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明日に遠足を控えた小学2年生のカメコは、おばあちゃんと一緒にてるてる坊主を作っていた。
「明日が運動会だったらよかったのになぁ」
窓の外を見ながらぽつりと呟くカメコ。
いったいなぜ、そんなことを思ったのだろう?
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解答
雨で運動会が中止になれば、仕事を休んでくれた母と一日一緒にいられると思ったから。
解説
窓の外でごうごうと風が唸る。お昼からずっと降り続く雨の音を聴きながら、カメコとおばあちゃんは大きなてるてる坊主を作っていた。
明日は遠足だ。
天気予報は……雨。9割方遠足は中止になり、教室でお弁当を食べて終わるのだろう。
それでもと最後の望みをかけて、てるてる坊主に顔を描いた。
「明日が運動会だったらよかったのになぁ」
ぽつり、呟くカメコは窓の外をぼんやりと見ている。
おばあちゃんは首をかしげた。
「どうして?」
「だって……運動会が雨で中止になれば、ママと一日中一緒にいられるもん」
それは小学1年生の頃にさかのぼる。
予定されていた土曜日は生憎の雨。運動会は翌日に延期になった。
母子家庭で働きづめの母は、休日でも一日中家にいることは少ない。
だが、この日は違った。娘の運動会のために一日休みを取っていたのだ。
「カメコ、せっかくだからどっか出掛けよっか」
「うん!!」
お気に入りのワンピースを着て、少し離れたショッピングセンターに二人で出掛けた。ゲームセンターでクレーンゲームをしたり、喫茶店でケーキを食べたり。
カメコには夢のような一日だった。
翌日の運動会に母は来れなかった。それはやはり寂しくもあったが、それよりも母と一緒に休日を過ごせたことの方がずっとずっと嬉しかったのだ。
ママは、カメコたちのために頑張ってくれている。
だから、わがままは言わないの。
おばあちゃんもカメコを大事にしてくれるし、優しくて大好き。
でも、でもね……
ほんとうは、ママと、もっともっと一緒にいたいよ。
そんなカメコの切実な声が聴こえるようで、おばあちゃんは手の中のてるてる坊主をきゅっと握りしめた。
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