそがキーです [編集済]
副作用の皮膚症状が診断の妨げになりましたか?
NO…皮膚症状よりも、この男が市販の鎮痛剤を独断で使用してはいけない重大な理由があります。 [編集済]
鎮痛剤には血が止まりにくくなる副作用があるため出血性ショックが起きやすくなっていた、ということに思いが至らなかったことを後悔しましたか?
NO…後悔自体は「癌」に向けられています。
出血性ショックの遠因に、疼痛の自己治療として市販の鎮痛剤を多用することになった癌があった、ということが見破れなくて後悔したのですか?
YES!! [正解]
参加者一覧 7人(クリックすると質問が絞れます)
自堕落な生活を長年送っていたことで、その体は癌という病魔に蝕まれていた。
激痛を市販の鎮痛剤で誤魔化すも、思い通りに動かない体は転倒を繰り返し、次第に傷が増えていく。
ついに、男は鎮痛剤を飲み過ぎ、内外様々な怪我の血が止まらずに死んでしまう。
果たして死体は警察に発見されたが、そんな体の状態では事件を疑われるのも無理はなく、
警察から解剖医に委託され、死因を捜査することとなる。
果たして、解剖は行われ、この男の体内に巨大な腫瘍が発見されることになったわけだが、ここで医師は見落としに気づいた。
「こんなもの、解剖前のCT検査で見つかるじゃないか!この解剖は行う必要は無かった!」
外傷の事件性ばかりに目が行っており、肝心の病理に目が行かなかった。
法医学の権威としては、痛恨のミスである。しかし、いずれにせよ事件捜査を前提に解剖は行われなければならなかったので、
立ち会っていた警察も、他の医師も「気に病むことはありませんよ」と苦笑いしたのである。
かくして、この不幸な事件は「死亡者が癌を放置し末期化した末の鎮痛剤多量服用による出血性ショック死」と結論づけられた
知識については、薬科知識、解剖手順、変死捜査の手法がそれぞれ若干入るので、何も知らない人向けではないのかな、と思い入れさせていただきました。割と皆さんスムーズに受け入れてくださり、助かりました。[20年07月25日 09:20]
皆さま、ありがとうございます。死後CTは現在の検視制度であれば解剖前に必ず技師によって行われます。そこから解剖の目処を立てますので、その時点での所見で癌の見立てをつけていてもおかしくはなかった、というのが現実です。[20年07月25日 09:07]
初出題お疲れさまでした。剖検経費のことも他に重要な司法解剖案件があるだろうということも考えあわせると「死後CT撮ればそこで終わってた」という後悔はあるかもですね。監察医が十分機能してる(剖検の余裕がある)みたいだから一発剖検も悪くない気もちょっとだけしますが。[20年07月24日 17:49]
彩京護さん、他の回答者さんありがとうございました~正解がNo.95と長期戦になったり終盤は質問できなかったり悔いは残りましたが楽しかったです(`・ω・´)[20年07月24日 17:37]
・死亡者の癌の放置による末期進行
・鎮痛剤の多用服用による内外出血過多
・外傷過多による事件性の不透明さ
・解剖医が開いて見つけたのは癌腫瘍、外傷性出血、骨折等
・解剖医が犯したミスはどこかの段階での「見逃し」
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