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夜の廊下にひたり、ひたりと響く足音。

ひどく怖がるカメオにでたらめな歌を歌いながら、怖がりでないカメコはどうしても後ろを振り向くことができなかった。

いったい何故だろうか?
[藤井]

【ウミガメ】19年10月28日 04:15
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解答
カメオをおぶったカメコは、すぐそばにある好きな人(カメオ)の顔を見るのが恥ずかしくて後ろを振り向くことができなかった。


解説
それはある夏の夜のこと。
学校で開催された肝試しイベントでペアになったカメオとカメコは、薄闇に包まれる校舎を歩いていた。

ひょろりとした体躯で怖がりなカメオとは対照的に、スポーツマンで勝ち気なカメコ。へっぴり腰でなかなか奥へと進めないカメオに「そんなんじゃいつまで経っても抜けられないじゃん」と半ば無理矢理に背中を押して歩いていた。
のだが。

「ヒイッ!!!!!!」
「うわっ!何?」
「いいいいま何か、光った!!窓!!」
「窓ぉ?私らのライトの光が反射したんでしょ」
「そ、そっか。……あ、あれ?」
「今度は何?」
「ど、どうしよ、腰抜けた……」
「嘘でしょ?だらしないなぁ、もう!」

へたりとその場に座り込んでしまったカメオ。
カメコは一つ大きく息を吐いて、カメオのそばにしゃがんだ。

「……おぶるから」
「へっ??」
「歩けないんでしょ」
「えっ、いや、そんな」
「ずっとここにいたいの?」
「い、いやだ!!!」
「私も嫌。だから、ほら」

カメオはおそるおそる、カメコの背に体を預けた。

「耳元で叫んだりしないでよね」
「き、気をつける……」

ぶっきらぼうに言い放つカメコの頬は真っ赤に染まっていた。
心臓の音がうるさすぎてカメオに聞こえてしまうんじゃないかと心配になった。

「なんか適当に歌うたったげる」
「歌?」
「……ある日~リボンをつけた~ねこさんが~~」
「な、なにその歌」
「即興」
「えぇ……」

(……たぶん今、カメオより私の方がどきどきしてるんだろうな)


夜の校舎にひたり、ひたりと響く一人分の足音。
すぐ後ろにあるカメオの顔を見れなくて、カメコはただまっすぐに前を向いて歩いた。
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