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女が立っていると、石が飛んできた。
それは明らかに女へ投げられたものだが、女は怒らなかった。
なぜ?
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女はストリートミュージシャン。
投げられたのは、小石を紙幣で包んだ
「おひねり」または「投げ銭」と呼ばれるもの。
(以下、インタビュー記事より。)
あの男の子、当時小学生くらいだったかな。
私、いろんなところで演奏してたんですけど、駅とか人の多い通りとか。
公園でよく見かけたから、近くに住んでるのかなとは思いました。
向こうからも私からもしゃべったことはないですね。
大体いつも最後まで聴いてくれてました。
でも、ある時から見かけなくなって。
ちょっと気にはなってたんですけど。
私はその後も活動続けて、どんどん人も集まるようになって。
それで、駅前で演奏した日ですね。
1曲終わったタイミングで、
大人たちの頭の上を何かが飛んできたんですよ。
で、開けて置いてあったギターケースの中にコロンって。
丸めた千円札が入ってました。
その時、隙間から人影がチラっと見えて、
もしかしてあの子かもしれないなと。
あとでいろんな人に、あの男の子を知らないかって聞いて回ったんです。
元々はあの公園の近くに住んでいたらしいんですけど、
家の事情で施設に引き取られたって聞きました。
1、2年ぐらいたってCDを作るときに、そういうので思うところがあって。
それで施設宛てに1枚送りました。
また聴いてもらえたらいいなって。
(この物語はフィクションです。)
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