「【BS】あたたかなスープ」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
ある日、男は女の自宅に食事に招かれた。
テーブルに置かれたウミガメのスープを前にした男は、少し考えた後、「温めてくれないか」と遠慮がちに女に告げた。
「どうして?」と女が問うと、男は「いろんなことを話せるようになったから」と答えた。
女はなぜ、「どうして?」と問うたのだろう?
たくさんのらてらてメンにお祝いしていただけて超幸せでした。ありがとう。ラブ!
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解答
男が猫舌であると思っていたから。
解説
初めてのデートは喫茶店だった。
二人は互いに緊張しており、会話はなかなか続かない。
「僕、猫舌なんだ」
そう男は告げた。そうなんですね、と女は微笑む。
テーブルに置かれたホットコーヒーを男はゆっくりと時間をかけて飲んだ。
二回目のデートはレストランだった。
前回よりは少しほぐれたものの、二人の間にはまだぎこちなさが残る。
男は注文したウミガメのスープを、これまた時間をかけてゆっくりと飲んだ。
そんな調子で幾度かデートを重ね、二人の距離はずいぶんと縮まったようだった。
ある日、女は男を自宅に招き手料理を振る舞うことにした。
男の好物であるウミガメのスープを作った女は、猫舌の彼に配慮し、軽く冷ましてあるスープを差し出した。
器に触れた男は一瞬動作を止めた。そして顔を上げると、やや遠慮がちに女にこう告げた。
「……このスープ、温めてくれないか?」
女は少し驚いた。
「どうして?あなた、猫舌でしょう?」
「本当のことを言うと、僕……猫舌なんかじゃないんだ」
申し訳なさと気恥ずかしさの入り交じる表情で男は言う。
「猫舌だって言ったのは、そう言い訳してゆっくり食べることで少しでも長く君と一緒にいたかったんだ」
うまく話せなくても、会話が続かなくても、ただ一緒にいたかったのだと。
男は伏し目がちに笑って、それからまっすぐに女の目を見た。
「でも、もう猫舌だなんて誤魔化して時間を稼がなくても、君とはいろんなことを話せるようになったから。せっかく作ってくれたこのスープも、熱々の一番おいしい状態で食べてみたい」
女は頬を染め、嬉しそうに頷いた。
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いつも遊んでくださる皆さん、ありがとうございます。藤井です。
ラテシンに登録したのが約9年前。以来、ウミガメを介してたくさんの方々と交流をさせていただきました。
私にとってのウミガメのスープは、大切なコミュニケーションツールのひとつです。
登場人物の心情が溶け込んでいる奥行きのあるスープが好きで、そういったスープ作りを目指しています。
記念すべき100問目のスープには『うまく話せないけど、それでも一緒にいたい』…そんな思いを溶かしました。
どうかこれからも気ままに遊んでいただけると嬉しいです!ラブ!
物語:8票良質:15票
全体評価で良質部門
とかげ>>
スープを温めて欲しいと言う男に理由を聞くと、「いろんなことを話せるようになったから」。「どうして」と聞いた方の理由を問題にすることで、男の返答の理由を問うよりもはるかに魅力的なウミガメになっている。
アルバート>>
この問題が、ただ「すごく盛り上がったBS」という認識だけで消費されるのはあまりにも惜しい。もったいない。問題文を読み、解説を読み、もう一度問題文を読んで、そこに込められた作問の妙味を味わってほしい。
物語部門
ぺてー>>
面白いアイデアに物語がうまく絡んでいます
スパイスとしてクルーも盛りだくさんです