「夕食放棄でハッピー」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
カメコは高校生の息子、カメオのために腕によりをかけて夕食をつくった。
用意された料理はどれもカメオの好物ばかり。
ところが夕食がすっかりできあがる頃、カメオから電話がかかってきた。
その内容は『ウミオとラーメンを食べに行くから今日の夕飯はいらない』といったものだ。
このメッセージを受け取ったカメコは、喜びながらこのことを夫に報告をしたという。
なぜカメコはそんなに喜んでいるのだろう。
状況を補完してください。
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簡易説明:引きこもりだったカメオに、ラーメンを食べにいくほどの仲のいい友人ができたから。
半年前、カメオはいわゆる引きこもりであった。
原因は仲が良かったグループによるイジメである。
イジメのリーダーはあろうことかカメオの幼なじみであり、親友だと信じていたカメオはこの裏切りにひどく傷ついて、しばらくは家から出られないほど弱ってしまった。
カメオの両親は息子を元気づかせようと、いろいろ手を尽くしていたが、カメオの心が晴れることはなく、それどころか日を追うごとにふさぎ込んでいく始末である。
母、カメコが、どうにか息子を助けることはできないかと悲痛な面持ちで悩んでいたところ、ひとつの学校の情報が飛びこんできた。
それはカメオのように環境や人間関係に傷ついてしまった子供たちが通う学校で、生徒ひとりひとりに合ったケアや教育プログラムで、何人もの生徒の心やプライドを回復させた実績があるということで評判も上々であった。
カメコはすぐに夫に相談、夫もそれに同意し、カメオに通わせてみようかと意見がまとまった。
カメオのほうは、裏切りの傷がまだ癒えていないのか、最初のうちは渋っていたが、「毎日行く必要はない」「無理だと思ったら通わなくてもいい」という言葉に後押しされて登校を決意。
かくしてカメオの新しい学校生活が始まった。
試みはすぐに効果をあげた。
始めのうちは両親がついていかなければ登校できなかったカメオも、10日後には自分から学校へ行き始めるようになり、表情や性格もかつてのように明るくなっていった。最近では学校であったおもしろい出来事やハプニングを両親に報告する余裕さえでてきた。
そして今日、カメオは登校してちょうど1ヶ月という日を迎えることとなったのである。
これを喜んだカメコは、お祝いとして、今夜の夕食はカメオのためのごちそうを作ろうと決めた。
からあげ、ミートボールスパゲティ、カニグラタン、有名店で買ってきた大きなホールケーキ……まるでパーティーだなと呆れる夫だったが、彼は彼でカメオのためにこっそりプレゼントを用意していたのだからとんだ似た者夫婦である。
そろそろ、ごちそうも完成しようかというその時、カメコのスマホが鳴った。
発信者はカメオである。
不思議に思いながらも、カメコが通話を押すと、すぐにカメオの声が耳に流れてきた。
「もしもし、母さん? 今日の俺の夕飯は用意しなくていいよ」
「ええっ!? どうして?」
「えっと、実は……」
「ウミオくんにラーメンを食べに行こうって誘われたんだ、だから……」
それを聞いた時のカメコの驚きようといったら。
人を信じることができなかったカメオに友人ができた!
寄り道をしてラーメンを食べにいくほどの!
カメコは「ゆっくりしていきなさい」とカメオに伝えて電話を切ると、すぐさま夫にこの喜ばしい報告をしたのだった
物語:2票